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86伝説エーペックス[POWER!!!]  作者: SAI
POWER!!!松島編
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松島編第36話 スーパーバトル勃発

total296

山吹花のWRX STI VABは、タービンの過給音をキーンと響かせながら、ブースト圧を鋭く維持していた。

すでに黒カラスの影が目前に迫っている……が、今はまだ攻めきらない。


花「抑えてる、、、、?」

「いけるよね?WRX、、、、ッ!」


ステアリングを握るその指先に、微かな緊張と高揚が走る。

心拍と回転数がシンクロしていくような感覚。


バンパーに入るエアフロー、冷却されたEJ20が静かに火を灯す。


その視線の先には、暴走する黒川のEVO IX MRがいる。

まるで影を纏ったかのように、路面を這うような鋭い動き。

だが、花のWRXは風と共にある。


花「……カナタくんも来てる、、、セリナは沈んだ、、、なら私が先頭を引きずり出す……!」


風の中に、微かな桜の匂いが満ちていく。

それはもう、ただの排気音やタイヤスキールではない。

戦場に咲き乱れる、疾風の桜――


WRXが、一段上のゾーンへ踏み込んでいく。


ダウンヒルのS字。

勾配の変化がラインを乱す中、赤い86が鋭く切り込んできた。


カナタ「……ここだ!一発で仕留めてみせる!!!」


ギィィィィィンッ!!!!

ゴャンゴャン!!!

ギャアアアアアア!!!!


突如、86のエンジンが高回転で咆哮をあげる。

シフトダウン――あまりにも鋭すぎるギア操作。

エンブレが効く瞬間、後輪がわずかに跳ねる。

それでも車体は暴れない。カナタの両手が、限界のその先で86を制していた。


若林「赤い戦闘機!腹切カナタがWRXに接近しているぞ!!!!最速タイムでは黒川海斗と互角の戦いを見せている赤い戦闘機!巻き返しなるのかアアアアア!!!??」


花(来た……カナタくん……やっと...)


スバルブルーのWRX STIのリアに、赤い影が忍び寄る。

ただのNAじゃない。あれは――意思を宿した鋼の獣。


花「でも、待ってても行かせないよ、カナタくん……」


クラッチミートと同時に、花のWRXがギャップから跳ねた。だが、彼女は怯まない。


アクセルは全開。EJ20ターボがブーストを溜め、路面に吸い付くように加速する。


花(本当にこのスポーツカーって、86やWRXってまるで桜のように走っていると暖かく感じる。まるで春が私を味方しているかみたい....)


後方の86もそれを追う。


カナタ「……ここで見せる!俺の全てを!!!

吉田さんの分も全て手に入れてみせる!!!!」


花(でもね、私は負けない……!)


それは、風と風の交差。

桜と赤い戦闘機――二つの風が火花を散らすようにコーナーを抜けていった。


次の瞬間、彼らのマシンが完全に並んだ――!


若林「なんと!赤い戦闘機が……ッ!!」

「ブレーキング勝負だァァァ!!!!」

「WRXのアウト側に膨らんだ隙を見逃さないッ!赤い86がインベタのラインに飛び込んでくるゥゥゥ!!!!!」


フェルリア「これは……まさに本能と感覚だけで掴んだ、極限のシフトダウンと同調のブレーキング……!」

「間違いない……カナタくん、完全に覚醒してます……!」


花「な……ッ!!カナタくんが……!?そんなタイミングでインに……!!..ふざけないでェ!!」


――カチィィィィィィンッッ!!!!!!

ドッ!!ゴギャアアアアアア!!!!


まるでギアが風を切るように唸り、赤い86が内側に滑り込む。

花のWRX STIが一瞬膨らんだその時を狙いすました刺突だった。


ギャァアアアアン!!!!

EJ20のタービンが吠える。

花が即座にトラクションをかけて抵抗する――だが、赤い影がフロントのすぐそこに……!!


カナタ「……ごめん、でもここは……譲れない!!」


花「私も……負けられないんだよッッ!!!!」


ブレーキローターが真っ赤に焼け、二台の鼻先が並ぶ。

コーナーの apex に向かって、赤と青の光が重なる――!!


