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ハンター試験

翌日。

俺は六本木のビル群の中にそびえ立つ、ハンター協会本部へと足を踏み入れた。


「ここか……」


自動ドアが開くと、光沢のある床に、制服姿の職員たちが忙しなく行き交っている。

受付に向かおうとしたその時、スーツ姿の男性が声をかけてきた。


「御影さん、お待ちしてました」

「鷹森さん、待ってたんですか?」

「いえ、カメラでこちらに向かわれるのが見えたので」

「なるほど……」


丁寧に微笑むその男は、どこか飄々とした雰囲気を纏っていた。


「此処に来てくださったということは、答えが出たということでしょうか?」

「はい。ハンター協会に入ります」

「分かりました。では――まずは試験を受けてください」

「試験?」

「はい。移動しながら説明します」


そう言って鷹森さんは、スタスタとエレベーターへ向かった。

五階で降りると、そこには見慣れぬ機械が並ぶ白い部屋が広がっていた。


●エーテル測定


「まずはこの装置の前に立ってください」

「これは?」

「エーテル量を測る機械です。通常、十万エーテルでA級、百万でS級と判定されます」

「分かりました」


俺が装置の中央に立つと、モニターが一瞬だけ光り――

そのまま「ERROR」と表示された。


「……は?」

周囲の職員たちが一斉にざわめく。


「虹ゲートを生き残ったとは聞いていましたが、まさかこれは……」

「鷹森さん、これどういうことです?」

「この機械、世界共通で使われていますが、“error”が出た例は一度もありません。つまり――」


鷹森は息を呑み、言った。


「御影さん、あなたのエーテル量は測定不能。

日本どころか、世界で最も高い可能性があります」

「そうですか……」


(なんか実感わかないな)


「一体どうやってそのエーテルを制御してるんです?」

「体の中に湧き出るエネルギーを、バリアとして留めてる感じです」

「バリア……?」

「ええ。イメージで動かすんですよ。――殴ってみます?」

「は?」

「殴ってください。本気で」

「いやいや、そんな――」

「いいから。分かりますから」


渋々構えた鷹森さんが、渾身の拳を振りぬいた瞬間――


ドンッ!!


彼の身体が吹っ飛び、床を転がった。


「鷹森さーん!?」

駆け寄る職員たち。俺は苦笑いを浮かべた。


「これが、イメージの力です」

「……説明してからやってください」

「まあまあ、わかりやすいでしょ?」

「……もう少し、やさしくしてほしかったです」

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