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高校の同級生のと再会と死

そうして季節は春から夏になる、雪村さんは自分で見つけて来たコンビニのバイトを始めた、最初は止めたが自分で使うお金は自分で稼ぎたいと言うのでそれ以上は言わないようにした。

「雪村さんがコンビニのバイト初めて、家に居る時間減りましたね」

「そうですね、これから夏休みだしもっと外に出る時間は増えるでしょうね」

「例えば?」

「うー、彼氏とか?」

「え?!」

「そんなに驚きます?」

「いやだって、今まで雪村さんに何とも思わなかったのに急に?」

「分かりませんよ、前から好きだったとか?」

「いや、あの変わりようはだいぶ変わったからな」

「まあなんにしろ良いじゃないですか」

「まあ良いことではあるけどさ」

少し寂しかった、まあ俺が雪村さんに恋心があるかと言われたら全くないし、髪を切って夜な夜なメイクの勉強をしていてそれで学校に行くのも見てるし、努力してるなとは思ってはいたが。

「そんな顔しないでくださいよ、はい珈琲」

「ありがとうございます、え、そんな顔ってどんな顔してました?」

「寂しそうな感じでした、やっぱり寂しいんですか?」

「寂しいって言うか、雪村さんが選ぶ人だから俺は良いけどなんか変な男に引っかからないようにとは思ってるよ」

「そうですか」

「うん、まあ一緒に居た時間はまだ短いけどさそれでも少しは此処が雪村さんの家だって思ってもらえるように努力はしたじゃん」

「そうですね、急に犬でも飼おうかなとか言いだしたい」

「それは元々思ってました」

「はいはい」

「まあそれで、居やすく帰ってきやすい家でありたいと思ったし、それで最近笑顔も増えた気がして安心してたんだ」

「そうですね、誰かさんと違って家事も積極的に手伝ってくれるし、でも目標のためとかだったりするかもしれませんよ」

「目標って?」

「それは本人に聞いてみてください、多分ひっくり返ると思いますよ」

「なんだよそれ、楽しみだ」

「さっきの話に戻りますけど、あの年頃の人って恋人を作りやすい時期だと思うし、そんな話だったらちゃんと受け止めてあげるんですよ」

「そうかな?」

「もしかして、自分が青春で来てなかったから僻んでるんじゃ」

「は、いや、そんなことないし、もう彼女とかバンバン入れ替わってる感じだったし」

「はー、それテレビに出た時とかそう言う発現やめてくだいよ」

「うるさい!!」

「はいはい」

俺は煙草を吸いに行った。

彼女か、俺にも出来たのかな。

あの時はなんでも人のこと信じてたピュアな人間だったから、真っ白のキャンパスに精一杯色を塗る時間だったのかもしれない、彼女は出来たことないけど雪村さんにそういう人が出来るのが素直に嬉しいのかもしれない。

そんなことを考えながら俺は煙を吐く、このまま自分の過去も吐いて消えてしまわないかと思う。

雪村さんを此処に連れて来た時にあの時、同じ空気を感じたから受け入れたのかもしれない、それも笑顔が増えたってことは自分が変えられなかったものを自分で変えている雪村さんは凄いなと思った。

