第51話 S字迫る白い86の大外追い上げ
コースはいよいよ最終セクションに差し掛かる。
先頭では真剣な最終決戦が真意に行われており、
中団グループではゴタゴタした伊藤のスイスポと黒川のエボ9MRのバトルが続いていた。
さらにその後方の中団グループ見てるところから東條、柳津、ゾフィアの攻防戦が勃発しており、柳津がオーバーテイクを仕掛けて成功していたーー。
柳津がほっと一息する瞬間だったーー。
最後尾から謎のボクサーエンジンの振動と音が鳴り響いてくるーー。
大外から白い86!!!
これは.......!??
ユナだああああああ!!!!
この終盤にしても諦めていなかったァァァァァ!!!
ものすごいスピードで柳津に並びかけ接近してきたああああ!!!
柳津「やる気かい?君。悪いけど。この先は渡さないよ?」
ユナ「いけるところまで....いってみる!!!」
東條「お前ら、速過ぎだァァァァァ!!!」
ゾフィアが前方をスピードを上げてどんどん加速していくユナの86のテールライトを見てゾワっとしたーー。
速い.......!!ダウンヒルになるとこの強さ...!!この感じ....!前の須賀川戦のカナタくんと同じ感じ.....これはやられたわ......。
柳津もその姿をサイド側から捉えながら思う。
君も隠れ主人公かい?
だけど、いくらハラキリカナタと同じことしたって意味はないよ?だって...アイツの方がかなりすごいから......。
前回の須賀川戦のR118と東部環状線の間を走ってた時のカナタくんのカーブ...
あの時のオーラはまるで地獄だったよ?
君にそれと同じことができるとでも?
……笑わせるなよユナ。
君はまだまだ序の口ーー。
対して、カナタくんでさえあの時のがまだ序の口言ってるんだ。君はそれについてこられる自信はあるのかと説いてるんだよ??
M4が再びユナの86を強く引き離すーー。
ユナ「なんて強さなの、、、、!??」
どこか冷たい感じに柳津がユナに応えた。
柳津「ユナ。君も腹切カナタのようになりたいなら...同じになるな。」
ユナ「どうして.....なんでなの!?」
「ねぇ!なんで同じになっちゃいけないの!?このままなんて...いやだよ、、、私。」
あまりの泣き弱なユナに柳津も少し慰めたいような顔をしてユナにボイスチャットで呟く。
柳津「カナタくんは、自分だけの走りを信じてあえて独特な走りなんだよ。自分らしさを信じる。それで生まれるんだよ。本当の伝説が............!」
次回第52話 お前はお前だ。




