第42話SP 氷の断罪ー雪の王の降臨ー
カナタ、伊藤、花、黒川にいつのまにか後方でタイヤの耐久値を消費しすぎて思うように前に進めない相川。場外に吹っ飛ばされるところだが持ち直した東條らがレース中。
しかし、南の大玉村では、一人だけ勝手に離脱して勝手にパチンコとスロットして勝手に自然破壊しようとする30歳がここにいた。
そう、岩永アキラだった。
「なーんちゃって、パチンコとスロットしに行くんだよー!!!」
憂さ晴らしは最高だな!!!!!
何をしてもつまんない!!!!!
どうせ、自然もパチンコもレースでも俺が上位取るんだろ?
まあ、今回は相川のRが復活してきたからな、、、、一時休戦ってことにしておいてパチンコでもー!!!
岩永は緑色の大きなバッグの中身をチラッとほくそ笑みながら大量の財布にその財布から大量の血の跡。
間違いないーー。人から盗んだものだ。
彼は悪いという自覚もない。
むしろ、それをポジティブに考えている。
「じゃあ、このままトンズラパチンコでもーー」
その瞬間だったーーー。
岩永を制裁するかのように少女が急に起こった雪の竜巻の中から少女が現れたーー。
その少女は、蒼色のネモフィラ色に近い萌え袖に青いネクタイに髪の毛もネモフィラに近い蒼色をしている。見た目は高校生くらいだ。とてものんびりとした口調で岩永に話しかけてきたーー。
岩永「お前はーー誰だ!?」
なんだ....こいつ!?こんな夏の時期に雪!??雪女か!???
ちとせ「おじさんはちとせだよ〜」
「......ところでさ〜岩永く〜ん。君さ...そのお金ーー」
岩永「あー!これか?さっき拾ッ」
ちとせ「盗んだよね〜?」
鋭い冷たい声でさらに話しかける。
「返せよ」
その時、バッグを包むように雪の渦が襲いちとせの手に渦とバックが渡る。
岩永「ふざけんな...!それは俺が集めてきた大切なー」
ちとせ「奪ったよな......?」
再びちとせが冷たい声と視線で岩永を圧倒した。岩永はあまりの急な命の危険で焦りを隠せなかったーー。
岩永は逃げようとした。
しかし、歩いても歩いても同じ空間だ。
そこでちとせが呟いたーー。
ちとせ「あー、ここはね〜おじさんの作った空間だよー?逃げられないよー?」
しかも、地面にはすでに雪が積もっていたーーーー。
とても冷たいし、ジリジリと沈んでいくーー。
それでも岩永は這いあがろうとするーー!
岩永「うわああああ!!!」
しかし、叫んでも少女ちとせと岩永しかその世界にいなかった。
岩永「雪女アアア!!」
ちとせ「ええ〜、おじさんは雪女じゃないよ〜。雪女扱いしないで〜。」
いや......コイツに本当のことを伝えなければーー......。
ちとせの体から淡い蒼色の冷気が立ち上っていく。自分で伝えなければいけないとちとせは岩永に自分がしたことを伝えた。
ちとせ「あのねー、岩永く〜ん。
…自分が何をしてるかわかってんのか......?」
段々と声が冷たくなっていくーー。
彼女自身も限界なのだろう。
それでも、岩永はそんなことも知らない。
変わらずポジティブに話す。
岩永「そんな!俺は何もしたことがーー」
ちとせ「何もしてないわけないでしょ?」
カナタ君も伊藤君も花ちゃんもレースに出てる。動いてる。
それをバカにするかのような言い方だな......。ちとせはそう確信したーー。
そして、ここからが本題ーー。
ちとせは話した。
雪山を血染めにした話について......。
それに対しても岩永の反応は変わらない。
岩永「あー!!あれかー!まぁ、、大したことないんじゃない?」
その発言の瞬間だったーー。
空間が元の場所に戻る。
辺り一面と岩永が彼女の極寒の視線によって生み出された強力な凍気によってその周り全てが彼女に支配されたーー。
そして、岩永の前へとちとせがさらに歩み寄ってくるーー。
ちとせ「雪ちゃんたち悲しんでたよ〜?すごく泣いてたんだよ......?
