少女の秘密
「ふっふっふっ。まずは第一段階突破!です!!」
アタシは自分の部屋に戻り1人つぶやきました。ぶつかった扉は痛かったですが、それを引き合いに春樹くんのサポートを得られたなら、まさに怪我の功名というやつですっ!
これは、1年くらい前に遡ります……
『次の方ー!』
アタシはアイドルグループ、Starlightに所属しています。それなりに人気も出てきて、ファンも増えてきました。そんなアタシはいつも通りの握手会の会場で出会ったのです。
運命の人に……!!
「あ、あの」
「??」
「いつも応援してます!!これからも頑張ってください!!」
「ありがとうございますー!」
それは、普段と変わらない一ファンだったはずなんだけど、アタシは心惹かれてしまったんです。
いつも年上相手ばかりしていたからでしょうか?
同年代のファンの人がいることに驚きもしましたけど嬉しかったですし、だからこそコロッと気持ちが堕ちたのかもしれません。
彼は、その後も定期的にイベントに来てくれました。だから、自然に認知していくことができた。
その裏ではこっそり住所とか把握してたんだけど……それはナイショの話!
まぁ、そのおかげで彼の家のお隣が空いていることもしれたし、セキュリティ面も問題ないお家だったから、事務所の代表をうまく丸め込んで今に至る!というわけです!
「えへへ……春樹くんをアタシのものにするためにこれからも対策を練らなければっ」
アタシは、決意を新たにしつつ隣にいる春樹くんを想ってニコニコするのでした。
「んんっ……なんだか寒気がしたけどなんだ?」
急に体を襲った寒気の正体に僕が気付く時は来るのでしょうか……
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