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キャンプ場

そうして雪村さんにとって夏休みが始まり八月も中盤になった頃。

「御影さん」

「はい?」

「今日任務があるの覚えてますか?」

「確か今日は夜に山梨に行くとか?」

「はい、覚えてるならいいです」

「山梨に行くんですか?」

「はい、夜間にモンスターを討伐して朝方には帰ると思います」

「そうですか」

「俺内容とかあんまり聞いてないんですけど、結局なんで山梨に?」

「ゲートブレイクしたモンスターが、キャンプ場がある山を住処にして人間を襲っているんです」

「なるほど、じゃあキャンプしよう!!」

「はい?」

「だってどうせ俺にお鉢が回ったってことは、モンスターが強いか多いかの問題でしょ?」

「そうですね、級で言うと一番強いと認定されたのがB級なので、数が多いとは聞きましたけど」

「じゃあ、一日泊まらせてもらおう」

「いやいや、事前に許可がいるしそれにキャンプ場は今閉鎖されてます」

「じゃあ頼み込もう」

「無理だと思いますよ」

「まあ聞いてみないとでしょ」

「それはそうですけど」

「あの~」

雪村さんが話に入って来た。

「なんですか?」

「それ私も行って良いですか?」

「え?」

「キャンプなんですよね?」

「それはこの人が勝手に言ってるだけで、そもそもモンスターの駆除なので仕事ですし。何より危険が伴うんですよ」

「そうですよね」

「良いじゃん」

「はい?」

「だってキャンプ場から離れた所で待機しとけば良いじゃん」

「それはいくらなんでも」

「まあまあ、良いじゃん」

「良いんですか?」

「うん、まあなんとかするよ」

「じゃあ準備しますね」

そう言って二階に上がって行った。

「御影さんどう言うつもりですか?」

「だってそろそろ三次オーディションあるでしょ?」

「そうですね」

「うん、まあ最後の思いで作りとしてさ」

「うーん、でも協会にはなんて言えば?」

「それは桐生さんがなのとか」

「私ですか」

「うん、よろしく」

「分かりましたよ」

雪村さんが受けたアイドルオーディションは一次と二次は会場で行われたが、三次オーデションからは二週間近く合宿の様子が配信されてそれで四次まで行く面子が決まると言うことで、最終審査ではライブがありそこで最終メンバーが決まるらしく、アイドルになったら一緒に住むことは出来なくなるし、それなら最後にと思った。