お前のせいで....お前のせいでな......?」
「お前は……お前は……………………いらないみたいだね~」
「何が悪い?何がしたい?」
岩永の放つセリフはそれで最後だったーー。
まるで彼女が彼の声をも支配するかのように...永遠に眠れというような感じだったーーー。
「お前は....お前は......」
その瞬間ーー。
ちとせにこの世の全ての冷気、寒気に雪や氷の力が全て集まるーー。
そして、岩永の全てがこの一言で凍りついていくーー!!!
パリィィィンンッッ!!!!!
「眠ってろオォォォォ!!!!!!!!」
ちとせが起こした極寒の怒り!!!!!
世界中を一瞬して大量の極寒シャーベットにしてしまったーーーーー!!!!!
そして、岩永は二度と生き返ることもなかったのだったーー。
もちろん、周りに居た人たちも驚きを隠すことができなかったーー。SNSやブログ、ニュース速報でも伝えられた。
SNSの反応
・何あれ、、、少女が浮いてる!!
オイ!少女がいるぞ!!
・東京、マイナス43度なんだけどー...
・福島、一番寒い!!!!マイナス51度!!!!
・北海道だけどマイナス82度だあああ!
ヒエヒエェェェェ!!!
・地面までシャーベットだぞ!!!
かなり強めのシャーベット!!!
、、、、だけど白くない!?蒼い雪!?
ニュース速報
繰り返します!!!!極低温の嵐が福島を発生源に現れました!!!!
近県の方は直ちに避難してください!!!!
電光掲示板が、ゆっくりと数字を映し出す。
「-354°C」
――常識を超えたその表示に、誰もが目を疑った。だが、それは“現実”だった。
その温度の中心には、ひとりの少女が静かに立っていた。
彼女の名は――ちとせ。
その存在は、風すら凍りつかせる。
降り注ぐ氷霧。空気が“音を立てて”凍る。
時間すら、ひとときの静寂を選んだようだった。
凍てつく世界の片隅。
無惨な姿で膝をついたまま凍結したのは、岩永透。
すでに意識も呼吸もない。ただ、その目を見開いたまま、永遠に“凍りついた”。
「……岩永く〜ん……」
ちとせの声は、どこか寂しげで、優しく、しかし――明確な“断罪”だった。
「よかったねー、君……眠れたんだよー?」
白く長い吐息が、まるで霧のように彼の頬を撫でる。
その瞬間、彼の瞳の奥、凍りついた細胞が――さらに深く、静かに、砕けた。
「永遠に眠れーー。」
「その無様な格好で、氷の世界で……」
低く、冷たく、決して逆らえぬ“裁きの声”が、世界の空気を引き裂いた。
まるで天から響く死神の呪詛のように。
そして次の瞬間――
遠く離れたレースコースにも、異変が起きた。
轟音が響く中、空に舞ったのは白い粉雪と凍った霧。
一瞬だけ、天から雪が舞い、地表を氷の膜が覆った。
路面がシャーベット状に変化し、タイヤが“ズリッ”と鳴く音が響いた。
「な……なんだ!?氷!?今、雪が……降った……!?」
冷たさは痛みを超え、やがて感覚をも奪う。
誰もが立ち止まりそうになる中 -レースだけは、止まらなかった。
ただし、そのコースの一部には、確かに残っていた。
そして、少女は静かに去っていった。
コースの場所とひとつの場所だけを指先だけで戻していく。
何も言わず、何も残さず。
ただ、ひとりの“眠り”と、氷の風景を残して ー。
次回43話 80SUPRA対WRXSTI