若林「こ、これは……ッ!!並んだァァァァァァ!!!!!!トヨタとスバルでサイドバイサイドオオオオオ!!!!!」


フェルリア「美しすぎるサイドバイサイドです……!!なんという精密なラインの重なり……!!まさに傑作のシーンですね。」

「赤い戦闘機が一瞬だけ膨らむも見事に安定させてそのまま慣性に任せてコーナーをドリフトしていきました。」


実況席すら息を飲むなか、赤い86が、半分だけWRXの内側にねじ込んだ……!!


――しかし、その時。


花「……桜風は、一瞬だけじゃ終わらないよ……?」


スバルブルーのWRXが、さらに強いトラクションで押し返す。


花「私は……私の芯を曲げない!!!!

勝負だよ!!赤い戦闘機イイイ!!!!!!」


――ギィィィィィン!!!!

ドゴオオオオオオオンッ!!!!!!


切り返しで次の左コーナー。

インに入ったカナタが、今度は押し戻される!!


若林「ま、まだ決まらない!!WRXが再び前に出るッ!!花が守ったァァァァ!!!」


フェルリア「凄すぎます……どちらも攻めも守りも全く隙がない……!!」


まさに、赤い戦闘機vs桜風――真っ向勝負。

ラインと意志が重なり合う、超限界バトルの火花が路面に刻まれていた。


フェルリア「これが……海と風が支配する松島の真骨頂……!」

「水平対向エンジン同士の激突、ここまで鋭く、ここまで美しいものになるなんて……!!」


「WRXは桜の風、そして86は赤き戦闘機……」

「タイヤの軌跡が海岸のアスファルトに詩を描いていくようです……ッ!」


若林「どちらも車幅ギリギリまで使い切ってます!!!ドアミラーすらぶつかりそうな距離です!!!!」

「これは……もう戦争だァァァァァ!!!!」


フェルリア「風が……風が震えています……」

「どちらかがブレーキを少しでも早めた瞬間、すべてが決まる……!!」

「ですが……そんな妥協、今の二人には一切ありません!!!!!」


若林「抜きつ抜かれつ!!前に出ればすぐにインを差される!! どうなるッ!?この水平対向エンジンの超音速決戦はァァァァ!!!!」


若林「……スバルフラット4対決はどうなるゥゥゥゥ!!??前に出るのはどちらだァァァァァ!!!!」


花の目が鋭くなる。

赤い戦闘機の気配が、すぐそこまで迫っているのを、ハンドル越しに感じ取っていた。

ステアリングを握る手に、微かな汗がにじむ。


その瞬間――

背後から吹き上がるような咆哮。


カナタの86が、一気にギアを落としてシフトダウン!

タコメーターが跳ね上がる。爆音と共に、赤い戦闘機が牙を剥いた!


カナタ「次のコーナーの立ち上がりでは、ターボのWRXの方が有利になってしまう……」

「だが、減速から加速へ移る“谷間”さえ奪えば……こっちにもチャンスはある!!」


彼は一瞬の判断で、ブレーキングのタイミングを“ズラした”。

WRXのリアバンパーが目前にせまり、そのままコーナー内側へ――。


花「な……っ!!?」

ミラーに映る赤い車体が、完全に並びかけてきていた。

だが、彼女のスバルブルーのWRXも、ここで引くわけにはいかない。


花「抜け……!!いや、抜ける……!!ここで前に出させない……ッ!!!」


花の声とともに、桜色のスモークがタイヤの下から舞い上がる。

WRXのフロントがイン側へ強く切り込まれ、サスペンションが鳴き声をあげた。

全重量が左前輪にかかり、EJ20ターボが鋭く吹き上がる!


フラット4が、フラット4に火花を散らす。

ボクサーエンジン同士のスーパーバトルが、車幅ギリギリの松島の海岸線で爆発する!!


