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86伝説エーペックス[POWER!!!]  作者: SAI
POWER!!!松島編
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松島編第59話 エボの里とインプの山

黒川「あぁん? 止めるだと? やってみなよお嬢ちゃん! このエボの加速を、そのボロいフェラーリで……ッ!!」


黒川が立ち上がりでアクセルを踏み込むが、イオリのフェラーリは逃がさない。

直角コーナーの進入、イオリはブレーキを一切遅らせず、黒川の逃げ道を物理的に「氷」のごとき重圧で塞ぎ込む。


イオリ「……動かないで。氷の中は、静かで気持ちいいよ……」


total319

黒川「バブーおかあちゃ〜...☆ そこにスバルディーラーがあるじゃん☆おかあちゃの車〜☆☆ 仲間がいっぱいいて心強いねぇ、おかあちゃ〜」


花「......またそれかァァァァァァ!!!!!

そんなことでいちいち走行中にちょっかい出すなやァァァ!!!!!!」


※実際にそこにスバルの店あるよ!!!


黒川「はいはい、おかあちゃはどうせスバルなんだよね〜。永遠の宿敵、インプの山とランエボの里、どっちがいいの? おかあちゃ。僕は断然、エボの里派なんだけどさぁ〜☆」


花「黙れやァァァァァァッッ!!!! 誰がおかあちゃんだ!! そのふざけたエボのリアウィング、今すぐ叩き折ってやるからそこを動くなァァァッ!!」


フェルリア「……あぁ、また始まりましたね。黒川くん、1位のイオリさんを追撃しながらこの余裕……。相手を怒らせてミスを誘う戦術なのか、単に彼がこういう性格なのか、判断に迷うところです。花ちゃん、完全にハンドルを握る手が震えるほど怒っていますよ」


若林「黒川、赤ちゃん言葉で市街地を猛進!! 対する花は怒りのフルブースト!! 宿命の三菱・スバル対決が、市街地の建物を震わせるぅぅッ!!」


フェルリア「……今回のMVPは美保ちゃんやカナタくんとは言いましたが、、、ワースト、、、つまり最悪な意味でのMVPは黒川くんなんですよ、、、、、」


若林「ワ、ワーストォォォ!!? 確かに、この緊迫した市街地戦で『バブー』だの『おむつ』だのそして人をぶつけるようなラインの奴と無線を飛ばす精神構造は、ある種のマナー違反というか……もはや公害に近いッ!!」


フェルリア「実力は本物です。でも、あの性格がすべてを台無しにしている……。レースを私物化して楽しんでいるというか、相手の尊厳を削ることを悦びにしていますね。最悪のエンターテイナーです」


イオリ「(……不潔ね。……消えなさい、ごみ)」


若林「小岩イオリ、静かにブチギレたァァ!! 1位のフェラーリがわずかに挙動を乱すほどの殺気!! 黒川の赤ちゃん攻撃は、冷静沈着な氷岩こおりいわの心さえも掻き乱しているぅぅッ!!」


花「あいつ……ッ! フェルリアさんにまでそんな言われ方して、まだやる気かァァ!! 黒川ァ! お前のその腐った性格ごと、石巻の海に叩き落としてやるッ!!」


黒川「…………チッ。いつまで赤ん坊のフリさせてんだよ、反吐が出るぜ」


若林「えぇっ!? 黒川の通信から、あの気味の悪い赤ちゃん言葉が消えたッ!! 代わりに聞こえてきたのは、底冷えするような……地獄の底からの低い声だぁぁッ!!」


黒川「おい、イオリ。その高いだけの跳ね馬、石巻のドブ川に沈めてやるよ。覚悟しろ……テメェら全員、俺のケツを拝む暇もねぇ速度でブチ抜いてやるッ!!」


黒川のエボIXが、先程までのふざけたライン取りを捨て、殺気あふれる「攻め」の姿勢に転換する。

市街地の狭いコーナーを、ガードレールを削り取るようなギリギリの超高速ドリフトでクリア。もはや「走り」ではなく、それは「蹂躙」だった。


若林「黒川、暴走族の血が再燃ッ!! 1位・イオリのフェラーリに対し、パッシングを浴びせながらの執拗なテール・トゥ・ノーズ!! 煽り運転の域を超えた、命を奪い合うようなプレッシャーだぁぁッ!!」


フェルリア「……これです。これが黒川海斗の真の姿。元・暴走族総長としての、相手を力でねじ伏せる最悪の走り。嫌な予感が当たりました……。彼は今、石巻の街を自分の『ナワバリ』に変えようとしています」


佐藤大河「(……ふん、ようやく本性を現したか。だが、そんな下品な威嚇がこの俺に通用すると思うなよ……ッ!!)」


黒川「あぁん? 佐藤大河、テメェも後で遊んでやるよ。まずはその跳ね馬のタテガミを毟り取ってからだッ!!」


黒川「オラオラァァァァァァ!!!

どけッ、高嶺の花がァァァァァッ!!!」


ガァァァン!!!!


