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護衛

それから一週間が経った。

相変わらずモンスター被害は止まらなかった。

でも俺が出る程の任務はなかったが、俺は一週間前のことについて考えていた。

それはレインとの約束。

モンスターと人間の架け橋となることだった、ゲートを出てから会話をすることは出来なかった。

その約束が果たされる日は果たして来るのだろうか?

でも、こっちに来るモンスターは人を食うことを目的にする、なので駆除するのがハンターの役割になる。

俺がしようとしているのは普通は邪は道なのだろう、本来のハンターの職務であるしそれの反対側に位置することになるし、人間の常識の外にいるので会長に一回だけ言っただけだ、だから現状は何もできない協会自体も駆除を優先にするので特に響かないのが問題ではあるので、レインとの約束を果たす日が、本当に来るのだろうか。


そんなことを考える、下手に口に出せば反感を買うだろうしこちらに敵意を見せてくる存在と分かり合えることはないのかもしれないが俺だけでもレインと言う人間と共存を望んでいるそんな存在がいるとを覚えとかないといかない。


そうして、護衛の日の朝。

時刻は六時半、やっと朝日が昇って来た辺りで俺はベランダで煙草を吸う。

「おはようございます」

桐生さんは相変わらず朝が早いようだった。

「おはようございます」

「最近朝早いですね」

「まあ色々考えることが増えたので」

「寝るのも大事ですよ」

「分かったます、でも俺には俺の仕事があるので」

「最近はなにをお考えに?」

俺は此処で迷った、家族を殺されている桐生さんに対して共存の話をするべきか。

「私には何でも話してください」

「え?」

「私は御影さんの執事です」

「そんな契約してないけど」

「でも、いつかあのモンスターを倒されても私はずっとお守りいたいます」

「俺の方が強いけど」

「確かに」

お互いに笑い合う、でも理解者がいるかいないかでそれは話が変わってくる。

「執事か…」

「はい、今からでも契約書に書きましょうか?」

「いや、書面はいらない。その気持ちだけで十分だ」

「分かりましたでは、もう桐生とお呼びください。それから敬語も必要ございません」

「分かった」

そう言うと桐生は一礼した。

「一生お仕えいたします」

「大袈裟だな」

「いえ、貴方なら私も仇も打てるはずです」

「期待に応えないとな」

「そうですね、それで何を考えていたんですか?」

「俺のこと信じれるか?」

「はい」

「実は前にゲートにとじ込まれた時にホロウレインと戦った、それで俺は負けてが生き残った」

「逃げたってことですか?」

「いや、故意に生かされた」

「どう言うことですか?」

「ホロウレインは人間との共存を望んでいる」

「は?」いる

「どうかしてる、それを分かった上で俺はホロウレインの話を聞いた。以前にホロウレインと戦い勝った人間がいてそいつに人間とはどんな生き物か聞いてから誰から構わず襲わないと言うルールを作ったらしい」

桐生はなんとも言えない顔をしていた。

当たり前だ、だってそのモンスターに家族を殺されていたのだからでも俺は…

「桐生のことは分かってるでもそれでも俺は信じたい」

「そうですか」

「ああ、ハンターとしては失格だでもそれでも俺はあいつのことを信じたい。それでもし幻滅したりだめになったらいつでも出て行ってもらって構わない、それでも俺は約束は守るつもりではいる」