フェルリア「この距離……この攻防……もう、神業としか言えません……!」

「松島の道は彼らにとって……“競り合うためのレール”なんですね……!」


若林「今ッ!!カナタがアウトから立ち上がりを狙うううううう!!!!」


そして――


WRXと86のサイドミラーが、風のようにかすめ合う。

そのわずか数センチのすれ違いに、ふたりの魂がぶつかっていた。


それでも……2台は、並んだままだった。


松島の海風が吹きすさぶ。

細く絞られたガードレールの隙間を、WRXと86が――まるで一つの獣のように駆け抜けていく。

互いのフェンダーが光を反射し合い、空間が圧縮されるような緊張感が張り詰める。


並走。


――いや、それはもうただの並走ではない。

勝負そのものだった。


花「ッ……!!」

WRXのハンドルに込める力が、わずかに強くなる。

ターボの咆哮が再び吹き上がり、四輪にトラクションが乗っていく。


花「行かせない……私は、このコーナーで……守り切る!!」


カナタ「この区間のグリップは……お前だけのものじゃないぞ、花ちゃん……ッ!!」

「この“赤い戦闘機”も……地面を喰う力なら、負けてねぇッ!!」


ゴオオオオオッッ!!!


空気が裂ける。

桜風のWRXと、赤い戦闘機86が、タイヤの悲鳴と共に次の右コーナーへ突っ込んでいく。

クルマ2台分にも満たない狭い道幅――それでも、譲らない。


カツンッッ!!!!

ガードレールのすれすれ、花のWRXのミラーが一瞬、風圧で跳ねた。

その隣、カナタの86もまた、斜めの角度から突き上げるようなライン取りで食らいついている。


若林「で、出たあああああ!!!二台がッ!!二台がまるで一本のリボンのように重なってェェェ!!!!!」

「これはッ!スバル対トヨタの化けの皮を履いたスバルのボクサーエンジン同士による!!完全なる真っ向勝負ッッ!!!!」


フェルリア「…この距離で、ここまで均衡を保つとは……!」

「車体の重さも、駆動の違いも超えて……まるで“意志”が走ってるみたい……!」


そして次の瞬間――

海からの突風が、松島の石畳の路面を叩きつけた。


横風が吹く。

だが、2台はブレない。

赤い戦闘機と桜狼は、共にこの風すらも計算の内に入れて――


並走のまま突き進む!!!!


フェルリア「止まりません……彼らの魂が、競い合うことを……やめようとしない!!」


若林「これは……“バトル”じゃない……!!魂と魂の握手だあああああああ!!!!!!」


次のコーナーへ向けて――


真の決着は、まだついていない。


ギュイイイイイイィィィィィィ!!!!!!