若林「うわぁぁぁぁぁっ!!! 信じられないッ!! 2位の黒川海斗、市街地の直角コーナー進入で、1位を走る小岩イオリのフェラーリ812のサイドに……真正面からぶち当てたぁぁぁッ!!!!」


鈍い金属音と、カーボンの砕ける音が石巻のビル街に反響する。

7億円のヴェネーノにすら手出しさせなかったイオリの「氷岩こおりいわ」が、黒川の泥臭い、だが殺意に満ちた体当たりによって強引に弾き飛ばされた!!


イオリ「…………っ!? な、なんて……下劣な……ッ!!」


衝撃でフェラーリのテールが流れ、タイヤが悲鳴を上げる。イオリは必死のカウンターステアで体勢を立て直すが、その一瞬の隙を見逃す黒川ではない。


黒川「あははははッ!! ざまぁねぇな、お嬢ちゃん!! 公道ここはサーキットじゃねぇ、俺たちの『ナワバリ』なんだよッ!!」


若林「黒川、ぶつけたままでの強引なイン差し!! フェラーリをガードレールに押し付けるようにして、ついに1位を強奪したぁぁッ!! なんというワースト……なんという非道なオーバーテイクだぁぁッ!!」


フェルリア「……ひどい。イオリさんのフェラーリ、左側のボディが完全に歪んでいます。黒川くん……彼は勝つためなら、自分のエボがスクラップになることすら厭わない。まさに狂犬です……!!」


イオリ「……私の氷岩こおりいわで止めてあげる、、、、、?」


若林「う、うわぁぁぁぁ!! 1位を奪われた小岩イオリ、その瞳から一切の感情が消えたッ!! 傷ついたフェラーリが、まるで生き物のように黒川のエボの背後に吸い付く!! 殺気ではない……これはもはや、死そのものの静寂だぁぁッ!!」


黒川「あぁん? 止めるだと? やってみなよお嬢ちゃん! このエボの加速を、そのボロいフェラーリで……ッ!!」


黒川が立ち上がりでアクセルを踏み込むが、イオリのフェラーリは逃がさない。

直角コーナーの進入、イオリはブレーキを一切遅らせず、黒川の逃げ道を物理的に「氷」のごとき重圧で塞ぎ込む。


イオリ「……動かないで。氷の中は、静かで気持ちいいよ……」


ガッ!!


若林「当てたぁぁ!! 今度はイオリだ!! フェラーリのフロントが、エボのリアディフューザーに冷徹に突き刺さる!! 黒川を外側(ガードレール側)へ、ミリ単位の精度で押し出していくぅぅ!!」


フェルリア「……これが、小岩イオリさんの真の『氷岩こおりいわ』。相手の挙動を凍りつかせ、逃げ場を奪う。黒川くんの暴力に対して、彼女は『重圧』という名の絶望で応えています。この市街地全体が、彼女の作り出した冷たい檻になろうとしています……!!」


黒川「チッ……! 離れやがれッ!! 氷だか何だか知らねぇが、ブチ壊してやるよォォ!!」


イオリ「……私の氷岩こおりいわで止めてあげる、、、、、?」


イオリの低い、だが芯まで凍てつくような声が無線に響いた瞬間だった。

石巻の市街地、黒川のエボIXがさらに加速しようとしたその時――。


黒川「なっ……!? なんだ、これ……動かねぇ……ッ!!」


突如として、黒川の視界が亜麻色の閃光に包まれる。

それはオーラか、あるいはイオリが放つ圧倒的なプレッシャーか。

黒川の黒いエボIXが、まるで巨大な極寒の岩の中に閉じ込められたかのように、その場に縫い付けられた。

一瞬――時間の流れさえも凍りついたかのような、異様な静寂がコースを支配する。


若林「う、うおおおっ!? 何が起きたんだぁぁッ!! 独走を始めようとした黒川のエボが、まるで目に見えない壁に衝突したかのように、その場で失速ッ!! 車体全体が、亜麻色に輝く氷のような霧に包まれているぞォォッ!!」


フェルリア「……これが、小岩イオリさんの真髄。『氷岩こおりいわ』の真の姿です。ただの防御ではありません。自分を攻撃する者を、その冷気で窒息させ、停止ストップさせる絶対零度の檻。黒川くんの殺気が、彼女の氷によって完全に封じ込められました……!!」


黒川「(クソッ……手が、足が……ッ!! エンジンの回転が上がらねぇ……ッ!! この女、何をしやがった……ッ!!)」


若林「おっとぉぉ!! 黒川のエボ、一瞬の金縛りから解き放たれたァ!! 再びエンジンが咆哮を上げ、加速に移ろうとしたその瞬間だぁぁッ!!」


イオリ「……もう一度止めてあげる、、、氷のような静かな岩に、、、、、、」


黒川「なっ……またかよォォォッ!!?」


ガガッ……!!