最後に雪村さんに何かさせてあげることが出来るのかとなればここだろう。


そうして夕方に車で山梨に向かった。

二時間半、車で音楽を流して三人で熱唱したりiPadで映画を見たりしてたら直ぐに着いた。


「おー、此処がキャンプ場か」

「ロケーション良いですね」

「うんうん」

「お二人とも此処で話を聞けるらしいですよ」

「はいはい」


キャンプ場の受付に向かうと姫野さんと若い俺と同い年くらいの男が二人いた。

「どうもどうも、姫野さん」

「来ましたね御影さん、と桐生さん」

「今回は無理を言ってすいません」

「本当ですよ、キャンプの件はオーナーの方にモンスターを全て駆除してくれれば良いと言われましたけど、一般人を近くに居させるなんて」

「すいません、私がその子と一緒にいるのでなんとか」

「はい、会長にも許可をとったので大丈夫です」

「会長は何と?」

「笑いながら許可を出されてましたよ、笑いごとじゃないのに」

「すいません」

「おいおい、お前か仕事を遊びだと勘違いしてる奴は?」

俺に話しかけに来たのは二人の内の一人で、銀灰色の髪を後ろで束ね、無精髭。鋭い目つきで威圧感がある男だった。

「そうだけど」

「お前は何を考えてるんだ?」

「まあ仕事も多少遊びを入れないとつまらないでしょ」

「Z級だろうがなんだろうが俺は認めないからな」

「はいはい」

なんか高圧的な態度が気に入らないと思っていたら、もう一人が止めに入った。

「まあまあ、今日は仕事なんですからお互い仲良くしましょう」

「俺はこいつみたいなクソガキとはやらない」

「俺も」

「そんな二人とも大人なんですからいい加減にしてください」

姫野さんも止めに入ったがそれでも気に入らないものは気に入らない。

「とりあえず自己紹介しましょう。私は黒瀬 岳人、二十八です」

なんで年齢まで言うのかと疑問になったが、黒瀬と言うのは短髪でがっしりした体格。腕に無数の傷跡、があった。

「Giftは剛撃、自身の筋繊維を異常発達させ、一定時間だけ肉体を倍以上に強化で地面を殴るだけでクレーターを作るほどの破壊力があります」

「俺と横にいる如月は仕事が多いから顔なじみなんだよ」

「岳人こんな奴に馴れ馴れしくするな」

「良いじゃん、今日は一緒に仕事するんだし」

「俺は一緒には行動しない」

「だから…」

「さっきから黙ってないでお前が名乗れよ」

「あ?」

「なんだとこいつ」

取っ組み合いになりそうになった所を桐生さんと黒瀬さんがそれぞれ止めに入った。

「いい加減にしてください、お二人とも」

「分かったよもう」

しわしわになった服を整えた。

「俺は御影だ、Giftはイマジン」

「年齢は?」

「二十三歳」

「餓鬼だな」

「うるせえ」

「俺は如月、Giftは雷哭だ」

「二人ともGiftの内容は?」

「はー、俺はイメージしたものを現実にするやつ」

「俺は自身の神経電流を増幅し、反射速度と運動能力を極限まで引き上げる。攻撃の際には雷鳴のような音が響き、周囲の電子機器を一時的に狂わせる。これで良いだろ」

「はい、もうお二人とも大人なんですから子供みたいな要らないプライド持たないでください」

「今回は数が多いだけだろ、なら一緒に行動するより離れて行動した方がいい」

「それには賛成だ」

「分かりました、もう時間なので連絡だけはちゃんとしてくださいよ」

「了解」

そうしてモンスター狩りが始まった。


37モンスター狩り

そうしてモンスター狩りが始まった。

雪村さんはと桐生さんはテントの作成をしてもらっていて、桐生さんがいれば問題はないだろうとのことで俺は一人で山に入った。

あの二人も、入ったと聞いたが別行動なので詳しくは知らない。

と、言ってっても俺自身あ動くことはない。

【出てこい】

そう言うとマイクロポータルから無数のネクロポートが出てくる。

【モンスターは一匹残らず駆除しろ、あとハンター二人いるからそいつらには危害は加えないように】

【かしこまりました】

そう言ってネクロポートが居なくなる。

さて、どう時間を潰すか。

丸太があったのでそこに腰かけてスマホでゲームをする。


一時間経って俺は居眠りをしていたら、男の悲鳴が聞こえた。

「なんだ?」

姫野さんから森に入る前に渡されたイヤホンから悲鳴が聞こえた。

《どうしました?》

姫野さんの声だ。

《御影は何もないが何があった?》

《こちら黒瀬、如月がモンスターと交戦し足を折られてます》

《御影さん!!》

《分かってる》

俺はネクロポートに黒瀬のエーテルを探らせて、場所を追跡してマイクロポータルで井戸づする。

出ると如月が折れた右足の処置を黒瀬がしていた。

「何があった?」

「今何処から?」

黒瀬と如月はこれは初見なので驚くのも無理はないが、今はそれはどうでもいい。

「説明は後でする、それで?」

「人型のモンスターが突然ゲートから出て来た」

「ゲートってそんなもん、どっから」

「分からん、なんせ急に現れたんだから」

「そうか、そいつはどこに居る?」

「待て、俺がやられたんだ、お前が行っても意味ねえよ」

「は?」

「こんな時でも喧嘩しないで」

「分かったよ、でもあいつは間違いなくS級だと思うがZ級みたいな戦い方だった。だいくらお前がZ級でも一人で勝てる相手じゃねえよ」

【マスター】

【どうした?】

【雑魚は全部駆除しましたが、強力なモンスターが一体居ます】

【分かった、そいつは俺がやる】

【かしこまりました】

「どうする、俺は怪我してないけど颯真がこんなんじゃ」

黒瀬は少し混乱している様子だった。

「俺がなんとかするが、そいつの場所が分からん」

「この先に広くて木がない場所がある、そこで俺がいれば」

「無茶言わないでよ、颯真その怪我じゃ」

「援護くらいは出来るよ」

「どうしてそこにモンスターが来るって分かる?」

「あのモンスターは人を見下して俺を殺さずに、いたぶろうとしてたから多少の知能があるだろうしそれに一度狙った獲物だ、それを逃すはずがない」