突如、後方からレモン色の閃光が牙を剥いた。

レモンイエローのボディが太陽のように眩しく、旋風のように迫る。


内藤「えへへ☆間に私いるの忘れないでよね?」


Audi R8 V10。

圧倒的なミッドシップの加速性能。

4WDの蹴り出しと、内藤セリナの「アイドルスマイル」が風を裂いた。


若林「な、な、なんだァァァ!?内藤セリナがァァァ!!アウトからいったァァァ!!!!!」

「まさかの……WRXと86のボクサー兄妹喧嘩のど真ん中にッ!!!突っ込んでいったァァァァァ!!!!」


花「!? セリナちゃんッ!!」

カナタ「今このタイミングで!? やべえッ、塞がれるぞ!!」


3台――スバルWRX、トヨタ86、アウディR8が、海沿いのコーナーに3並び。

だがそのアウト側、セリナのR8は――わずか数十センチの余白をかすめている。


フェルリア「R8も……並走はちょっとヤバいですね……」

「もし、ほんの少しでもステアリングをミスったら……」


視界の端で、海が揺れていた。


フェルリア「……クラッシュです。アウト側のR8が跳ねて……イン側のカナタくんの86ごと……」


フェルリアの声がわずかに震えた。


フェルリア「……海に沈んでしまうでしょう……」


言葉にした瞬間、実況席の空気が凍った。

誰もが喉を鳴らす間もなく、3台が海沿いの崖のギリギリを滑るように疾走していく。


花「セリナちゃんッ……危ないって……!」

カナタ「R8がアウトからくる!? この位置で……止めなきゃまずいッ!!」


だが――


内藤セリナの表情は、明るく微笑んでいた。


内藤「大丈夫だよ〜……クラッシュなんかしないよ……だって、アイドルだもん☆」


R8のノーズがぴたりと横並びに迫る。

そして花のWRXをかすめるように、一瞬だけ――フミッパスライダーのトルクが炸裂した。


フェルリア「……ただ……」

「私もそれは……見たくないものですね…………彼らが傷つく姿なんて……」


風が泣いていた。

潮の匂いが、3台の隙間を吹き抜ける。


若林「ッ……!!これは止められないッ!!!!三つ巴がッ!!!ついに松島町区間へ!!!!!」

「半島区間で激しいポジションヘッドだアアア!!!!!」


花「させるかァァァァ!!!!!R8ォォォォォォ!!!!」


桜風が爆ぜた。


ドガァァァァァン!!!!!!


青いスバルが、右へ――いや、“内藤セリナのR8”のアウト側へわずかに身体をぶつけた。

いや、吹き付ける“桜風”で押し返したのだ。


レモンイエローのR8が、ふわりとタイヤを鳴らしてバランスを崩しかけた。


内藤「うわっと……!?☆」


花のWRX。

4WD、280馬力、EJ20のタービンが悲鳴をあげて咆哮する。


ギュイイイイイイイイン!!!!!!!!!


花「――あたしのWRXが、あんたのアイドルスマイルに屈するわけないんだよォォォ!!!!」


ボンネットが桜色に染まる。

花の“桜風の流し打ち”がコーナーに一気に重なった。


フェルリア「……押し戻した!?あの状況で……WRXが、インから、R8を押し返したんですか……!?」


若林「山吹花がやり返したあああああああ!!!!

内藤セリナを戻したァァァァァ!!!!!!」

「ここは譲れない!!!自分の進路は自分で守るッッ!!!!!!」


内藤「……あはっ、強いじゃん花ちゃん……♡」

「そうこなくっちゃ……やり甲斐ないしさ〜!」


一瞬、並びかけたR8は花のライン上から消えた。

だがその刹那――今度は内側の赤い機影が飛び込む。


カナタ「今しかねぇ……!!」


若林「ぬおおおおおお!!!!今度はカナタだああああ!!!!」


三つ巴、崩れかけた均衡。

その中心にいるのは、山吹花のWRX。


しかし、譲らない。


花「カナタくんもセリナちゃんも……あたしを追い越せると思うなよ……」

「この桜風……あたしの芯の強さで突き通してみせる……!!!」


風が爆ぜる。桜が巻く。


そしてその中を、赤い86と黄色のR8が再び牙を剥く。


フェルリア「まだ……終わってません……」


内藤「じゃこっちは、、、遠慮なくフミッパスライダーでも、、、、」


タイヤが――滑った。


ギュワアアアアアアン!!!!!!


レモンイエローのR8が、わずかにリヤを滑らせながらそのままアウトから花のWRXに巻きつくような角度で飛び出す!


遠慮など一切ない――女子高生アイドルは、勝負の世界に真剣そのものだった。


若林「フミッパスライダーが発動したあああああ!!!!またしても!!」 フェルリア「まさか……この角度で!? 本当にやるつもりですか、内藤セリナ……!!」


花「ッ!? またそれ……!?

何度も..やらすかアアアアア!!!!!!!」


だが、花はアクセルを緩めない。


花「そんなの何度でも防ぐ……ッ!! あたしのWRXが、あんたに好き勝手やらせると思うなァァァ!!!」


花のスバルブルーが立ち上がるように駆け上がる。タービンが息を吸い込む音。

EJ20の咆哮が、再び風を震わせる。


カナタ「違う……これは花の“読み”だ……!セリナのフェイントに対して、また真正面から受け止めようとしてる……!」


内藤「えへへ〜〜〜♡ じゃあ……今度は、ボクのターンね!!」


ぐいッッッ!!!!!!


急角度でR8がスライド――再び花のWRXのインへと潜り込むライン変更!!


二度目のフェイントだ。


若林「出たああああ!!!