若林「まただぁぁぁ!! 復活したはずの黒川のエボが、再び亜麻色の閃光に包まれ、石巻の路上で完全停止!! まるで時間がバグを起こしたかのように、黒い機体が静止画のごとく静まり返るぅぅッ!!」


フェルリア「……残酷ですね。一度解放して希望を持たせてから、再び絶望の底へ叩き落とす。イオリさんは今、黒川くんの加速リズムを完全に破壊しようとしています。一瞬凍り、また戻る……。この繰り返しで、黒川くんのマシンは慣性をすべて奪われ、ただの鉄屑同然に失速していく……!!」


黒川「クソ……クソがァァァ!! 止まるなッ、動けよォォォッ!!」


イオリの手によって再び解放されるエボIX。だが、最高速から一気にゼロに落とされ、またゼロから踏み直す……。その過酷な負荷に、エボのエンジンが、そして黒川の精神が悲鳴を上げる。


若林「黒川、かなりの失速!! 1位・イオリの背中が、一気に遠のいていくぅぅ!! そして、この絶好のチャンスを後方の『猛獣』たちが見逃すはずがないッ!!!」


若林「そして! ここで来るか!?? R33 Vスペック 相川美保が、、、812スーパーファスト 小岩イオリに迫る!!!!! 産業ストレートから続くこの死闘、ついに時代を創る『ルーキー対決』が始まってしまうのかァァァァァ!!!!!」


石巻の市街地。街灯のオレンジ色の光が、猛スピードで流れる車体に不規則な残像を刻みつける。

蒼い閃光と化したR33の背後には、RB26DETTが吐き出す熱気が夜の空気を歪めていた。

前方を走る、気高くも冷徹なフェラーリ。そのテールランプを見据え、美保は不敵に微笑む。


美保「イオリちゃん、見つけた……。黒川のおじさんを止めてくれたのは感謝するけど、1位の座まで譲るつもりはないよ。海に沈む覚悟、できてる?」


イオリ「……美保ちゃん。貴方のその『青い熱』、私の氷岩こおりいわを溶かせるとでも思っているの? この先は市街地のデッドエンド……行き止まりの冷たさを、教えてあげる」


フェルリア「……凄まじいプレッシャーの激突です。美保ちゃんのR33は、まさに『深海のジャベリン』。水の抵抗を一切感じさせない、流線型の鋭い加速でフェラーリのインサイドを射抜こうとしています。対するイオリさんの氷岩は、亜麻色の輝きを放ちながら、後続のあらゆる熱量を吸収して凍らせてしまう……!」


若林「捉えたァァッ!! 相川美保、直角コーナーの進入でフェラーリの真横に並びかける!! サイドバイサイド!! 日本が誇るGT-Rと、イタリアの至宝フェラーリ!! 二人の美しき天才少女が、石巻のコンクリートの壁際で火花を散らすぅぅッ!!!」


美保「イオリちゃん……ここなら、私のR33の『重さ』がトラクションに変わるんだよッ!! いけ、ジャベリンッ!!」


イオリ「……甘いよ、美保ちゃん。氷は、重ければ重いほど……硬く、鋭くなるのよッ!!」


「キィィィィィィィィィッッ!!」


二台のタイヤが悲鳴を上げ、市街地の路面を削り取る。

美保の放つ「深海のジャベリン」が氷を穿とうとし、イオリの「氷岩」がそれを跳ね返そうとする。

この瞬間、石巻の街は二人だけの聖域へと変わった。


イオリ「……美保ちゃんも食らってみる、、、? 私の氷岩、、、、、、」


その瞬間、石巻の市街地に立ち込めていた熱気が、一瞬にして凍りついた。

イオリのフェラーリ812から放たれる、亜麻色の冷徹なプレッシャー。

それは美保のR33を包み込み、タイヤの摩擦熱さえも奪い去る。


若林「あぁっとォォ!! またしても出たァァッ!! 小岩イオリの『氷岩』ッ!! 今度はターゲットを2位の相川美保にロックオン!! 蒼い閃光を放っていた美保のGT-Rが、まるで極寒の海に放り込まれたかのように急激に速度を落としていくぅぅッ!!」


美保「(……っ! これが、黒川のおじさんを止めた力……。ハンドルが、アクセルが……石みたいに重い……ッ!! まるで車全体が凍りついたみたいに動かないよ……ッ!!)」


イオリ「……ごめんね、美保ちゃん。でも、1位の景色は誰にも渡さない。このまま静かに、私の後ろで眠っていて……」


フェルリア「……イオリさん、容赦ありませんね。美保ちゃんのRB26が上げる咆哮さえも、氷の壁に跳ね返されて消えていく。美保ちゃんの『青い熱』が、イオリさんの『亜麻色の氷』に飲み込まれようとしています!!」


若林「美保、失速!! 1位・イオリとの距離が、一気に開いていく!! だが、美保の瞳はまだ死んでいない!! 氷の檻の中で、蒼き鳥が必死に翼を羽ばたかせようとしているぅぅッ!!」

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