松島編第40話 全速前進のオーラ
86伝説エーペックス300話突破!
total300!!!
若林「エーペックスカップ第6戦リッジ松島戦!実況は、引き続き若林太陽がお送り致しますッ!!!!」
「腹切カナタにジリジリとレモン色のR8が迫るゥゥゥゥ!!!!」
腹切カナタの赤い戦闘機に迫るR8V10plus。
5.2リッターハイパワー4WDとフラット42リッターNAでは、トルクの体感も全くもって格別。
簡単に抜かせない信念が...赤い戦闘機とそのドライバーに募っていたのであった。
カナタ「いかせるわけいかないだろセリナァ......!!!!」
「たとえそっちがウラカンみたいなV10だろうと......俺は86そのものの力になりたいんだ......ッ!!」
「俺の赤い戦闘機は...過去の86も引っさげてるんだぞ、、、ッ!!!!」
内藤セリナ「へー、、、やるじゃん?赤い戦闘機......でも、ここからだよ?勝負はねエエエッッ!!!!!!!」
ヴアアアアアアアアアンッ!!!!
その瞬間、R8のボディが猛加速を繰り出して前に出ようとする。
それはまるで猫がネズミを狩るようだった。
鋭く突き抜けるような排気音が重なる。
前方、鮮烈なレモンイエローの塊が突き進む。
Audi R8 V10。内藤セリナのマシンだった。
その後方、ギリギリの距離で食らいつく一台。
赤い戦闘機――腹切カナタのトヨタ86。
セリナ「ふふ、カナタくん、攻めてくるんだね〜?でも、セリナ、まだまだR8だから伸びるよー☆」
伸びやかな声とともに、彼女のR8が小さくスライドする。
四駆ならではの俊敏さで立ち上がりを制した。
カナタ「R8の加速……やっぱ速い。でも、下りなら……!だったら..のばしてみろよッ!!!!お前の加速ッ!!!!!」
内藤「....ッ☆」
次の右カーブを見据え、カナタは鼻先をインへと落とし込んだ。
ブレーキをわずかに残しながら、タイヤが絶妙なグリップ音を立てる。
カナタ「こっちはパワーがなくても……足で勝てるッ!!」
接近する赤の機影。
その背後にはまるでエアブレーキのような空気の渦が生まれる。
セリナ「でもね〜、カナタくん。わたしのこのR8、ただのV10じゃないんだよ〜?」
低く、だが高鳴る咆哮。
セリナのマシンが、直線で一気に距離を広げようとする。
だがそのとき。
カナタ「抜ける……このブラインド、イン側ならいける……!」
一瞬の隙を突いた。
86の赤が、路肩すれすれにR8の左フロントへ被さってくる。
セリナ「わっ、やるじゃ〜ん!?セリナ、凄く関心しちゃったよー!!!えへへ?」
カナタ「逃がさない……内藤セリナッ!
ここで、追いつくッ!!」
R8のリヤがわずかに滑った。
そこへ、86のリヤが横並びに迫る。
セリナ「ふふっ、いいよ。じゃあ、もっと速くなっちゃうからね〜!」
トラクションをフルに使って、R8が一気に抜けようとする――
カナタ「そうはいかない……!!俺はここで前に出るんだ!!!」
赤い86が斜めに滑り込む!
その姿はまるで戦闘機が突っ込むような切れ味だった!
日差しが照りつける松島の海岸線。
水平線の向こうまで伸びる青のキャンバスを背に、アスファルトが熱を帯びていた。
バシィン!!キュイイイイイインッ!!!
ボボボ.....ッ!!!シャコンッ!!
ゴワッ!ドシュウウウウウンッ!!!!
路面を叩きつけるような2台のスキール音が重なった。前にいるのは赤い86。
だが、その背後からレモン色の猛獣が牙を剥く。
セリナのR8がスッと距離を詰める。
内藤「前に出るの……私の方だよね......?」
フロントガラス越しに、彼女の笑顔が夕凪のように穏やかに揺れる。
内藤「だって86……私の前、出てるじゃん」
カナタの赤い戦闘機が、一瞬、身をすくませたように見えた。
次のS字――太陽を真正面に受けながら、二台の差は完全にゼロ。
カナタ「くそ……!ライン取られた!?でも、まだ……!」
フルブレーキングの瞬間。
光の中、セリナのR8が華麗にインへ飛び込む!
内藤「よいしょっ……と」
ガコンッ!!!ギュワアアアアアアア!!!!
R8のリヤがわずかに流れる。
それでも四輪の駆動がそれを正すように、グイッとコーナーからの立ち上がりで再び赤い戦闘機に接近してきた!!!!
鋭いV10ハイパワーが赤い戦闘機のことを後ろから睨みつけるかのように内藤セリナはアクセルを踏みっぱのままコーナーを抜けていく!!!!
内藤「ありがとね、スリップ。 使わせてもらったよ〜?えへへッ☆」
カナタ「今のアクセルワーク……完全に読まれてた……ッ!?」
軽やかなV10のサウンドが晴れ渡る青空に響き渡る。
R8が赤い86を抜き去った――
内藤「じゃあ、次は追いかけてきてね?じゃーね〜☆」
キラッと光るミラーの奥で、セリナが指を振った。だがその背後で――再び迫る赤い閃光!!!
