練習
それから俺は気づいたら寝ていた。
「寝てたのか、モンスターに寝込みを襲われなくてラッキーだったな」
『阿呆が、モンスターが来れば俺が起こしている』
「光牙、いたのか」
『ああ、お前に色々と説明しないといけない』
「お前は俺の味方なんだな」
『勘違いするなよ、お前が死ねば俺も死ぬだけだ』
こんなことを言うけれど俺が寝てもこいつが見張りをしてくれたことを考えれば味方と考えてもいいのだろう。
『いいか、イマジンはイメージ力が大切だ』
「イメージ力…」
『ああ、Giftは現代科学では説明できないような物も使うことができるだからそれなりにエーテルも量がそれなりに必要だがお前には説明は必要ないな』
「どう言うことだ?」
『お前は昨日ラビットを食っただろ?』
「ああ」
『それで昨日のラビットのエーテルが体に染みついている』
「どう言うこと?」
『要するにモンスターを食えば食う程そのモンスターのエーテルが体に染み込んでいくと言うことだ』
「なるほど、まあモンスターを食えばそのモンスターのエーテルが体に蓄積していくと?」
『そう言うことになる、まあモンスターを食うとかどうかしているがな』
「それを言ったらお終いだろ、生きてく上に食料は必要だし」
『もうお前の概念にゲテモノとうい言うものは存在しないのかもな』
「やめろって、そもそもGift使うものエーテルが必要なのは知ってるしそれがどれくらい大切なものだってこともだから俺は食うよ」
『そうか、まあこれからそれも必要なくなるがな』
「どう言うこと?」
『まあ自ずと分かる』
「そうか、で、俺のGiftって?」
『俺は此処のゲートに入ってからしかお前のことは知らない、お前は自分がGiftを使える所を想像できるか?』
「まあ、アニメとかラノベとか好きだからそれなりに」
『そうか、今お前が無意識に使ったGiftはスピードが上がるものと炎を出せるものだけだ。だからこれからはそれ以外もイメージしてもらう』
「氷とか風を起こすとか?」
『それもあるが、物とかも出してみろ』
「物?」
『ああ、なんでもいいから物の構造自体をイメージして手のひらに乗せてるイメージだ』
「分かった」
俺は何を出そうか悩んで近くに川があった。
「んーっと、上手くいかないな」
何も出せない。
『体のエーテルを手のひらに集中しろ』
「集中って言ってもな、今まで感じて無かったものだぞ」
『今はあるんだ、体を俯瞰でみて手のひらに集中しろ』
「分かった」
それから数分、光牙の言う通りにやってみた。
「できた!!」
『なんだそれ?』
「釣り道具」
『は?なんで?』
「川で魚釣るんだよ」
『はー、まあいいや魚型のモンスターも毒を持つモンスターもいるから気を付けろよ』
「はいはい」
光牙はいなくなった。
でも、エーテルを使うと疲れる。だから川で魚を釣ろうと思い川に向かった。
ここで俺はこの川にいる魚もモンスターであることを忘れていた。