そんな時携帯が鳴った。

相手は青嶋さんだった。

『はい?』

『今大丈夫?』

『はい、なんですか?』

『雪村の両親と兄が捕まった』

『え?』

『秋田の山奥で捕まったんだ、それでな雪村の娘預かってるでしょ?』

『はい』

『これで施設に入っても大丈夫になったから、警察としてはそっちを進めたいけど実際一緒に暮らしててどう?』

『そうですね、笑顔が増えました、それに学校でも友達が増えたって嬉しそうに言ってます』

『そうか、ならそのままの方が良いのかもしれないな』

『良いんですか?』

『まああくまでも本人と御影君の判断だけど』

『そうですか、それで家族はどうなります?』

『まだこれから取り調べもあるし、送検できて初めて裁判になるからなんとも言えないな』

『なるほど』

『まあ急に環境が変わって本人が困惑して悪い方に変化が起きるのが一番悪いしな』

『ですね』

『うん、だから今度俺と俺が紹介する施設の人と話をしたいんだ』

『分かりました』

『住所は自由が丘らへんだから学校も変更する必要ないし、後で日にちと住所送るから都合がいい日を送ってくれ』

『分かりました』

『じゃあそう言うことで』

『はい、何から何までありがとうございます』

『はーい』

そう言って電話を切ってリビングに戻ると雪村さんが居た。

「お、お帰り」

「ただいまです」

「うん」

「雪村さん」

「なんですか?」

「大事な話しがあるから座って、桐生さんも」

「はい」


「先ずは此処に来て一か月程経ったけどどう?」

雪村さんの顔を見ながら話を続ける。

「とてもいい環境だと思います、過去の暮らしに比べたら天と地の違いがあるし。友達もちゃんと話を聞いてくれる人ばかりだし、今はとても恵まれていると感じます」

雪村さんは笑顔でそう言う、過去に親に虐待などをされた子供は自分の感情を隠してしまうことが多いが、今の雪村さんには隠しているようには見えなかった。

「そうかそれは良かったよ」

「もしかしてそれを聞くのが大事な話しですか?」

「いや本題はここから、君の両親と兄が捕まった」

「え?」

「秋田の山奥で隠れてた所を見つかったらしい」

「そうですか」

「うん、これからは何処に行っても危険があるわけじゃない、だから今度俺の知り合いの刑事さんの紹介で施設に行こうかって言われるんだけどどう?」

雪村さんは黙ってしまった。

「御影さんそれは急すぎませんか?」

「俺もその話を今電話で聞いたから」

「だとしても…」

「これは雪村さん自身が決めることだよ、無理に此処に居なくても良いんだ」

「私は此処に居たいです」

「そう」

「はい、私が家族から拒絶されて何度も殴られて、それで此処に来てから男の人が頭の上に手があるのが怖くて、でもその時此処には私を傷つける人は居ないって言ってくれたじゃないですか」

そんなことがこの一か月の間にあった。

俺や桐生さんの手が雪村さんの頭に近い位置にあると下を向いてしまう癖があったが、そんなことも言ったなと思った。

「そうだね」

「私の家は此処です、だめですか?」

俺は正直迷った、青嶋さんが紹介してくれたしそれに此処だけで選択肢を一つにしてしまった良いのだろうか?