「ずるいですね」

「え?」

「確かにハンターとしては駄目かもしれない、でもそう言うモンスターがいるならそう言う人間が一人でもいても良いんじゃないですか?」

「そうか」

「はい、私が離れることはありません」

「分かった」

「では、朝食にいたしましょう」

「うん」


そうして朝ごはんを食べて俺達は家を出た。

「ここから山梨までどのくらい?」

「一時間くらいですね」

「寝るから着いたら、起こしてくれ」

「はい」

横になって目を閉じた。

夢を見た…。

レインとの戦いだった。

あの時の深い過去を見せる技、あれは結構来た。

その闇から俺の過去を思い出して苦しくなる。


「着きましたよ、御影さん」

「もう着いたの?」

「はい、随分と魘されてましたけど」

「悪い夢見てた」

「そうですか」

「うん、じゃあ行こうか」

「はい」

車を出て、暫く歩いた時。

「ちょっと待って」

「なんですか?」

【出てこい】

俺はマイクロポータルからカラスを出した。

「カラス?」

「ああ、上から見てもらう」

【頼んだぞ】

【分かりました】

そうしてカラスが三匹飛んで行った。

「これで良し、後は何も起きない事を祈るのみだな」

「はい」


そうして会場に向かいながら人の多さに驚いた。

「今日は何時からだっけ?」

「十七時ですね」

「なんでこんなに朝早くから人がいるの?」

「それはグッズとかを買うためでしょうね」

「グッズ?」

「はい、後はアトラクションとかもあるしパネルとかもあるらしいので」

「そうなの?」

「はい」

「色々あるんだね、ってなんだあの行列」

時間は十時だったが遠くまで列が並んでいるのを見て驚いた。

「ああ、あれはグッズの列ですね」

「デズニー並みに並んでるけど」

「それ程人気なんでしょうね」

「じゃあこれから雪村さんもそうなるのか」

「そうでしょうね、これからもっと人気が出るでしょうね」

「なんか良いことなのか悪いことなのか」

「どう言うことですか?」

「だって芸能界ってキラキラしてるけど悪い噂もあるでしょう?」

「そうですね、それは祈るしかないですね」

「熱愛とかどうなんだろ?」

「まあそう言う話をしにくる人はいるでしょうね」

「だよねー」

「でも、雪村さんはしっかりしてらっしゃるし大丈夫なんじゃないですか?」

「まあ考えてもしかなたないか」

「はい、これは我々が介入する問題ではないですからね」

「うん、そうだね。未来のことを考えてもしかなたい」


人が並んでいる列から少し外れた正面のホームに行くと、一人の男性が立っていた。

「お久しぶり」

相手は丹波さんだった。

「どうも」

「今日はわざわざすいません」

「いえ、仕事ですから」

「そう言えば昨日は大丈夫でしたか?」

「そうですね、問題はなかったですけど、やはりあの脅迫文のことは、スタッフ全員知ってますので不安は拭えない様子ですね」

「そうですか」

俺は会話に入れなくて小声で桐生に聞いてみた。

「昨日って何があったの?」

「前泊してリハーサルとかするんですよ」

「そうなんだ」

「一応知っといてください」

「分かった」

運営だけが知っていると言うことは現場は相当な緊張感があるだろう。

そうしてホールのような広い場所に通されるとスーツや色んな恰好をしている人がいた。

「あ、御影さん」

一番最初に俺に気づいたのは姫野さんだった。

「随分人が多いですね」

「そうですね、ハンター以外でも警察もいますし」

「協会はあの脅迫文でなぜ動いたんですか?」

「まあモンスターを操ると書かれていたのでそれで」

「やっぱり背後にいる奴をってことですね」

「はい、今動ける人員を配置してます」

「これで空振りだったらって考えちゃいますけど」

「まあその時はその時で、何もなければそれで良いじゃないですか」

「ですね」

「おうおう、Z級ハンターさんの登場ですか?」

面倒な奴に絡まれたって思って俺はその場を離れようとした。

「おいおい、何処に行くんだ?」

俺を呼び止めているのは如月だった。

「なんでお前がいるんだ?」

「招集がかかっただけだ」

「そうか、なら早く配置に着け」

「うるさい、分かってるわ」

そう言って何処かに消えていった。

「御影さんすいません颯真がまた」

「いえ、ただ手綱は繋いどいてくださいよ黒瀬さん」

「はい」

あの二人はセットなのかと疑問に思いながら、もう一組に声をかけられた。

「御影さん!!」

「神阪と桐原も」

「お久しぶりです」

「うん、それでなんで?」

「私達も招集されまして」

「そっか、分かった」

この二人も招集がかかったとなれば協会もこの事例を重く受け止めていると言うことか。

「じゃあ私達も配置に着きますので失礼します」

「うん、気を付けて」

「はい」

そうして二人もいなくなった。

「御影さん」

桐生が姫野さんを連れて来た。

「なに?」

「配置について姫野さんからお話があるとのことで」

「なんですか?」

「御影さんと桐生さんはアイドルの近くにいてください」

「近くですか」

「はい」

「じゃあステージの近くに居ればいいのか」

「お二人は此処に居る誰よりも強い、なので一番近くに居てほしくて」

「なるほど、Z級は俺だけか」

「はい、現状動ける人がいないので」

「ハンターはどのくらいいるんですか?」

「先程話されてて方ともう一人、栄太さんと言う方がいます」

「栄太?」

「はい、Giftは(タクティカル・コード)戦場に“戦術陣形”を展開し、味方のステータスや動きを補助する。と言うものですが、実際実践経験が豊富なので今回の各ハンターの配置などを考えてもらってます」

