第120話β(ベータ)突っ込んでいケ
腹切カナタの紅いトヨタ86に山吹花のWRXが接近中ーーー!
『ゴオオオン』という音と共に両車ボクサーエンジンを鳴らしながらラインをあとして少し膨らんでしまう。
並んできたのは山吹花の青いWRX。
まだ手加減をしている山吹花だが、
とうとう紅い戦闘機に外から並んできた。
この先は、きついヘアピンが山ほど待ち受けている。両車ともラインがうまく取れず膨らみながらヘアピンへと突っ込んでいくーーー。
山吹花「負けられないんだからアアアアア!!!!!」
カナタ「クッ!!!」
伊藤「......マジか!!?」
山吹花のWRXはハンドルを切り返してギリギリまでガードレールスレスレで通っていったが、カナタの86と伊藤のスイスポは膨らんでいき二人は思わずブレーキを踏んでしまい、ほんの僅か失速してしまう。
山吹花「何とかコーナーを抜けた…」
カナタ「クソ…膨らんでしまった…」
伊藤「何とかしてでも前へでなければ!
......この先も進めないッ!!!!!」
3台はコーナーを膨らみながらも抜けていった。
先に待ち受けるの壮大なるダウンヒルの連続コーナー。
山吹花「この先はキツイダウンヒルの連続カーブ…そこで仕掛けれれば!イケる!!!」
カナタ「多分WRXは絶対にこの先の連続カーブで仕掛けてくる!なんとしてでも死守する!!!」
伊藤「オレのスイスポでコーナーを曲がれる!!!」
3台がストレートに飛び出していく。
加速で引き続きWRXと86がリードしていく。目の前に山奥に囲まれた中にある住宅街が迫っていた。
400メートルの住宅街ストレート区間。
魂のぶつかり合いが続いていたーー。
山吹花「水平対向エンジンが激しく交差し合っている......!!
ここから先の区間!!!
絶対に逃げられないわよ!
腹切カナタくん⭐︎」
カナタ「さっきよりもWRXが張り付いてきている......!いけるところまでいくしかないかッ......!?」
「なんとかして振り切りたいーーッ。
こんなに運転しやすいのにパワーがこんなにも無いと感じるのはこの試合が初めてかもな......」
腹切カナタと山吹花。
二人の気持ちがまるで通じ合うようにボクサーエンジンを響かせていく。
深夜の住宅街を強い轟きで鳴り響かせていく。
山吹花「いけるーー!
突っ込んでいけ......ッ!
私に負けられるモノなんて
ーー無いんだからアアアアア!!!!」
その瞬間だった。
青い電撃のWRXが疾風の追い風が舞うように紅い戦闘機にさっきよりも鋭いパワーの立ち上がりと加速で追いついてきた。腹切カナタがジリジリと食いつけず離されていく。
抜かれるーーーッ!!!!
カナタ「ッッ!抜かれた!?」
伊藤「さすが…スバル魂だな…。
コーナリングも圧倒的だ。」
さっきよりも鋭い加速......。
本物の走り屋のように鋭くボディを振り加速していく......!
これがスバルという最強かーー。
山吹花「これが…走る青い電撃の桜狼の戦闘機......ッ!!!」
ハイパワーターボ...これがインプレッサシリーズの醍醐味でもあり歴史......!!
大柄で可愛くてーーでも時には守るために凶暴な狼の野獣にもなってくれる!
...私のWRX STIは唸る狼ッ!!!
抜いたら簡単には抜かせないーーーッ!!