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86伝説エーペックス[POWER!!!]  作者: SAI
POWER!!!松島編
316/364

松島編第25話 NISSANGTR R33 V-SPEC

制作拠点を移行しました。

3月7日からはNURO光回線での制作と投稿になります。

それまではデータ通信を使用した投稿になります。

よろしくお願いいたします。


なお、松島編第40話辺りまではセリフの繋がりが非常に悪くなっています。ご了承ください。

1位 内藤セリナ(Audi R8)

2位 黒川海斗(EVOⅨ MR)

3位 古賀加奈子(BMW M3)

4位 小岩イオリ(812スーパーファスト)

5位 山吹 花(WRX STI VAB)

6位 相川美保(R33 GT‑R Vスペック)

7位 佐藤大河(Corvette C8)

8位 カナタ(86 NA)

9位 柊 蒼真(シビック FL5)

10位 岡田大成(GRカローラ)

11位 ミルキークイーン(LC500)

12位 伊藤翔太スイフトスポーツ

13位 山吹芽衣(ポルシェ911 カレラ)

14位 霧山トオル(ヴェネーノ)

15位 ジュン(RX‑7 FD)

16位 柳津雄介(BMW M4 DTM)

17位 湯川サトル(S2000)

18位 高村圭吾(フェアレディZ Z33)

19位 サテラ(EVO VII MR)

20位 坂田五郎丸ブガッティ・シロン

21位 川村修一(Kワークス)


※リタイア:相川律/クレア


この直後は

先頭:セリナ vs 黒川の再決戦


6位 相川美保のR33快進撃

7〜9位:佐藤・カナタ・柊の三つ巴

12〜14位:伊藤・芽衣・霧山の緊張状態


若林「動いたァァァァ!!!小岩イオリ!!

4位から一気に――先頭争いへ!!」


多賀城市を抜け、速度域が一段上がる区間。

フェラーリ812スーパーファストのエンジン音が、空気を切り裂くように伸びる。

それは派手な加速ではない。

“削り取る”ような速さだった。


黒川「チッ……!!また変なのが来やがったか……ッ!」


EVOⅨ MRのミラーに映る、赤い長いノーズ。

一度視界に入ったその存在は、消えない。


内藤「えへへ?でも、このアクセルさえ踏み潰してあげれば……どうかなアアアアアアア!!!!!!さっさとくたばれエエエ!!!!!激安エボオオオオオ!!!!


R8のステアリングを軽く握り直し、

セリナは前を向いたまま、楽しそうに笑う。

怖さはない。あるのはワクワクだけ。


イオリ「…ふふ。あっちもこっちも楽しそうですね..?」


812が、二台の“外”へ。

無理に割らない。

ただ、同じ速度で並ぶ。


フェルリア「来ましたね……」

「小岩イオリ、“圧”じゃない」

「存在そのもので、先頭を削りに来ています」


黒川「並ぶ気かよ……!」


セリナ「わぁ……背、長〜いね!!!

えへへッ☆でも、私はお姉さん急だよ?ポニーテールも長いし☆」


黒川「そんな話聞いてねェよクソがアアアア!!!!」


イオリ「大丈夫。取らないよ……まだまだね?」


812の位置が、わずかに前へ。

鼻先だけ。

だが、その“鼻先”が、二人の視界を塞ぐ。


若林「サイド・バイ・サイド・トライアングル!!!」

「R8・EVOⅨ・812!!三つ巴だァァァァ!!」


黒川「……先は、譲らねぇ」


セリナ「うんっ!」

「楽しいところだもんね☆」


イオリ「……いいね」

「前って、静かで」


三台が、ほぼ同時にブレーキングポイントへ。

誰も早く踏まない。

誰も遅れない。


フェルリア「ここは“我慢比べ”」

「一番“焦らない人”が、前に出ます」


セリナは笑顔のまま、

黒川は歯を食いしばり、

イオリは――何も変えない。


812が、ほんの一瞬、前に残る。


若林「イオリイイイイ!!