「そうですか、じゃあ後は警察ですか?」

「はい、一応警視庁の方もいらっしゃいますね」

「分かりました、じゃあ適当にいますね」

「お願いします」


そうして、会場の周りに出ると…

「なんか簡易的な椅子が沢山あるな」

「まあ野外ですからそう言うものでしょう」

「そっか、座るの悪いかな?」

「聞いていましょうか?」

「いや、いいやあそこに良い芝生があるから」

そう言って芝生に腰を落とした。

「はー、何しようかね?」

ステージでは沢山のアイドルがリハーサルをしていた。

皆各々帽子や日焼けなどで日焼け防止をしていて顔が見えなくて、少し怖かったがまあアイドルにもそう言う所も気を遣わないといけないのかと思った。

「私少し周りを見てきますね」

「了解」

そう言って桐生は歩いて行った。

芝生からステージまで大分距離があるので煙草を吸おうと、箱から一本出して火を付けようと思ったら背後から煙草を取り上げられた。

「こんな所で吸うな」

上を向くと久しぶりな顔がいた。

「青嶋さん!!」

「久しぶりだな、御影君」

「なんで青嶋さんが?」

「警視庁からも何人か引っ張られてね、それで俺も来たんだ」

「なるほど」

「一服するか?」

「此処じゃだめって青嶋さんが言ったんじゃないですか」

「まあまあそんな堅いこと言わない」

そう言って煙草を取り出して二人で火を付ける。

「それで、最近はどう?」

唐突な青嶋さんの問いだった。

「最近は暇ですね」

「ハンターになったんだろ?」

「はい」

「しかもZ級」

「まあ」

「Z級って結構忙しいイメージだったけど」

「まあ周りは海外とかそう言う仕事してるので」

「御影君はしないのか?」

「僕は日本を守るので十分です」

「そうか、かっこいいな」

「刑事も同じでしょう」

「そうだね」

「青嶋さん」

「ん?」

「モンスターについてどう思いますか?」

「どうって?」

「刑事にとっても人にとってもどう思うかって話です」

「そりゃ怖いさ」

「ですよね」

「うん」

青嶋さんならきっと分かってくれると思った。

「今から変なこと言っても良いですか?」

「なに?」

「俺モンスターとの共闘を目指しているんです」

「共存か…」

「はい、やっぱり変ですよね?」

「そうだね、今の現状では」

やはり俺の感覚はおかしいのかもしれない、そう思った。

「でも、いつだって当たり前は新しくなるから。だからさ御影君に何があったかは分からないけどさ御影君は思う通りにやればいいよ」

「思う通りに?」

「そう、やりたいようにやれば良いんだよ」

そんな回答が来るとは思わず、肯定はしてくれるとは思ってはいたがまさかやりたいようにやれとは…。

「分かりました、何とかやってみます」

「うん、それでいい。じゃあ俺は配置に戻るから」

「はい、ありがとうございました」

そう言って青嶋さんは去って行った。


それからは、何もすることがなく栄太が無線で「気を抜くな」とは言われたものの事件は起きなかった。


一日目が終わった夜。

俺達ハンターと姫野さんでホテルのラウンジで集まって会議をしていた。

「配置はハンターと警察含めこのままで行きます」

栄太がそう言うと皆頷き従った。

「疲れるな~」

俺がボソッと言うと如月がギラっとした目を向けて俺にとげとげしい言葉を向ける。

「お前はどうせ、ただぼーっとしてただけだろ」

「五月蠅いな、もう」

「はいはい、もうそこらへんで」

桐生が止めに入ったが俺は気分が悪くなり、席を立った。

