メルヘン症候群
夢を見た。
辺り一面の花畑。
わたしはその花の群れの中、一人佇んでいる。
なんて綺麗な花だろう……。
一点の汚れもない、蒼白の花。
まるで×のよう。
美しい花を前に、わたしはうっとりと目を細めた。
わたしは花に囲まれながら、くるくると踊りだした。
そして屈み込み、手をとるように薄い花弁を掬い上げ、そっと唇を落とした。
わたしはその花を手折ると※の香りがした。
あまぁい蜜の香りのよう。
手折った花から蜜が溢れ、腕を伝い流れる。
わたしはその蜜を舐めとった。
それはそれは、とろけるように甘い※の味。
花畑を抜け出し、小高い丘の上。
大きなおおきな、立派な木が一本。
とても美味しそうな実がなっている。
○くらいはある、大きな果実。
夢の中は自由。
だって空も飛べるから。
ふんわりと浮かび上がったわたしは、木になっている実をもぎ取った。
手にした実と木の枝から、またあまぁい蜜が滴る。
その蜜に誘われるように、わたしは果実にかじりついた。
なんて美味しいんだろう!
熟した柘榴を思わせる。
これが■の味なのかしら。
ふわぁり、ふわぁり
蝶々が飛んでる。
たくさんの蝶々が飛び交うなか、わたしは蛹を見つけた。
きっともうすぐ産まれるのね。
わたしは蛹にそろりと近寄って、慎重に切目を入れた。
はやく蝶々の姿が見たくて、わたしは蛹のなかに手を差し入れた。
あたたかい。
わたしはその中身を引っ張り出した。
あれ?
蝶々じゃない。
まだ早かったのかな。
ピンク色のアオムシが眠たそうにしていた。
わたしはアオムシにごめんね、と謝りながらからっぽになった蛹の中に戻した。
●みたいに長くてピンク色のアオムシは、すっかり眠りこけてしまった。
わたしの散歩は続く。
こんなに楽しいこと、他にはないもの。
まるで夢の中みたい。
あれ?
あっ、そうだった。
これは夢の中のお話なんだっけ。
だったら、もう起きなくちゃ。
ママに怒られちゃう。
パパはもうお仕事行っちゃったかな。
よしっ。
朝は元気よく!
おはよ、 赤
赤 赤 赤
ぇ、ええ?
赤、赤、赤
あっれ、おかしいな
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
なんでぇ?
赤、
赤、
赤、
赤
赤
赤
赤
赤
赤、
これはもしかして、
※?
ああこれは
血血血血血血血血血血赤い血血血血血血血血血血血血血血血血血血の赤血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血だらけ血血血血の血血血血血血血血血血血血血血血血血血赤赤血血赤血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血・・・・
なんでなんで
どうして よ
ああ
嘘、
でしょう……ねぇ
誰か、
パパ、ママ
どこ!?
「ひああぁああああぁぁぁぁああああああ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!」
真っ赤な血まみれの塊があれはパパだったものの抜け殻のようでお腹がぱっくりと裂けて飛び出した腸は半分くらい出して入れてあれどこかで知らない赤だらけでママはとなりにあれママなのかな女の人の身体だけ頭ない無いないよそばに転がってたぐちゃぐちゃで怖いよ手が手が手があああないよ折れて落ちてる血だまりのなかに
咲いてる、よ
夢じゃなかった。
狂った文章書くのは楽しいですね。感想お待ちしてます。