「あの、雪村さん」

「はい?」

「ちょっと来て」

そう言って二人はキッチンに向かう。

俺は一人で悩んでいた、それで出た結論は青嶋さんに会ってもらうのが一番いいのではないか、そう思って俺は携帯を取り出した時…

「あの、御影さん?」

「ん?」

「私からも一つ大事な話しがあるんですけど」

もしかして、彼氏か、と思いながら世の中の父親はこういうもやもやを抱えるのだろうなと思いながら聞いた。

「私、オーデション受けたんです」

「え?」

驚きすぎて声が裏返ってしまった。

「オーデション?」

「はい、神楽坂46のオーデションに応募したんです」

「なるほど…」

「それで一次オーデション受かりました」

「おお、それは凄いね」

「はい、何度も悩んだんですけど桐生さんに後押ししてもらって」

「え、ちょっと桐生さん知ってたんですか?」

「はい、この人雪村さんに彼氏が出来たんじゃないかって心配してたんですよ」

「そうなんですか?」

「え、いや、その相手が良い人なら嬉しいなと思ってただけだよ」

「はいはい」

さっき、そう言う風に話の方向向けやがったなと思った。

「あと三回オーデションあるんですよすけど、頑張ります」

「そうか、頑張れ!!」

「今日は夕食頑張っちゃいます」

なんか体から力が抜ける。


そん中夕食を食べながらテレビを見ていると新堂琢磨と言う人間が殺されたと言うニュースだった。俺が驚いたのはその後だった。

新堂を殺したのは高原 湊と言う人間だった。

「嘘だろ」

「どうしました?」

「今出てる、人殺したって犯人は俺の高校の同級生だ」

「え?」

「あいつは人を殺せる玉じゃない、なんで」

その後殺したのは自分ではないと言っているらしい。

俺は直ぐに青嶋さんに電話をしようとした時に姫野さんから電話が来た。

『もしもし』

『御影さん今協会に来れますか?』

『分かりました』

「ちょっと出かけてくる」

「今ですか?」

「うん、マイクロポータルで移動するから、直ぐ帰ってくる」

「分かりました」

そうして俺は手のひらから黒い空間を開いて、そこに入る。

出たのは協会の一階だった。

受付の人は驚愕していたが、俺はそんなことを気にしてない。

「御影さん」

「此処にいたんですか?」

「はい、御影さんなら直ぐ来ると思ったので」

「そうですか」

「はい、此処ではなんですから移動しましょう」

「はい」

そうしてエレベーターで移動して、部屋に入る。

「これ見てください」

見せられたのは一つのiPadだった。

「これは?」

そこには高原が俺と同じようにゲートを操ってモンスターを出して新堂を襲っていた。

「さっきテレビを見てたですけどそんなニュース見てないですけど」

「当たり前です、ただでさえ御影さんが規格外なのにそれと似たGiftでモンスターに人間を襲う奴がいるなんて」

「それで高原は?」

「今警察に事情聴取を受けてますが黙秘を貫いているらしくて」

「そうですか」

「はい、なので今から私が警視庁に向かう所なんですが、一緒に行きませんか?」

「俺が?」

「はい、御影さん確か高原と同じ高校出身でしたよね」

「調べたんですね」

「はい、すいません」

そうして俺と姫野さんは協会を出て警視庁に向かった。

それから予め連絡していたのだろう、スムーズに取り調べ室まで連れてってくれた。

取り調べ室の隣の部屋に行くと懐かしい顔が居た。

「もしかして、御影君?」

「はい、青嶋は変わらず元気そうで」

「いやいや、御影君はイケメンに成長しちゃって」

「そんなことないですよ」

「そうだ、青嶋さん昼間の話ですけど、一度僕の家に来て雪村さんに会ってもらえませんか?」

「良いけど施設の話?」

「いえ、雪村さんは俺の家に居たいと言いだして、それで一度青嶋さんにも会ってもらってどうするのが雪村さんにとって良いのかを判断してほしくて」

「分かった」

「お二人ともその辺で」

姫野さんが止めに入った。

「そうだった、犯人は高原 湊で間違いはない」

「本当にあいつが?」

鏡の奥を見るとやせ細った顔とガリガリの体をした高原がいた。

「あいつは人殺せる度胸なんてないですよ」

「でも御影さんも見たでしょ、彼がGiftを使ってモンスターに喰わせてるのを」

「はい」

「高校の時はそうかもしれないけど、人は変わるんだよ御影君」

「俺に少しだけ高原と話をさせてくれませんか?」

「分かった」

そう言って俺と入れ違いで警察官が出て部屋には俺と高原だけになった。

「久しぶりだな、高原」

「お前御影か?」

「ああ、高校以来だから五年ぶりだな」

「そうか、お前ハンターになったんだってな」

「ああ」

「随分と変わっちまったな」

「そうだな、サッカー部でお前らがいつも俺をいじめてた時は思いもしなかったよ」