一瞬――トップに顔を出したアアアア!!!!」


イオリ「……言ったよね?私と花ちゃんに芽衣ちゃんののストーリーは..ここからアアアアッ!!!!」


先頭争いは、完全に三者三様。

速さ、楽しさ、そして――静かな支配。


多賀城市の最前線で、

1位から3位の景色が、塗り替えられようとしていた。812スーパーファストがR8を突き放そうとする!!


若林「そして――その後方!!」

「単独走行を続けていた山吹花のスバルブルー!!WRX STIに――」

「ミッドナイトブルーが迫るゥゥゥゥ!!!!」


海から吹き上げる夜風が、路面をなぞる。

青いWRXのテールに、深い紺色が重なる。

それは光ではなく、気配だった。


花「……後ろから、33!?あんな……古いGT‑Rが!?エエェ...なんで……あんなに速いの……ッ!?」


ミラーに映るR33。

ライン揺れない。鮮やかだ。

近づいているのに、荒さがない。


花「タイムも……」

「スープラを越えられなかったRが……」

「何故……ッ!?」


その疑問に、答えるように――

RB26の音が、低く伸びる。

セダンのディープマリンブルーの33が高く吠えだした。


美保「私の33はね……本当は、チューンすれば35よりも速いの…………ッ!!お兄ちゃんの35になんかまだ負けてないよ!!!!」


R33は踏み込まない。

だが、落ちない。

WRXの背後、ちょうど“逃げられない距離”。


フェルリア「R33……性能じゃありません。性能で理解できるはずがありません。感覚で“理解している”走りなんです。アレは。」


若林「アレってどういうことですかフェルリアさん!!!」


花「……ッ!!!」


WRXが、わずかにラインを変える。

だが、33は同じだけ軽やかに滑らかに動く。


美保「それに……今日は、海が見てくれてるから……」


ミッドナイトブルーのボディに、

街灯と月明かりが流れる。


美保「……負けないよ花ちゃん!」


花「……っ!すごく美保ちゃんから潮風と鮫と海のオーラがする.....!!絶対譲ったらおっかなくてすぐ抜かれる!!!!速いよ美保ちゃん!!!!..ただの33じゃない!!!!」


胸の奥が、ざわつく。

速さじゃない。

覚悟の違いが、背中に迫ってくる。


若林「距離が……一気に詰まったァァァ!!」


フェルリア「山吹花……今、“追われる側”の戦いに入っていますね。」


若林「R33が来てしまったアアアア!!!!!

WRX VAB!絶対絶命エエエエエ!!!!!」


山吹花「......クッッ!!美保ちゃん速い!!!」


WRXのアクセルが、少しだけ深く踏まれる。

だが――


美保「……まだ..まだこんなものじゃないでしょ?33。このパワーはまだ序の口よ?」


R33は、焦らない。

海沿いの空気と、路面の温度と、

相手の呼吸を――すべて読んでいる。


二台は、並ばない。だが、離れもしない。

スバルブルーの背後に、ミッドナイトブルーが重なる。


多賀城の夜。

青と紺、二つの“ブルー”が――

静かに、火花を散らし始めていた。


その瞬間――霧山のヴェネーノが体制を急に崩し始める。まるで災厄が起きるかのように。


若林「ん?...霧山――スピィィィン!!!!一気に順位を落としてしまうゥゥゥゥ!!!!!」


ヴェネーノのリアが、路面の継ぎ目で一瞬だけ軽くなる。

強すぎたアクセル。乱れたライン。

それまで積み重ねてきた“荒さ”が、ここで噛み合った。


フェルリア「……出力に、姿勢が追いついていますわね...?無理を重ねた結果ですね。」


霧山「クソ……!なんでボクが……ボクがァァァァァ!!!!!!!」


ハンドルを切り戻すが、遅い。

車体は一回転、二回転――

幸い、壁までは届かない。

だが、流れは完全に失われた。


若林「止まったアア!!霧山、再スタートだが――隊列はもう、前に行っている!!」


霧山「伊藤……!お前のせいだぞ、クソがァァァァ!!!!!」


その叫びは、夜風に散る。

前方では、スイフトと911が、すでに距離を広げていた。


伊藤「……」


伊藤は振り返らない。

ミラーにも、もう赤い影は映らない。


フェルリア「勝負は走りですわ。感情に飲まれた方が、先に落ちるのです!!!!

