第15話 絶対王者
腹切カナタと伊藤は初戦の本宮ターンパイクスを後にして、
再び船引の山奥のコンビニに赴いたーー。
あの子にお礼が言いたいーー。
ふたりはそう思いコンビニのドアを開けようとするとコンビニの名前が見えたーー。
YAMABUKI MORTORZ.......。
それをチラっと見た二人はスライドドアを開いた。
店内は相変わらず荒廃したコンビニのようだったーー。
そこにあのときの店員が二人の前に姿を表したーー。
ピコンピコン☆☆
店員2「あー!やっほー☆いらっしゃいませー!」
カナタ「あ、あのときのー...ありがとう。君だったんだよね?ゴール前で路側帯で応援してくれてたのって......。」
店員2「.......」
店員さんはものすごく頬を赤らめていた。
相当恥ずかしかったのだろう。
その時だった。
バックヤードからネモフィラ色の萌え袖を着ているかわいい女の子がきた。
とてものんびりしたような雰囲気だったーー。見た目は...高校生くらいの子だったーー...
店員2「あー!紹介するね!うちの店長さん!」
カナタ、伊藤「はい?_このコが店長!???」
店長「ふぁーぁ...きみたちがうちの店員と仲良くしてたのー?
うちが店長だよー...よろしくー☆」
その雰囲気と声はとてもやさしくのんびりとしていたが彼女の背中はとても恐ろしいオーラを浴びていたーー。まるで背中には氷刃のような雰囲気しかなかったーー。
店長「あー、きみ...伊藤くんじゃーん☆」
そう言うと店長が伊藤に向かって握手したーー。
彼女の手はとても冷たかったーー。まるでドライアイス以上の...氷でもない雪?のようなものを握っているようだったーー。
伊藤「.......冷たッ!!!!」
店長「うへーごめんねー。うち、普段は冷凍室で仕事してるんだー......。」
店員2「そうそうー!店長さんはいつも冷凍室でウォークしてるんですー!」
※ウォークとはコンビニ店員が冷凍室でドリンク補充する仕事だよ!
そして奥のガレージから緑色の髪色の店員が再びやってきた。
店員「あ、きみたち。なにかいいもの見つかった?」
店長「あー?それならー極寒スライダーシートクーラどう?」
「ちょっと冷たすぎるって噂らしいけどー?夏場には最適だよー?」
カナタ「なにそれ!!?絶対使ったらやばいやつだよね!??」
そこに伊藤がカナタの腕をつつく。
伊藤「おい...カナタ。あれって86とスイスポのエアインテークじゃねぇのか?」
カナタ「ホントじゃん!本気のやつだな...!このタイプのは給排気性も抜群で高いんだよなー...それがこの値段...!?」
そこにピンク髪の店員さんがにこにこしながらこっちに声をかけてきたーー。
店員2「ほぉー?ひょっとして...君たちそれほしいのー?」
その商品を店長が持ち上げる。
店長「じゃーーん☆エアインテーク付きサイダーだよー!!スカッと弾けるおいしさと吸気音ー!いやーおじさんもとろけちゃうんだよねー♡」
カナタ、伊藤「へ?.....おじさん?女の子なのに?」
いやいやいやいやまてまて。
こんな萌え袖女の子がおじさんなわけあるかよー......。
伊藤「店長さん!今ーーー」
店長「おじさんだよーえへへー☆」
店員2「あー、このヒトいつもおじさんって言うのー。」
店長「いやー、しばらく冷蔵庫にいようかなー?後1000年眠ってようかなー?」
カナタ。伊藤「1000年_!?」
その時だったーー。
爆風で黒いNSXがコンビニ沿いの国道を駆け抜けていったーー。
店長「......速い!!」
カナタ .....!??速いぞ!あれ!!!!今まで見た中で一番....更に速い!!!
窓を切り裂くぐらいの衝撃が店内に走り続けるーーーー!!!!
次回 第16話 絶対王者2
店長「おじさんの車はまだみせられないねーうふふ♡」
店員2「店長さんと私のデビュー同じくらいだったねー...本気はまだ先だけど......。」