フミッパスライダァァァァッッ!!!!

“二重偽装侵入式”だァァァァァァ!!!!」


フェルリア「これが……彼女の十八番。

“かわいさの裏に隠された殺意”……」


花「くッ……!!」


だけど、花は怯まなかった。


花「芯はブレない……!あたしの“桜風”、

なめんなよオオオオオ!!!!!!」


ドッガアアアアアアン!!!!!!


吹き上がるスプレーと桜のエフェクト。

風が交錯する。


桜風 vs フミッパスライダー vs 赤い戦闘機――


スーパーバトル、加速するだけじゃない。

駆け引き、心理戦、そして全力の正面衝突!!


内藤「わぁ……っ!やっぱり……楽しいね、花ちゃん♡」

「ボクたち、まだもっと走れるよねぇぇぇ???」


花「当たり前でしょッ……!!!」


その横、真紅の86も食らいついてきていた。

その目は――次の瞬間を見据えている。


内藤「私が誰かって、、、それは〜...」


一瞬、レモン色のR8が横滑りのままグリップを回復し、音もなく滑り出す。


ギュオオオオオオ!!!!!!


内藤「私が誰かって...?..内藤セリナ様だァァァァ!!!!!!」


まるで舞台に立つかのように――

両手をハンドルの上に掲げ、車体を斜めにしたままドリフトでアウトラインを弧を描いて旋回!!


若林「自ら名乗ったああああああああああ!!!!! 女子高生ドリフターが――今、女王の名を自ら刻み込んだァァァァァァァ!!!!!!」


フェルリア「......あれが“誇り”の走りですね......間違いなく今、あのマシンの挙動は制御不能寸前。 でも、あの娘はそのすべてをコントロールしてる。 あの一言に、すべての覚悟が込められてる......!」


花「……やっぱすごいよ、内藤セリナ……!」


カナタ「だけど――俺だって、負けるわけにはいかねぇ……!!」


3台が一直線に並ぶ!

インにWRX、アウトにR8、そしてセンターにREVIVE86が踏み込む――!!


若林「おおおおおおおおおお!!!!!」

「スーパーバトルが今!!女子高生アイドルに赤い戦闘機が!さらにスバルの桜狼が食らいつく!!!今ッ!!!ぶつかり合っている!!!!!!」



フェルリア「一歩間違えば、全車クラッシュです……でも、それがこの世界。……それが、松島エーペックスカップです」


カナタ「NAだって……やれるんだよ……!!

伊藤にリアウイングもつけて貰えたんだ!!!

まだ終わらない...いや、終わらせない!!!!!」


桜色とレモンイエローの間を、赤い86が割って入る。その直線加速にパワーはない。

だが、咆哮のトルクバンドを外さない――それが、カナタの走りだ。


カナタ「レヴリミット……7,500までキッチリ使う……!」


吸気音が猛獣のように唸り、タコメーターが跳ね上がる。


グギャアアアアアアアア!!!!!!


若林「これは!?NAだぞ!?このパワー差の中で!?コーナーの立ち上がりだけで並んできたァァァァ!!!!」


フェルリア「トラクションとシフトタイミングだけでここまで詰めるなんて……ありえません…… それに、これは……ライン取り……?」


赤い86が、花のWRXのリヤバンパーの陰を滑るように狙う。


しかもそのアウト側、R8の旋回にすら臆さず接近――

3台が斜めに並ぶ。


カナタ「俺の走りは……“間”を生かすんだ……!!」

「86ってのは、パワーだけのマシンじゃねぇ……!!」


手に伝わるGを逃がさず、リヤの接地感を神経で感じ取る。

トルク不足のNAでも――重心移動と荷重で、WRXとR8を崩しにかかる!!


若林「これは……!!!」

「腹切カナタが!!WRXとR8の間を割って突き上げてくるうううううう!!!!!!」

「新世代のルーキー達がアクセルを踏むッッ!!!!!」


フェルリア「トルクでは勝てない。馬力でもスピードでもない。けれど、唯一勝っているのは"感覚"。 彼の86は、彼の体そのもの……それが腹切カナタ……!」



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