確かに霧山トオル本人の自業自得です。」


芽衣「……」


草色の911は、安定した姿勢で前へ。

恐怖はある。

だが、今は――守られている安心が勝っていた。


若林「12位争い!!」

「ここで大きく動いたァ!!」


霧山のヴェネーノが、ようやく再加速を始める。

だが、その前には、もう――

取り戻せない距離があった。


多賀城の夜。

強さを誇った車が、

乱れた心のまま、後方へ沈む。


そして前では――

静かに、正しい走りだけが残っていた。


坂田「よしゃ……今のうちだな」

「漆黒の魔王は失格の魔王になんかならねェ!!!!」


ブガッティ・シロンの巨大なエンジンが、低く、だが余裕をもって唸る。

先ほどまで抑えられていた出力が、今ようやく解き放たれた。


坂田「まぁ、勝たなくても良かったんだがな」

「今まで……様子を見てたのさ。がははのは☆」


直線で、シロンの加速が一段階変わる。

重さを感じさせない伸び。

後方にいたはずの景色が、音もなく後ろへ流れていく。


フェルリア「坂田五郎丸……漆黒の魔王が完全に“出番”を選んでいましたね。

霧山くんは墓穴を掘っていました。」


若林「ブガッティだ!!」

「ここで一気に速度を上げてきたァ!!」


坂田「お前のドライビングがな……」

「下手くそだったからだよ、ヴェネーノ」


前方、スピンから復帰したばかりのヴェネーノが、まだ隊列を整えきれていない。

その隙を、シロンは正面から飲み込む。


坂田「力を持ってるヤツほど――」

「使いどころを間違えるもんだ」


アクセルは、まだ全開じゃない。

それでも、差は一気に詰まり、そして――抜ける。


若林「坂田ァァ!!」

「ブガッティ・シロン、楽々と前に出たァ!!」


フェルリア「“待てる強さ”ですね」

「焦らない者が、最後に得をする」


坂田「……やれやれ」


前方を見据え、ステアリングをわずかに修正する。

狙うのは、さらに前。

まだ、十分に届く距離だ。


多賀城の夜。

混乱の後方で――

静かに牙を剥いた怪物が、ようやく動き出した。


そしてこのレースは、

まだ――終わる気配を見せていなかった。


若林「抜いたァァァァ!!!!」

「やってくれました――漆黒の魔王ッ!!!!」


夜の直線で、ブガッティ・シロンの黒い影が、

完全に前へ出る。

音は低く、荒れない。

だが、速度だけが――異次元だった。


坂田「……よし」


アクセルはまだ踏み切られていない。

それでも、前にあった景色が、音もなく後方へ流れていく。


フェルリア「圧倒的ですね……」

「暴力的じゃない」

「理解した上での速さです」


芽衣「……っ……!」


草色の911が、懸命に立ち上がる。

互角だったはずの出口。

だが、次の一瞬で――差が開く。


伊藤「……抜かれたか……!」


スイフトがラインを外さず、次を見据える。

追える距離。

それだけは、死守する。


坂田「悪くない」

「だが――」


シロンが、さらに一段だけ伸びる。

まるで、夜そのものが前へ滑っていくように。


若林「速い!!」

「速すぎる!!」

「漆黒の魔王、完全に流れを掌握だァァァ!!」


坂田「勝つ必要はない」

「だが……」


「通ると決めた場所は、必ず通る」


その背中を、芽衣は見つめる。

怖さよりも、悔しさが勝った。


芽衣「……まだ……」


伊藤「……ああ」

「まだ、終わってない」


多賀城の夜。

黒い怪物が一つ、前へ出た。


だが――

その背後では、

意地と意志が、確かに燃え続けていた。


若林「さあ来たァァァ!!」

「5位争いだァァァァ!!!」

「山吹花のスバルブルーWRX STI!!」

