アフリカの星
大都会の飲み屋にて
吞兵衛「水」
ガール「うちには・・・」
吞兵衛「氷」
ガール「そのへんに・・・」
吞兵衛「バケツ」
ガール「溶鉱炉から」
吞兵衛「お代は?」
ガール「ちょうだい」
吞兵衛「おれは・・・酔ってんの!」
ガール「自分が酔ってるのかと?」
吞兵衛「酒はねえんだろ?」
ガール「無いものは無いです」
吞兵衛「ジュース」
ガール「飲みたいな」
吞兵衛「オレンジ」
ガール「指を鳴らして」
吞兵衛「いてえ 指が」
ガール「Gが違う」
吞兵衛「どこの星だよ!」
ガール「地球の裏」
吞兵衛「裏?」
ガール「うちの屋号は おもみ千の星 ですよ!!!」
吞兵衛「いけすねえ 家を出て 一時の星なんだろう」
ガール「はい炭素冷凍されて 光速でひと時 です」
吞兵衛「飲みすぎた」
ガール「何も呑んではいないかと」
吞兵衛「ウオッカ 三本」
ガール「どちらで?」
吞兵衛「区役所の前」
ガール「どちらの?」
吞兵衛「鼻が1メートルぐらいの・・・パオーンの声が小さくて、言ってることがわかんねえ奴がいる所だよ」
ガール「あたしも」
吞兵衛「そうだろ」
ガール「まったく」
吞兵衛「まったく?・・・俺はそれはねえ」
ガール「そういうことも・・・あるでしょう」
吞兵衛「つれないねえ」
ガール「はい。おもてなしの方法がわからないです」
吞兵衛「そんなの適当でいいんだよ」
ガール「皮は・・・食べられます?」
吞兵衛「落とすときもあるな・・・哀愁だな」
ガール「水は・・・」
吞兵衛「がぶ飲み・・・有ればな」
ガール「無い時は?」
吞兵衛「渇いてきて、横になる」
ガール「いつ頃?」
吞兵衛「あっつい時だな」
ガール「飼育の人は?」
吞兵衛「いねえよ」
ガール「飼われていない?」
吞兵衛「飼われるか!そんなもん」
ガール「野生で?」
吞兵衛「野生とかワイルドか言われるな」
ガール「ケガは?」
吞兵衛「ほっときゃ、なおんだろ?そんなの」
ガール「治りが悪くてケガが大きくなったら?」
吞兵衛「大事だな。事件だよ事件」
ガール「やっぱり他のやつにやれたら・・・やり返します?」
吞兵衛「怒れてくるからな」
ガール「怨恨やつですか?」
吞兵衛「難しい奴は そういうな・・・」
ガール「では・・・かくれて・・・やる?」
吞兵衛「かくれて・・・しねえよ。ドンだよ・・・ドンだよ。 そんなもん」
ガール「やらない方がいいと?」
吞兵衛「やらない方がいいだろうな?でもな・・・若くて血気盛んだとよ!意味なく、ドンてやっちまうよな・・・」
ガール「抗争ですか?」
吞兵衛「集団てこと?」
ガール「はい」
吞兵衛「みんなの気分次第だな」
ガール「じゃあ。なるべく平和に・・・」
吞兵衛「そうなれるといいな」
ガール「頑張れば。絶対そうなります」
吞兵衛「ああいいな。ここ。また、くるよ」
ガール「こんどは、いろいろ、用意しときますね」
吞兵衛「ああよろしく」
ガール「またの、お越しをお待ちしております。」
吞兵衛「ああ空気が美味しいな」
後ろ背に
手を振って
若女将は
象を見送った