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次に目が覚めたのは病院の中だった。

辺りを見ると、豪華で広い病室で一目で協会が用意した場所だと分かった。

「失礼しまーす」

そう言いながら病室に入って来たのは、神阪と桐原だった。

「先輩、目覚めたんですか!!」

神阪は大声を出すものだから耳が痛くなった。

「うるさい」

「あ、すいません」

この驚きは俺は一体どのくらい眠っていたのか?

それと同時に神阪の頭を桐原が叩いた。

「あんたはもう少し考えなさいよ」

「で、俺はどのくらい寝てた?」

「三日です」

二人は椅子に座り話を続ける。

神阪は右腕を包帯で巻いていて骨が折れていて、顔にも包帯があった。

桐原は外傷は見当たらなかった。

「大変だったんですよ」

「何が?」

神阪が何かを語る前にもう一人聞きなれた声が病室のドアから声がした。

「御影さん、起きたならまず先生を呼びなさい」

「姫野さん」

そうして、姫野さんが先生を呼んできてくれて簡易的な検査などを行った。

そこで言われた言葉は…。

「運ばれてきた時はどうなるかと思いましたが、それでもこの数日でこれほどまでに回復するとは」

「じゃあ今そんなに問題はないと?」

「はい、正直に言ってしまえばモンスターを見ているようで…」

「そうですか」

先生はそう言い残して、病室から出て行った。

「とりあえず問題はないと言うことですね」

姫野さんが俺に確認をとる。

「それであの後どうなったんすか?」

「本題に入る前にそれを話しましょう」

姫野さんはタブレットで写真を見せた。

「これがお三方が通ってる学校です

そこに移ってる写真は瓦礫が散乱していて、建物があったことしか分からない程に酷い況だった。

「なんかすいません」

「まあ被害はこれだけでした」

「じゃあ生徒とか教員に怪我は?」

「殆どが軽傷で神阪君の腕が折れたくらいですね」

「それなら良かった~」

「いや、良くないですけどね」

神阪はショックを受けていたがハンターとはそう言う生き物だ

「では本題に入りましょう」

姫野は重い空気を纏いながらも口を開く。

「御影さんが戦った存在は特別指定モンスター《零》と呼称します」

「零?」

「はい、零は今まで我々が認識してきて語り継がれてきたモンスタ-とは全く異なる存在だと思ってもらって構いません」

なんだかとんでもないことに巻き込まれている気がする。

一体俺は何に巻き込まれているのか?