「そうか、なら餌になってもらおうか」

「正気か、颯真は怪我してるんだぞ!!」

珍しく黒瀬が俺に掴みかかった。

「忘れてた、それらなこれでどうだ?」

俺は如月の右足にエーテルを流し込んでヒーリングを使う。

「これでもう大丈夫なはずだ」

「え?」

「どうした、颯真?」

「足が痛くなくなった」

「え?」

「これはヒーリングだ、骨折くらいなら一瞬だ」

「まじか」

「ああ、でモンスターを引き付けたらお前らは草にでも隠れてろ」

「ふざけんな、俺はやるぞ」

「馬鹿、足手まといだ」

「ふざけんな、さっきも言ったろ一人じゃ…」

「俺を誰だと思ってる、お前らには特等席を用意してやる」

「くそ!!」

如月が右手で地面を叩いた。

「まあそう怒るな、死にたくないだろ、ほら行け」

「分かったよ、でもお前が死んでも責任は取らないからな」

「はいはい」

そうして如月は先頭で木がない開けた場所に出ると、それを感知したのかモンスターが出て来た。

ゲートブレイクの余波を追っていたら周囲の空気が「沈む」ように変わるり、音が吸い込まれていくように空間が歪む。

「来るな」

「ああ」

そうして俺達の前に人型のモンスターがゲートから出て来た。

「に、ん、げ、ん」

「こいつ人語を」

「まあなんにしても、倒すだけだお前らは離れてろ」

「分かった」

「死んでも知らないからな」

「分かってるって」

「に、が、さ、な、い」

人型のモンスターは指を弾いて空気弾を放つ。

如月と黒瀬はそれについて行けずにあと一歩で当たる瞬間に俺の右手で、空気弾を弾いた。

「お前の相手は俺だ」

「お、ま、え、は、な、に、か、ち、が、う、な」

「分かるか、でもさっきのあの二人よりは強いから安心しろ」

「そ、う、か、い、つ、で、も、も、と、め、る、の、は、強者、だ」

「戦う前に聞いときたい、お前はどこで人語を?」

「たべた、人間が、しゃべってた」

こいつ話す度に人語を流暢に話せるようになるし、声は金属を擦るような声質だ。

見た目は頭に傘のようなものがついていて、肌は紫色。

なにしろ吸収して学習する相手にどう戦えばいいのかは分かってる、一撃で仕留めればいい。

そう考えていると、モンスターは一瞬でその場から消えて次は目の前に現れて俺を殴った。

普通の人が見たら瞬間移動にでもなるのかもしれないが、俺には一瞬で間を詰めただけだ。

そして、モンスターの拳は俺に届くことはない。

「なんだ、こ、れ」

「俺はエーテルが常に体から溢れているんだ、だからそれを利用して俺の体の周りには結界が張られている。

「じゃあ、本気で殴る」

そうして次は左手で殴ろうとした時、モンスターの拳が風を裂く音が耳を刺す。皮膚が震え、足元の砂が細かく跳ねた。

空気が焼けるような熱を帯びる。

そうして俺はマイクロポータルで刀を出した。

「次元斬り」

横一線でモンスターの体は真っ二つになった。

そうして地面に仰向きで倒れていて、上半身が下半身と修復しようとするが。

「修復できない、なぜだ?」

「熱で焼いたんだよ、だからこうしてお前をやれる」

「そうか、だが強者と戦えたのだ本望だ」 

「最後に一つ聞く」

「お前はどこで人間に会った?」

「分からないが俺と同じモンスターが、沢山のカプセルに入っていた」

「なに」

「そうしてそこを逃げだす時に人間を喰らった」

ゲートの中にそんな施設があると言うのか?

「そして俺は作られた、人間に」

「人間に?」

「ああ、知ってるのはそいつは強力なエーテルで周囲を制圧できるのと、沢山のGiftを持ちモンスターに移植してい、た」

そうしてモンスターの体は消えていった。


「おーい、お前凄いな」

「ああ」

黒瀬と如月が走って来た。

「とりあえず、下に戻るぞ」

「分かった」


そうして数十分かけて、下の降りた。

「皆さん無事ですか?」

「あ、すいません連絡遅れて」

「いえ、ドローンカメラで見てたので、それに低級の群れは駆除出来たことも確認できましたが、それより途中で強力なエーテル反応がありましたよね」

「はい、俺が一撃でやられたので多分、Z級に近いS級かと」

「如月さんの言う通りです、数値ではS級ですがあのモンスターは人語を話していたので恐らく学習型なのでこのまま野放しにしていたらZ級と認定されていたでしょう」

「なるほど、俺はなにも出来ずにすいません」

黒瀬が謝った。

「俺も怪我してただ御影のこと見てるしかできなかったし」

「そうだ、俺は強いんだ、如月よりもな!!」

「お前人が褒めたとたんに調子に乗りやがって」

そうしてまた取っ組み合いになってしまった。

「ほらほら、やめて二人とも」

黒瀬が止めに入った。

でもそれは意味を成さなかった。

「でも、低級モンスターには自分で吸収したモンスターに全部、任せてゲームして挙句の果てには居眠りまでしてましたよね?」

姫野さんが笑顔で言うが間違いなく怒っているし、何より怖い。

「すいません」

「だからお前に会わなかったのか、なんかモンスターも少ないなって思ってたし」

「まあそれは置いといて、こっちが重要」

「なんですか?」

「あの人型のモンスターが消滅する前に少し話をしたんです」

そうして俺は先ほどのことを三人に話した。

「馬鹿な、ゲート内にそんな施設が?」

姫野さんも知らなかったのか、驚いていた。

「全部聞く前に消滅してしまったので、全部は分かりませんがそれでも感化できないでしょう」

「はい、直ぐに協会に共有して動く案件です」

「ですよね、後は姫野さんと俺が一緒にいた事件の裏に誰がが居た犯人がそいつだと思います」

「なるほど、複数のGift持ちにモンスターに移植してたとなると辻褄はあいますね」

「俺らもあのモンスター見たいな奴と遭遇してないか、仲間に聞いてみる」

「ああ、じゃあこの辺で」

「はい」

そうして俺はキャンプ場に戻った。


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