第3話 オープンカップ
2025.6.22
大きな部分で描写の追加や修正しました。
カナタが初めて86を手に入れて赤いマシンが峠を駆け回る。
走りの帰り道のカナタの家の近所までやってきた。
辺りは、森と川と町に包まれた世界観だ。
福島県船引町。R288沿いの高速コーナーをカナタが86で下りきったすぐの場所だ。
伊藤「お前、こんな山奥に住んでたんだな......」
カナタ「まぁね......。あんまり人に見られたり笑われたくないからさ......。」
カナタ、わかるよその気持ち。
俺もその86載ってた時はどうせ遅いだろとかアンチに馬鹿にされていたんだよな......。
......だけど、強くなった自分が今いるのは......その時の経験もあるからなんだよなーー。
もどかしいんだよ、現実ってよッーーー。
その時だった。
珍しく見慣れない荒廃しているかのよなコンビニを86に乗っている二人は見かけるーー。
カナタ「あそこ!いこうぜ!コカ・コーラの自販機もあるからカルピスもあるぜ!」
伊藤「ああ!でも、コンビニの中も見たいな!!...というより商店!?
...コンビニって書いてあるんだよな。」
夜を照らす小さな看板にはコンビニと書いてある。
カナタ「YAMABUKI MORTORZ......?」
伊藤「おっ!中は光あるな!24時間らしいから入ってみようか!!」
そして、二人はまるで現代のゴーストハウスのようなコンビニに入っていった。
奥を見ると建物が黒ずんでいる......。
たいしたアレもいないようだが.....。
そこにドリンクの品出しをしていた少女が声を2人に掛けてきた。
見た目が草の色をしたかわいらしいツインテールに猫耳の女の子。小学校高学年ぐらいの身長だ。
店員「いらっしゃいませー。あの86.....カッコいいですね、、、。」
カナタ「はい、、、でも結構ボロボロで。」
店員「走ってるとこ見ました。ここのコンビニは車関係の情報多いんです。
どうぞ、ゆっくりしていってください。」
そう言われると二人はコンビニを回った。これ、コンビニか?と伊藤が思うくらいのまぁまぁ広いコンビニだ。しかし、品揃えはコンビニとしても違和感はないくらいだ。
奥には車のグッズがある。そこで見つけたキラキラの86のエンブレムがあった。商品棚から取り出して小さなかごに入れる。
更に奥にはありえない光景があった。
中古車販売店よりも安い値段でスポーツカーが売られていた。
伊藤翔太は、その薄暗いコンビニの奥のガレージに足を踏み入れる。
そこには、一台のまばゆい黄色いチャンピオンイエローが輝くスイフトスポーツがスポットライトに照らされていたーー。
伊藤「...これは......」
まるで宝石のように輝き、息をのむ伊藤。
FFでスポーツ?それでもこいつには確かに魂があると信じた。
彼は、ゆっくりと車の周囲を一周し、細部までなめるように見つめた。
驚いた二人にピンク髪のショートヘアが揺れる中学生くらいの背の高さの店員さんが見守りながら地下fづいてきた。
彼女のピンク色の髪と赤い瞳がきらりと店内に輝く。
店員2「こんにちは~?ここの店員してまーす☆」
カナタ「あのー、、、ここって...」
店員2「あー!これ?スポーツカー販売してるの!ちゃんと動くよ-?エンジンかけようか?」
パパパパアアァァァァァァァァァンッッ!!!!!!!!
そこにさっきの店員が慌てでもなくサバサバするかのようにではあるが、まるで風のように駆け込む。
店員「姉さん、言い過ぎ。まぁ、20万は本当ですよ?
どうします?買ってみます?」
伊藤「よし!買った!!乗るぞ-!!」
伊藤が喜ぶたびに店員2さんの顔がだんだんしおらしく感じる。とてもかわいらしい表情だ。ふたりとも女性店員みたいだ。そして、店員がカナタによってきた。彼女からは風と草のハーブのような薫風かのような匂いがした。
店員「あなたの86,いつか乗せてーー」
そう言われた。そして後にこれが伏線になるとも二人は知らなかったーー。
そして、ピンク髪の店員2さんがカナタにチラシを渡した。
店員2「ーー86のオープンカップのチラシだよ?決勝しかないけど賞金ももらえるんだよ~!」
ひゃっ、、、この女性の店員さん。ケモミミでコスプレしているのに顔もいい。
伊藤はそう感じた。
ちなみに、後に店員と店員2はカナタと伊藤の前に立ちはだかる好敵手担っていく。
ーーさらに、その奥も手強いライバルが構えていることをまだ二人は知らないーー。
オープン化ぷのチラシに86のエンブレムも伊藤のスイスポもサービスしてくれた。
店員「あ、そうだ。まって!
さっきのスイスポ見せるよ。買ったんでしょ?
ついてきて。86のひともーー」
そう言いながらカナタと伊藤、店員2人で再びコンビニ奥にある古びた小さく感じる
ガレージに向かうのであったーー。
スイスポの音が鳴り響いてく。まるでその夜を一人が支配下に置いているようだった。それでも伊藤は楽しそうにスイスポを走らせていたーー。
ワイディングをスイスポが綺麗に厳かながらも反応する。音もよく吹けているしトルクも悪くない。彼は少しアクセルを煽る。
伊藤「すげぇ……こいつ、“オレの考えの半歩先を走ってる”みてぇだ……!
チューニングしてねぇのに……“こんなに自由に走れるのかよ”……!....してねぇんだろ!?」
次回第4話 140馬力の獣