「この話は世界中の協会で議論されてます、なので零と戦った唯一のハンターである御影さんにご意見を頂きたく」

「それって俺達も聞いて良いんですか?」

神阪が不安そうに問いかける。

「勿論、零と戦った当事者である神阪君や桐原さんの意見も聞きたいんです。今はとにかく情報がほしい」

「そうですか、でも私は見てただけだし」

「でも、あのエーテル濃度に充てられて俺も動けなくなったし」

二人はただ見てただけと言うが本音を言うと、無理に攻撃を仕掛けに来なかったのは正直安心だ。

「でも、それだけのモンスターと御影さんが戦って正直、あんな戦いされて他のハンターは何も出来ないですよ」

「それはそうかもしれません、でも一つ気掛かりが」

姫野さんは俺に向かって言う。

「御影さん?」

「はい?」

「貴方は零と戦った際本気で戦いましたか?」

「ちょっと待ってください、先輩があんな化け物と戦ってあれで本気じゃないって言うんですか?」

桐原が反論をしてくれる。

「零が最後に言った言葉は、本気で戦ってみたいと言いました、あれは御影さんが本気でなかったのを見抜かれてたのでは?」

「そんなことあるわけないじゃないですか、本気で戦わないと死んでいたかもしれなんですよ」

神阪もそっち側だと思ったらしい。

「本音はどうなんですか?」

視線が俺に集まる。

「まあ戦うことだけ考えてたわけじゃないのは事実だな」

「嘘でしょ」

桐原は信じられない顔をしていた。

「御影さんと零のレベルになれば、両者が本気で戦えば都市が何個か吹っ飛ぶのは分かるでしょう?」

「先輩が本気を出せなかったのは周りにいる人や建物を守る為だったと言うことですか?」

「うーん、まあ本音はね」

「じゃあお聞きします、本気で戦えば勝てますか?」

これを答えれば世界中の命運を左右することは確実だ、だからこそ安易に答えてはいけない。

「襲撃しに来た時の場合なら可能性はあったかもしれない、でも本来の力を取り戻した零に勝つ可能性は絶望的ですね」

「そんな…」

二人は絶望的な顔をした、それと同時に看護師さんに二人が呼ばれた。

「神阪さん検査の時間ですよ、それに桐原さんもまだ病室から出ないようにって言ったじゃないですか」

「それ後に回せませんか?」

「駄目ですよ、検査だってきちんと受けないといけないんですから」

「でも…」

「そんな顔すんな、俺と一騎打ちしたらの場合だ、世界中のハンター協会が動いてるんだ。協会もそれなりの動きは見せるだろよ、だからお前らにも力を貸してほしい。だから今は体を休めろ」

「分かりました」


そうして二人は病室から出て行った。

「姫野さん、協会は今後どう動くつもりですか?」

「世界中からハンターが日本に派遣されることも視野に入れてます。それより御影さんも何も考えがないわけではないんでしょう?」

「なんでそう思うんですか?」

「だって、勝てないとは言ってないでしょう、可能性がないってだけで」

「気付きましたか」

「はい、で、どうするつもりなんですか?」

「いざとなれば応援を呼びます」

俺はとあるモンスターとの思い出を思い出していた。

「それは誰ですか?」

「とあるモンスターです」

「え?」

「過去に俺がゲートで出会い、俺が負けたモンスターです」

「そんな情報は知らないですけど」

「まあ、隠してたつもりはないんですけどね」

「一体どんなモンスターなんですか?」

「相手の感情を操るモンスターです、あの時より俺は強くはなった。でもそれはあいつも同じです」

「モンスターが人間と共に戦ってくれるとは思えませんが」

「あいつは別です」

「どうしてそこまで?」

俺はかつての約束を口にした。

「あいつは俺が死ぬ間際で処置をして俺を生かした。あいつはモンスターと人間の共存を望んでいる」

「共存?」

「はい、俺はそれを信じたい」

「そんなこと…」

「分かってます、その道がどれほどいばらの道なのかって。でも俺が出会ったモンスターも全て人間を敵だと認識しているわけじゃないんです。視野の問題ですよ」

希望を持つのは簡単だ、でもそれを実現するにはきっと時間も今の常識も変えなくてはいけない。

「でも、そんな強いモンスターが味方になれば勝てると?」

「はい、俺一人ではもうどうしようもない状況になってしまってます。だから手段を選んでる場合ではない」

「分かりました、ではそう報告します」

そうして、姫野さんは立ちあがったがそれを呼び止めた。

「待ってください」

「なんですか?」

「それを報告するのは一旦待ってください」

「どうしてですか?」

「これを世界中が知れば問題が一つあるんです」

「問題?」

「はい、もし人間の味方をして共に戦ってくれることに抵抗がないモンスターが居るとなるとそれを軍事利用し始める国があると思うんです」

「確かにその可能性はあるでしょうね」

「俺は共存を約束したんです、だからもしそんなことがあればそれこそ、いつ終わるかも分からない人間とモンスターの戦いが始まります。俺はいつかどんなに時間がかかってもそれを終わらせたい」

姫野さんは顔を変えないで静かに言う。

「分かりました、そう言う可能性があることは一旦日本の協会だけに共有します」

「お願いします」


姫野さんは病室を出て行った。

それから俺は医者から言われたことを考えながら、時間は過ぎていき時間は消灯時間になった、そんな時間に病室のドアが開いた。

「随分と思い詰めた顔をしているね」

相手は八咫烏の総帥だった。

「やっと来ましたか」

「待ってたんだ」

「当たり前でしょう、こっちからコンタクトはとれないしそれにこんな状況になったんだからそっちがいつ動くとは思ってましたから」

「そうか、で何が知りたい?」

「全部と言いたい所ですけど」

「そうか、先ず一つ言っておこう、君の検査結果見たよ」

それは俺が一番知りたい内の一つだった。

「医者から人間とは思えなと言われました」

「うん、君の今の状況を正直に言おう」

総帥は椅子に座り、真実を口にした。

「このまま行けば君は人間からモンスターになってしまう」


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