「いじめてた?」

「自覚はないかもしれないが俺にはそう映ってる」

「被害妄想だろ」

「そうかもしれないが、俺には心に深く傷がある」

「そうか、それを言いに来たのか?」

「いや、お前結婚して子供も出来たんだろ?」

「そうだ」

「なんでこんなとこにいんだよ」

「殺されたんだ」

「は?」

高原は静かに自分の身に起こった事実を話し始めた。

「俺は新堂ってやつに家族を殺された」

「本当か?」

「ああ、警察に確認してもらってそれは事実だと分かった」

「お前はいつ覚醒したんだ?」

「覚醒じゃない、俺にGift授けてくれた人がいた」

「誰だ?」

「分からない、現実で会ったことはない」

「現実では?」

「ああ、夢に一度同じ話をする奴にあった」

「顔は?」

「分からない、真っ黒になって体付きは男だと思う」

「どう言うことだ?」

「俺も知らねえよ、でもそいつが俺にゲートからモンスターを出して操るGiftをお前に渡すって言われた」

「それで殺したのか?」

「ああ、爽快だったぜ、何度も許してくれって懇願していきながら死んでいく新堂の顔は!!」

笑いながらそう言う高原はもう普通の人間ではなかった。

「そうか、分かったでもお前がなんで捕まった?」

「Giftを使うと吐血するし体がだるくなって上手く使えなくて、それに逃げるのにゲート開いたらゲートの中に閉じ込められるだろ?」

「そうだな」

「俺は此処から出たら自分のGiftを使って憎い人間を殺しまくって神になるんだ!!」

「そうか、もう良い」

俺は部屋を出ようと椅子から立ち上がった時だった。

「お前も俺を見下すのか?」

「は?」

「ならお前も殺す!!」

そうして高原はGiftでゲートを出そうとした時、吐血して膝をつきながらGift出す。

「もうやめろ、これ以上使うと死ぬぞ!!」

「うるさい、俺は神になるんだ!!」

そうして、ゲートからモンスターが顔を出した瞬間にゲートが閉じた。

「おい、高原!!」

警察官が高原を拘束したが、首を触った瞬間に首を横に振った。

「死んだのか?」

「はい」

嘘だろと思ったがそれが真実だった。


それから姫野さんの運転で家まで送ってもらった。

「あれは一体なんだったんでしょうか?」

「分かりませんが俺の想像だと大体の見当はついてます」

「聞いても良いですか?」

「はい、俺の想像で良いなら」

「それでも構いません」

「最初はあの事件の時にゲートを出して、高校を襲ったのが高原だと思ったんですが」

「私もそうだと思いました」

「でも高原は夢であった男にGiftを授かったと言ってました、そいつが元凶だと思います」

「ですね、でも夢に出てくるなんてどう言うことでしょうか?」

「恐らくGiftでしょうね」

「でも、そいつはGiftを授けたって言ってるのに」

「はい、なので俺と同じようなGiftを持っているのではないかと」

「なるほど」

「ただ、人間かと疑う程に残忍だと思います」

「と言うと?」

「多分高原の復讐を知ってそれでゲートとモンスターを操るGiftを授けたと思うんですけど、それには代償があったのではないかと」

「代償?」

「はい、使えば使う程エーテルを異常など消費するのではないかと」

「普通のエーテル消費ではなく?」

「はい、覚醒してない人間がゲートとモンスターを操る程のGiftなんて普通ではないでしょう、だから一回使っただけであんなにやせ細ってしまい、二回目には死んでしまったと言うのが俺の結論です」

「辻褄は合いますね」

「はい、問題は俺にはまだGiftを授けると言う発想がない、そしてGiftを俺と同様に複数所持していることそして、それを凌駕する程Giftを使い慣れてる上に、人間かも分からない奴がいると言うことですね」

「それが今までの全ての事件の裏で操ってると?」

「はい、そして最も最悪なのが桐生さんが探しているモンスターと仲間だと言うことになればいよいよ一国の戦いではなく世界中を巻き込むハンターとモンスターとの戦いになると思います」

「分かりました、協会はこのことを共有して最重要な項目にして動きます」

「お願いします」


それで家に帰った。

「どうでしたか?」

「色々あった」

雪村さんまだ寝室に行ったとのことなので、全てを話した。

「なるほど、これは一国が担える事案ではないですね」

「ですね、もし日本だけで対処するとしてもこれからもっと他のハンターと連携を取って行かないと」

「そうですね、私も連絡がつくハンターと交流します」

「はい」

そう言ってついているテレビを見ると速報で高原が、拘留中に自殺したと報道された。

あくまでも警察と協会は今回のことは隠しとうしたいらしい。


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