第17話 環境破壊の暴君
その背後から店に新たな客が入ってきたーー。大柄な男だった。
ピコンピコン!!......
岩永「.......オレは岩永アキラ。ちょっと聞きたいことがあるんだが、冷却スプレーとハイオク仕様のエナジードリンクにECU初期化装置にタイヤ専用の超粘着スリップジェルはあるか?」
その瞬間、呆れたようにピンク髪のケモミミコスプレ店員が岩永というやつに声を掛ける。さっきまでの明るい彼女とは違う感じに。まるで怒りを隠し持っているかのように警戒しながら岩永に伝えた__。
店員2「ーー...店内奥の棚にあります.......。だけど、使用用途によっては販売をお断りする場合がありますからね__。」
岩永「いや、ジェルはこのまえ泥道走っちゃってさー...。それを取り除きたいんだー。だめかな?」
伊藤「なんだコイツ?」
岩永「ーー!お前らか....次回のエーペックスの福島戦線から出る岩永アキラだーー。」
腹切カナタ「ハラキリ...カナタだぜ。」
伊藤「伊藤翔太__。」
そして、怪しいことをしないかひとりカウンター側で見守っていた_。
店長「この人........危ないね......。でも、今は見届けるべきだとおもうよー......」
そして、その岩永は去っていった......。
いつのまにか岩永のことも忘れていった......。
そこに店員2が話しかける__。
店員2「あとふたりに言わなければいけないことがあるの__。
次回の決勝からは、全員グリッド入った後、くじ引きをやるんだってーー」
カナタ「くじ引き_?」
店員2「うん、その番号はレーサー分表示されていてね...。
その中で外れを引くと5秒のマージンと20キロ制限で最下位からスタートするの......」
伊藤がにやけてみんなに話しかける__。
伊藤「おもしろくなってきたじゃん!」
ピンク髪の店員がふたりをみつめて体ももじもじさせる。
店員2「あとさ__今度、伊藤くんちに遊びに行ってもいい?」
店員「うちもいきたァーい!」
伊藤がアタマに疑問文ができたように言う。
伊藤「あぁ.....いいけど」
ーーーそして、第2戦のときがやってきた!!!
天候は快晴!路面は乾いてフラット!
グリッドに着いた直後、伊藤に急に話しかけられた。
伊藤「あのさ、カナタ」
カナタ「なに?」
伊藤「お前、本気でプロ目指すのか?」
カナタ「あぁ、やれるだけはね__。」
伊藤「だったら__。俺なんかに負けるな......!!
次こそお前を先にチェッカーを取らせないッ!!!!!
絶対に頂点に行くのは俺だァァ!!!」
焦りを隠さない伊藤にカナタが優しく接する。
まるで肩をやさしく撫でるように。
カナタ「待ってる__。今日も勝負しよう。
....オレの86伝説はここからがスタートなんだから......」
山吹花「岩永.....!なにかする気だな.....そう思う。さらにはあの黒いNSXもいる__。
そして、黒川....!!この試合、ハラキリカナタは___。」
店員2「はいはーい☆閉店するのでーー独り言は外でしてくださーい??」
次回 第18話 須賀川ロータリーの混乱戦