カナタ「行かせねえよオオオオッ!!!!」
シャコンッ!!!クンクンッ!!!!
ギャンッ ギャアアアアアッッ!!!!!!
フルカウンターからのシフトダウン!
エンジンの咆哮が、R8の背中に喰らいつくように響いた。
若林「内藤セリナが腹切カナタを抜き去る!!!
そして後方ッ!!7位の腹切カナタの背後から……ジリジリとWRXが迫るゥゥゥゥ!!!!」
フェルリア「このクロスのような全速前進のオーラが86にもR8にもあります。200馬力のトヨタ86でよくやるものです。たかがマフラーをTRD製に変えてレーシングタイヤはめてECU変えてリアウイング付けただけなのにも関わらずこの赤い戦闘機は変わった進化をしてます。」
「彼は誰にも真似出来ないような走りをするんです!!!!」
青空の真下。
濃いスバルブルーのWRX STIが、赤い86の背中へ食いつく勢いで伸びてくる。
ターボの圧が上がり、花の吐息がほんのり震える。
花「……カナタくん……次のコーナーで……!
抜けそうだよね?...いけそう。勝てそう。負けないでカナタくんーー」
WRXが横に出た――その瞬間だった。
カチィン....カチン...コチン...キイイイインッ
空気が……白く“固まった”。
風の流れが止まった。
陽光が一瞬だけ曇った。
キィン……という、耳の奥を刺すような氷の音。
次の瞬間、WRXごと花の身体が――
乳白色の《ミルク氷》に包まれた。
花「……っ……ぁ……!?」
透明ではない。
白く、濃く、深く――
まるでスプーンで掬い上げたばかりの濃縮したミルクの塊。
その塊が四角く“寄って”いく。
花のWRXを中心に、空間のように閉じ込められていく。
キューブ状。角ばった乳白色の壁が、光をねじ曲げて反射する。
内部の花は動けない。
呼吸すらゆっくり、重くなる。
花「…………ッッ!?……寒……い……!」
冷気がただの冷たさではない。
“温度を奪う”ものだった。
身体の外側からじわじわと熱を吸われる感覚。
魂の輪郭まで薄くされていくような氷の気配。
路面の熱までもが吸われ、
WRXのタイヤの温度が“勝手に”落ちていく。
そこへ。
白い影が滑るように横へ。
ミルキークイーンのLC500。
乳白色の煌めきが、太陽光を跳ね返し、
ミルク氷特有の淡い光の粒が舞う。
ミルキークイーン「ふふ……お久しぶりですわぁ〜。でも……前に出るのは……わたくしですのよ〜……?」
LC500が腹切カナタの86に貼り付いた。
その瞬間、ミルク氷キューブの表面が、ふるりと波打つ。
生きている。
まるで“呼吸する氷”のようだった。
花の指が震え、WRXのハンドルを握り直す。
花「ま……待って……っ……今……っ……!」
だが氷はさらに濃く、さらに冷たく……
キューブの角がより鋭く、白く、光を吸い込む。
若林「なんだァァァァァ!!!??
山吹花のWRXが……まるで……冷凍庫どころではない……ッ!
乳白色の……氷の立方体に閉ざされているゥゥゥゥ!!!!」
フェルリア「ミルキークイーン……!
復帰した途端……これは……やりすぎです……!!
あの氷……相当“キンキン”に冷えてます……!」
ミルキークイーンの指先が、
氷のキューブにそっと触れた。
ミルキークイーン
「まだ……甘く冷やしますわ〜……うふふ……」
キィン……!
氷の角がさらに光を射し、
花の視界が白く染まる。
次の瞬間――
氷の裏で、花の声がかすかに震えた。
花「……ひっ……こんなの……!」
氷はとけない。
熱を奪い、温度を凍らせ、
まるで“甘い牢獄”のようにWRXを閉ざし続ける。
ミルキークイーン「そのままキューブ状のミルク氷のまま……戦線離脱してください〜……うふふ……」
WRXを閉じ込めている乳白の立方体が、すうっと路面から“浮いた”ように沈黙した。
四辺から白い蒸気がふわりと舞い、
内部に閉ざされた花の呼吸が薄く曇るように見える。
花「ま……待って……まだ……っ……!」
ミルキークイーンはまるで優しく子どもを寝かしつけるような手つきで、
氷キューブの側面を、レクサスで軽くトントンと叩いた。
そのたびに、キューブ全体が波紋のように“ぷるん”と揺れる。
ミルキークイーン「大丈夫〜……すぐに寒さで……動けなくなりますわ……
そのまま……安全に……コースアウトしてくださって……いいんですのよ……?」
甘い声音。
しかしその奥に潜むのは、慈愛の仮面をかぶった圧倒的支配。
氷の角は白く鋭く光り、路面の熱がキューブ全体へ吸い取られていく。
花「………っ……いや……っ……!」
ミルキークイーンは微笑みながら指先を持ち上げた。
氷キューブが、まるでドライバーの意思とは無関係に、右へ……ゆっくりとコース外へ滑り始める。
若林「山吹花のWRXが……強制的に……コースアウト方向へッ!!!!