「そこに――ミッドナイトブルー!!相川美保のR33が襲いかかるゥゥゥ!!」


海沿いの風が強くなる。

速度域が一段上がり、ラインの誤差が、そのまま順位に直結する区間。


花「……来てる……!」

「真後ろ……33……!」


WRXのリアに、影のように張り付くR33。

近い。

だが、触れない。

逃げ場を消す距離。


美保「……うん」

「花ちゃん、ここ……苦手でしょ?」


RB26の低い音が、WRXの背後で揃う。

踏んでいない。

それでも、落ちない。


フェルリア「相川美保……」

「並ばない」

「完全に“追い込みの形”です」


花「……ッ!」


WRXがアクセルを深く踏む。

スバルブルーが、一瞬だけ前に伸びる。


若林「花、踏んだ!!」

「WRX、意地を見せるゥゥゥ!!」


だが――


美保「……まだ」


R33は、同じだけ伸びる。

差は、縮まらない。

削られていくのは、花の集中力。


花「なんで……」

「離れないの……!」


次のコーナー。

ブレーキング勝負。


花「……ここだッ!!」


WRXが、わずかにインへ。

守るライン。


美保「……ありがとう」


その瞬間、R33が外に残る。

無理に入らない。

出口だけを見る。


フェルリア「上手い……」

「出口重視です」


若林「おおっと!!」

「R33、出口で加速が違う!!」


RB26が、一拍遅れて力を吐き出す。

コーナー脱出。

R33のノーズが、並ぶ。


花「……ッ!?」


美保「……並んだね」


二台、サイド・バイ・サイド。

スバルブルーと、ミッドナイトブルー。


若林「5位争い!!完全に並走だァァァ!!」


花「……負けない!私は……まだ走れる!!」


美保「うん。でも..私も負けてないよ!花ちゃん!!!」


二人とも、譲らない。

音も、姿勢も、意志も。

次の直線で――

どちらが前に残るか。


若林「勝負所だァァァァ!!」

「5位を取るのは――どっちだァァァ!!!

WRXが前なのか!?それとも33が先かアアアア!!!??ブルーカラー同士の戦いだアアアア!!!!」


海の夜。青と紺の二台が、

同じ速さで、限界へ向かっていく。


この5位争いは――

まだ、決まらない。


美保「花ちゃんが桜のように刺すなら……私は…鮫のように……突き刺すんだアアアアアアア…ッ!!!」


R33の回転が、わずかに揃う。

無駄な振動が消え、音が“一点”に集まる。


ドシュウウウンッ!!!


花「…………ッ!!?ウソでしょ!?

そんなところから並んでいけるの....!!??」


その瞬間だった。


R33が、一切ためらわずに踏み切る。

早くない。だが、深い鮫に摘まれたような一撃が山吹花とスバルブルーに降りかかる。


RB26が一気に息を吸い込み、

ミッドナイトブルーの車体が、

水を切るようにWRXの横へ滑り出る。


若林「出たァァァァ!!!相川美保!!

一気に距離を詰めたァァァ!!」


フェルリア「迷いがありませんわね……“刺す”ラインを、最初から決めていましたわアレは。」


花「……ッ!???」


WRXが反応する。

アクセルを踏み直す。

だが――気づいた時にはもうR33は鮫の如き速さで前を狙い澄ましていた。


美保「……遅いよッ!!!!」


R33は外でも内でもない。

花の“逃げ場の真ん中”を、正確に突く。


花「そんな……!ここ……高速域の四駆にとっては踏めないはず……!中速コーナーなのになんで ….」


路面の継ぎ目。横風。

WRXが一瞬だけ、姿勢を整えるために力を使う。


その一瞬。


美保「……今だアッ!!!!!!」


R33のノーズが、完全に前へ。


若林「前に出たァァァァ!!!」

「相川美保!!5位を奪ったァァァ!!

