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エターナル・シェル

「あっっ」

勢いをつけて起き上がると俺は昨日宴の前に寝ていた家に横たわっていた。

「あ、起きられましたか。人間さん」

「君は昨日の」

「はい、私はゴルよろしくお願いします」

「ああ、それはそうとなんで人語を話せるんだ?」

「以前此処に人間さんが来た時に教わりました」

「なるほどな」

帰ったら色々と調べてみようと思った時にゴルの表情を見ると少し寂しそうな顔を見せた。

「仲良かったのか?」

「え?」

「その人間と」

「はい、人語を教わって話せるようになったのでいつかはこの御恩をお返ししようと考えていましたが、その人は何も言わずに旅立ってしまったので」

「そうか、ならこのゲートから出たら調べて会えるように頑張るよ」

「本当ですか?」

「うん、まあその為には色々壁はあるからいつになるか分からないけど」

「そうですね」

「ああ、でも必ず見つけて合わせると約束するよ」

「ありがとうございます」

「うん」

体も動くし次の修行をするために外に出た。

「カゲ、起きたか」

「ああ、結構寝たな」

「そうだぞ、早く次の修行をやろう」

「分かった」

「次はエーテルのコントロールの修行だ」

「コントロールか」

「ああ、それが出来ればカゲは爆発的に強くなる」

「例えば?」

「見た所、カゲの体にはエーテルが常に垂れ流しになってると話しただろ?」

「うん」

「それは勿体ないんだ、これを改善すればエーテルを自由自在に使える」

「なるほど」

「因みにコントロールが出来ればどんなことがしたい?」

「どんなことがしたいとは?」

「カゲのGiftはイメージが大切なんだろ?」

「うん」

「Giftを作り出すGiftとなれば手数が増えることになる。つまりイメージで使いたい技とかないのか?」

「うーん」

思いつくのはアニメの技だが攻撃系か防御系かどうするか悩んでいると

「カゲが使っていた相手の攻撃を防御するのはどうだ?」

「ああ、あれね。あれは何と言うか相手の攻撃事態を効かないと言うイメージを頭の中でイメージするというかなんか上手いこと言語化できないけど」

「そうか、でもそれはエーテルを結構消費するだろ?」

「うん」

「なら体から垂れ流してるエーテルを体の周りに留めることが出来れば防御に回さなくても常時発動型でバリアを張れるぞ」

「なるほど、次元斬りは攻撃型だから防御系が欲しい所だったんだよ」

「なら決まりだな、エーテルのコントロールをしながら体の周囲に濃いエーテル濃度を発動し続けるようにしよう」

「分かった」


そうしてエーテルのコントロールの修行のクリアはバリアを張ることができれば制御できるということになり、バリアを張る修行が始まった。

虹ゲートの深部。

 淡く揺れる空間の中、御影の全身から光の粒が滲み出していた。

 その輝きは美しくも、近づくものを焼き払うほど濃密なエーテルの塊だった。

「……やっぱり、抑えようとしても漏れる」

 御影は歯を食いしばり、指先を震わせた。

 彼の周囲の空気は常にざわめき、砂粒が浮遊する。

「抑え込むな、カゲ」

 ホロウレインの声が低く響く。

「お前のエーテルは滝のようなものだ。せき止めれば、決壊する。

 ならば、流れを形に変えろ」

「形に…?」

 ホロウレインは御影の正面に立ち、手をゆっくり広げた。

 その瞬間、周囲の空気が揺らぎ、透明な壁が形作られる。

 まるで水面が凍ったかのように、光が屈折して映る。

「これは“留める”技だ。流れ出る力をそのまま体の周囲で循環させる。

 お前ほどの濃度なら、ただ立っているだけで壁ができる」

 御影は深く息を吐く。

 滝の流れを無理に堰き止めるのではなく、輪にするイメージ。

 足元から湧き上がるエーテルが、背中を通り、頭上を巡り、また足元へと戻る――

 しかし、最初の試みは失敗だった。

 エーテルの流れは乱れ、肩口から溢れ出し、周囲の地面を抉った。

「くっ…!」

「意識を一点に固定するな。全身を意識しろ」

 ホロウレインは御影の背後へ回り、指先で彼の肩を軽く叩く。

「お前は剣を振る時、刃の先だけを意識するか? 違うだろう。

 足の踏み込み、腰のひねり、肩の動き――全部を繋いでいる」

 御影は再び目を閉じた。

 全身の皮膚を水の膜で覆うような感覚。

 漏れ出す光が、離れていかないように沿わせ、回す。

 やがて、御影の周囲に淡い揺らぎが生まれた。

 空間が僅かに歪み、彼を中心に半径数十センチの屈折が広がる。

「……できた、か?」

「まだだ。攻撃に耐えられなければ意味はない」

 ホロウレインは掌を前に突き出す。

 瞬間、虹色のエーテル弾が放たれ、御影の胸元へ直撃する――

 轟音と共に光が弾けた。

 しかし御影は倒れなかった。

 彼の周囲に、薄い水晶のような光膜が残り、外部の衝撃を滑らせていた。

「……耐えた」

 御影が驚きの息を漏らす。

 ホロウレインは薄く笑う。

「それがお前の新たな“皮膚”だ。戦いの最中でも、常に纏え。

 お前の力は、使わずとも存在そのものが武器になる」

 御影は頷き、掌を握る。

 周囲の光が微かに脈動し、まるで心臓の鼓動と同調するかのように流れ続けた。

 ――この力なら、必ずあの次元を斬り裂ける。


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