魔王凱旋(回想)
しかしながら、僕の魔力放出がそこまで被害をもたらしていたとなると、考えものだ。どうにか、テレパシーでも覚えとかなければならない。
?!!
そういえば、僕が300歳くらいの時、一度、人間界に入った時があった。あの時も鷲狩りで失敗してしまい、虹引鷲を連れていた。その日はひどく暑く、下駄を履いて出掛けていた。
白を基調とした立派な城。何かよくわからない像がついた噴水と綺麗な広場。きちんと整えられた道とそれに沿った木々。
こちらの世界に劣らず、よく整備されていた。
僕が順調に見物し回っていたときだった。
「君!珍しい鳥を持っているね。それをわしに譲りなさい。」
見た感じにやばいおじさんが話しかけてきた。
宝石が散りばめられ、変に金ピカに輝いた帽子と杖、赤いマント以外になにか着けているかと思ったらパンツ一丁だ。
後ろでは、仕立て屋か何かが「よくお似合いですよ」とか言っていた。
周りにこのような格好をしている人は、一人もいない。おでこを床につけ、いかにも自分の視界にその人が入らないように頑張っている人々がいるばかりである。
僕はこの人がヤバい人だと察した。
ブンっ
僕は咄嗟に鷲を庇った。下駄を履いていたため走って逃げられなかったのだ。何も起きないのはよく知っていた。僕と鷲は引き剥がされてしまうのだ。と。
しかしだった。やばいおじさんの声は聞こえなくなった。恐る恐る前を再び見ると、後ろの立派な白城に星形の穴ができていた。そして、やばいおじさんは目の間には存在していなかった。
虹引鷲がつぶらな瞳でこちらを見ていたのが記憶に残っている。
僕は、その時何か天の助けが来たのかと心から神様に感謝したのだった。
しかし、それも先ほどの話を聞いていると違うのかもしれない。
本当は、自分の振り向いた勢いでそのおじさんが飛んでいってしまっただけなのかも。。
しかし、今はそのような考え事に悩まされているわけにはいかない。今は、200年に一度の大会合。ぼんやりしていたら殺されてしまう。
頑張って神話系の生物を探しています。が、107匹も探せるか、少し不安です。
なんとかやって見ようと思っています。次の更新は遅くなると思います。申し訳ありません。