第76話 上等
ギュイィィィィン!!!!!
ンバァァァァァァ!!!!!
ゴォォォォーーーッ!!!!!
スルスルーーーーー......
…シュシュルシュルルルルゥゥーッ......
ーーーーおおおっと!???
腹切カナタの前方についに
チャンピオンイエロォォォォが射程圏内にィィ!!
伊藤翔太ァァァァァーーーーーーー!!!!
腹切カナタと伊藤翔太のバトルが始まろうとしています!!!!!
レースは折り返し地点を曲がり2周目!!!!!
レース2周目
5黒川 エボ9MR
6濱 GR86
7伊藤 スイスポ
8カナタ86紅い戦闘機
……ストレートでも先ほどよりも鋭い加速!!??1周目よりも紅い戦闘機のパワーが増していますーーー!!!
伊藤「カナタッ!やっと勝負できるなァ!!今日は負けないぞーー!!」
カナタ「上等だよッ!伊藤ッ!!」
スイスポに紅い86が低速バンクの立ち上がり加速によって並んでいくーー。
まるで昔の頃子供遊びをしていたかのように二人は、並びかけ合いながら楽しむーー。
そして、伊藤は心の中で思いかけた。
なぁ...カナタ.....。いや、ケイ。
お前とこうして並んで楽しんだり遊ぶのなんて久しぶりだよなーー?
いつぶりなんだろうなーーー?
みんな、それぞれ他の高校や道を行ったしーーー。佳菜子先生だって...うちらのことを大事な家族と思ってくれていたーー。
……バカバカしいよなーー。
こんなこと考えてたって......。
急に伊藤が涙目になる。
大事にしてくれたケイやかつて中学の担任の教師で音楽授業兼用の先生が伊藤や当時母親に虐待されていた頃、大切に見守って仲良くしていた先生がいたーー。
古賀佳菜子先生。
好きだった。憧れでもあったーーーー。
辛い人に寄り添ってくれて明るく見守ってくれていた......。
車が紅いM4だった。まるでサックスのような音を吹かせながらいつもオレたちを乗せてくれたーー。
クリスマスもわざわざオレんちに来てくれて...正月もハロウィンも迷惑だと思わず優しく来てくれて......まるで女神のようだったーー。
今、どうしているんだろう?
先生のおかげなんだよな......。
ケイ......今のカナタと出会えたのも佳菜子先生がいてくれたからなんだーーーー。
話は少しだけ3年前に遡るーー。
これは、当時3人での思い出の話ーーーー。