WRXが後ずさるウウウ!!!!!!」


花「……ッ……!美保ちゃんやっぱり強いね〜...でも、私もこのままで終わらせないから??」


相川美保「へー!いいねー!!その意気、花ちゃんらしいよ!!!でも、海は人が思ってるよりも広いんだよ〜??」


スバルブルーが、半車身遅れる。

追おうとするが、

R33はもう“捕食後”の距離にいる。


フェルリア「これが……相川美保...深海のジャベリンの走りなのでしょう。

前の高速域から一気に限界ギリギリのぶつかりそうなラインから見事突き刺しましたね。

まさに深海のジャベリンでしたね。美保ちゃん、計算上手いです。完璧でしたね....」

「..追い詰めて、逃がさず、一気に終わらせる。

Rはこれに尽いていくのです!!!!」


美保「……ごめんね、花ちゃん」

「でも……海の狩りは……決めたら、終わりなんだよね..」


花「....ッそんなこと!!!!」


花は前を見る。

悔しさが、胸に刺さる。

だが――折れてはいない。挫けようとしてもスバルの足は、全く挫けることもない。


花「……まだ……」

「終わってない……!」


R33のテールランプが、夜に揺れる。

ミッドナイトブルーは、もう迷わない。


若林「5位争い!!」

「決着――ついたかァァァァ!!!」


海沿いの夜。

桜の刺突はかわされ、

鮫の一撃が――確かに、突き刺さった。


だが、

この二人の物語は――

まだ、終章ではない。


若林「バトルする暇もない!!」

「やはり強かったァァァァ!!!」

「大らかに見せかけて――」

「鋭い鮫の牙のように突き刺すR33 GT‑R!!」

「いつの間にかWRXから――大幅リードォォォォォォ!!!!」


スバルブルーが、じわりと遠ざかる。

無理に引き離したわけじゃない。

ただ、同じ速度で走り続けた結果だった。


フェルリア「まさに……走る鮫ですね……」

「でも……」

「サテラさんとは、違う」


ミッドナイトブルーのR33は、暴れない。

牙を剥かない。

ただ、静かに、確実に――前にいる。


フェルリア「優しい雰囲気の……鮫」

「それが……美保さんの33と、彼女自身なんです」


美保「……」


アクセルに、余計な力は入っていない。

ハンドルも、修正は最小限。

“正しい場所”を、正しい速さで通っているだけ。


美保「……追われなくなったね」


ミラーの中で、WRXはもう小さい。

それでも、美保は気を抜かない。


美保「でも……」

「海は、油断した瞬間に――噛むから」


R33の回転が、さらに整う。

無理をしていないのに、

速さだけが、増していく。


若林「速い!!」

「これは……差が縮まらない!!」


花「……ッ!!!!」


WRXの中で、花は前を見る。

悔しさはある。

だが――恐怖はない。


花「……やっぱり……追いかける側の方が……似合ってるのかな?私....」


スバルブルーが、再び踏まれる。

まだ、終わりじゃない。


フェルリア「花さんも……折れてはいませんわね..?花さん次第です。」


前では、ミッドナイトブルーが、夜の海と溶け合う。


若林「5位争い!!」

「勝負はついたかと思われたが――」

「まだ、物語は続くゥゥゥゥ!!!!」


多賀城の夜。

優しい鮫は、静かに先へ進み、

桜は、再び咲く機会を待っている。


そしてレースは、

次の局面へ――確実に、動き始めていた。


美保「……ね、花ちゃん」


ミッドナイトブルーのR33は、すでに自分のリズムに戻っている。

追うでもなく、逃げるでもない。

ただ――前へ進む走り。


美保「さっきの刺し方……」

「嫌いじゃなかったよ」


その声は、挑発じゃない。

称賛に近い、柔らかさ。


花「……ッ」


スバルブルーのWRXで、花は奥歯を噛みしめる。

悔しさが、胸に熱を残したまま。


花「……ありがと」

「でも……」


アクセルを踏み直す。

回転が、もう一段上がる。


花「次は……」

「私が、刺す番だから」


WRXのノーズが、再び前を向く。

距離はある。

だが――気持ちは、離れていない。


フェルリア「いいですね……」

「互いを認め合っているからこそ、走りが澄む」


若林「言葉は少ない!!」

「だが、意志はハッキリ見える!!」


二台のブルー。

ミッドナイトとスバル。


それぞれ違う色、

それぞれ違う走り。


だが――

どちらも、本気で前を見ている。


5位争いは一度決した。

それでも、

この二人の“勝負”は――

まだ、終わる気配がなかった。

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