お月様からの通達
「ウェネト様。して、ご用件は??」
「御三方、ここ最近のこの星の異常な暑さについてのお話されていらっしゃいましたよね?」
「はい。」
「実は、それには根本的な理由がありまして。最近この星の軌道を月から見てみるとあの空に浮かんでいる光り輝く星がだんだん膨張していましてね。」
「なるほど?」
「ですから、年がら年中暑くなっていませんか??」
「はい。そうですね。私は冬の暖かさは、てっきりここにいるお二方の冷気が足りないからと思っていましたけど。。(チラッ)」
「へ。。そうおもわれてたの?私の体温は一年中ずっと絶対零度に保ってるのに。。」
「そうですよ。リュツィフェール君。こっちはずっと同じ体温のままですし、関係ないですわ。」
「そういうものなのですかねぇ。ウェネト様、有益な情報を教えてくださって本当にありがとうございます。」
「とんでもない。お互い助け合ってなんぼのものですよ。」
こうしてウェネト様は会合の盛況の中へと戻って行った。
「お二方どうしましょう。私は、ちょっと宇宙に行ってきたいと思います。」
「「いってらっしゃい」」
フユゥオン
僕は、地球からも月からも離れた惑星系全体を見られる場所まで瞬間移動した。
。。。なるほど、やはり、あの光輝く星が暖かさの元となっているのか。しかし、本当に私たちの星は複雑で幾何学的な形をしている。
しかし、どうすれば良いのだろうか。確かにあの恒星は膨らんでいるのかもしれない。ウェネト様のいう通りなのかもしれない。
会合を開いている今がこの異常を治す時期にピッタリだ。そろそろ戻ろう。
フユゥオン
「ただいま。」
「おかえり。どうだった?」
「そうですね。この星はかなり複雑な形をしてますね。この前、私たち魔族でこの星の地図をできるだけ正確に書いてみたのですが、大きく平面になった部分は、リヴァイアサン様とヨルムンガンド様が住んでいる寒海底海と暖海底海に接している土地のみだったのが証明された感じです。」
「やっぱりそうなのですね。ここから自分の領域に帰るときに、もし通りたくても、人間界は通ることがめんどくさいところにあるのですもの。。」
「はい。人間界はかなり狭く、稲荷様とメドゥーサ様が現在お住まいになっている極北極、極南極とは一番離れたところにあります。」
「それは面白いですね。」