「どこ行くなんだよ」

「一服」

「全くふざけた奴だ」

そう背後から言われながら俺はホテルの外にある、自販機の喫煙所に向かってホテルを出た。

そうして椅子に座り煙草を取り出す時に、ラウンジでは色んな会話が広がっていた。

「如月さん、御影さんを怒らせないでください」

姫野が如月に注意をしていた。

「でも実際何もしたなかったでしょ?」

「それは…」

「あーあ、俺らは足使って歩きまわってるのに」

「彼は彼の仕事がありますよ、如月さん」

栄太が釘を打つ。

「でも栄太さんも指示出してるし」

「それはそうですが、彼がいなければこの作戦は成り立たないです」

「どう言うことですか?」

「彼は特殊な結界をここいら一旦に張ってもらってます」

「結界ですか?」

「はい、普通の結界を張ってしまっては人は入れないでしょう?」

「はい」

「だからモンスターか人間かを判断するのと人間でも、危険な物を持っている人は直ぐに感知できる結界を張っているのでそれを感知したら我々や警察が直ぐに駆けつけることが出来るんです」

「そんな高度な結界をどうやって?」

「説明は難しいですが、我々が使ったりしている武器は常にエーテルが微量ながら混ざっているそうで、それは使えば使う程馴染んでいくようなので、それを感知しているのかと」

「じゃあモンスターもエーテルを感知しているってことですよね?」

それまで説明を受けていた桐原なども段々状況を理解し始めて、会話に入って来た。

「ええ、まあどこまで感知できるものかは分かりませんが」

「でもそれって、普通の人が刃物とか持って結界内に入った場合は?」

「それは感知できないと言ってました」

「そうですか、でも普通の結界も維持するのに大変って良く聞きますけどそれ以上の物をしかも広範囲って可能なんですか?」

「まあ実際相当ストレスはあるでしょうけど、これは事前に彼からこの作戦を聞いたのでこのまま可能と見て良いでしょう」

「なるほど、それは大変ですね」

「そうですね、微量なエーテルの違いを察知分けるなんて芸当、上のハンターでもできないことですし、それ専門のGiftを持っていてもかなり特殊な物です」


そうしていない場で褒められていることを知らずに、煙草を吸っている御影の元に一人の少女が自販機の前で立っていた。

「あの?」

「はい?」

「御影さんですか?」

「そうですけど」

「私御影さんのファンなんです」

「そうですか」

「はい、えっとなんで此処に?」

なんでと言われても、本当のことを言うわけにはいかないので何か言い訳を考えていると。

「もしかして、仕事ですか?」

「うーん、まあそんなところ」

「じゃあ話せないですよね」

「まあね」

「分かりました、じゃあ私はこの辺で」

「うん、あそうだ」

「なんですか?」

「そう言えば君らの46グループは他のグループでも交流はあるの?」

「まあ、あるにはありますけど」

「それなら、最近知り合いが神楽坂に入ったから何と言うか…」

「気に掛ける感じで良いですか?」

「うん、名前は雪村真白って子なんだけど」

「知ってます、ライブ見てたので。可愛いですよね」

「そうだね」

「親戚ですか?」

「うん、まあそんなところ」

「分かりました、任せてください」

「うん、頼むよ」

「はい、じゃあ私はこの辺で」

そう言って小走りに去って行った。

そう言えば名前を聞き忘れたなと思いながら夜は深くなる。


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