運転……してない……いや……できていない!?
なんだこれはァァァ!!!??」
フェルリア「完全に……“操作を奪われています”……
ミルキークイーンのミルク氷……あれはタイヤだけじゃなく……車両ごと……“凍結拘束”……!」
ミルキークイーン「ふふ……あとは……ゆっくり滑ってくださって……
レースは危険ですもの〜。冷たく静かに……お休みになって?」
氷は地面を滑るように。
摩擦がほとんどない。
まるで氷上を走っているかのような無抵抗な動き。
花の声がわずかに震えた。
花「……負けたくない……こんな……氷なんかに……!」
しかし冷気は濃く、
キューブ内の温度はさらに下がり、
キィン……!
空気がひび割れそうな音を立てた。
若林「先程ミルキークイーンさんは違反したはずじゃ……」
フェルリア「本部から“そいついてもいいから走らせろ”って言われたんですよ……
しかも当の本人が追っかけてきたわけですからね……」
ミルク氷のキューブが、ミルキークイーンの指先の合図で、ゆっくり……ゆっくりと四辺からひび割れていく。
ぱき……ぱきぱき……ッ!
乳白色の立方体が、桜の花弁が散るように薄片となって宙へ解けた。
ミルキークイーン「ずっとやってても違反になりそうですもの〜……一瞬だけでも、効果バツグンですわ〜……☆」
「きっとヌルヌルになれますわ〜...」
氷片が花のWRXのボディに触れるたび、
うす淡い白い蒸気が立ちのぼり、
タイヤの表面温度が急激に奪われていく。
花は息を吸い込み、
解放されたWRXのステアリングを握り直した。
花「……っ……ふざけないでよ……!」
ミルキークイーンはLC500の窓越しに、
まるで舞踏会で誘うような優雅な手の動きを見せる。
ミルキークイーン「さぁ……続けましょう?
あなたの桜風……どれほど氷に耐えられるのか……興味ありますの〜……」
若林「ミルキークイーンが山吹花を完全に“遊び道具”扱いだッ!!
これは……危険すぎる!!!!」
フェルリア「ただ……花ちゃんは簡単に折れませんよ。むしろ今ので火がついたはずです」
花「……まだ……走れる……!
ミルキークイーン……あんたのために凍るほど、私……弱くない!」
1位 黒川海斗(EVO IX MR)
2位 小岩イオリ(812 Superfast)
3位 古賀加奈子(BMW M3 E46)
4位 サテラ(EVO VII MR)
5位 内藤セリナ(Audi R8 V10)
6位 腹切カナタ(TOYOTA 86 NA)
7位 ミルキークイーン(Lexus LC500)※復活
8位 山吹花(WRX STI VAB)
9位 相川美保(R33 GT-R V-spec)
10位 柊 蒼真(Civic Type R FL5)
11位 佐藤ジュン(RX-7 FD3S)
12位 佐藤大河(Corvette C8)
13位 伊藤翔太(Swift Sport ZC33S)
14位 岡田大成(GRカローラ)
15位 霧山トオル(Lamborghini Veneno)
16位 山吹芽衣(911 Carrera GTS)
17位 高村圭吾(Fairlady Z Z33)
18位 柳津雄介(BMW M4 DTM)
19位 湯川サトル(Honda S2000)
20位 川村修一(Kワークス)
花「美保ちゃんが来たの、、、、ッ!?
お兄ちゃん、仙台港に三回転半ひねりでR35ニスモをダイブさせて先にリタイヤしてたのによくやるわね、、、、、」
美保「……花ちゃん。前、空いたら行くよ。
海のにおいが濃くなるこの区間……私の得意な“深層のトルク”が効くから……」
若林「ここでェェェェッッ!!!!!
9位・相川美保のR33 GT-Rが山吹花に急接近ッ!!
桜のWRXのすぐテールライト後方へ貼りついたァァァァ!!
R33の直6が吼えるッ!!」
ミルキークイーン
「あらあら〜……仲良しさん同士で競い合うのは素敵ですわ〜……
でも〜……その前に〜……ちょっとだけ“ミルクの香り”を撒いて差し上げますわ〜……」
キィイイ……ッ
海風の湿気の中に、ほんの一瞬だけ漂う甘い乳白色の気配。
路面に薄膜のような“ミルク氷の粒子”が舞い落ちる。
花「う……っ!?また来た……この甘い冷気……!!でも……私は負けない……!!
桜風を、もっと……芯まで強く……!」
美保「花ちゃん……路面、変わったよ。
気をつけて――でも、その隙……もらうね」
若林「おおっとォォォ!!!
R33が並んだァァァ!!!!
花のWRXの横に……海沿いの細い区間で!!!」
ミルキークイーン
「うふふ……お二人とも〜……落ち着いてくださいませ〜……だってこの後……もっと冷たぁ〜い区間が……待っていますもの〜……☆」




