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ミーハ村で大惨事ですよ


残る夜這いメンバーは虎戦士のみ。

「ベスタはどうした?」

「虎戦士さんでしたらクラリオ騎士が相手をしているはずです。」

俺が教えてやると、まずーい顔する人狼と女豹。

「破壊剣士さまと?」

「アイツ、戦い始めると夢中になるから…」

「まさか、【畑】に踏み込んだりしないわよね…」

顔を見合わせる二人。

「そ、それでは失礼いたします、妹さま。」

あわてて出ていく二人。

いやいや、一応、女騎士も帰って来てないんで。

アンタたちだけ行かせるわけにはいかないんですけど。

俺とデイエートも顔を見合わせると、二人の後を追う。

あーと、そこに転がってる触手をどうしよう?

まだ、ぴくぴく動いてるんですけど? 

とりあえず氷雪虎スノーレパードで凍らせとこう。

…解凍したら復活したり…しないよね?…まあ、いいか。


ミーハの戦士二人とともに向かったのは村長宅の裏。

塀に囲まれた場所。何だここ?

野獣避けの逆茂木とかは無いけど、立派な塀だ。

村の周りの柵より立派だぞ。目隠し?

トランプがメキシコ国境に壁を作るってね。Hey!(塀!)

とかUSA?ギャグを考えつつ近づくと…

破れてる! 幅2メートルくらいが突き破られた感じ。

「あちゃー!」

人狼戦士シマックさんが頭を抱えた。

「あー! あのバトル馬鹿!」

女豹戦士ウェイナさんも天を仰ぐ。

破れ目から中に入ると…何だここ? 


2/3くらい土に埋められた桶? 一面にずらりと並んでいる。

その桶から樹が生えている。

生えている? いや、吊るされているぞ、この樹。

桶の周りに杭を立てて、その杭にロープを掛け、そこから吊るされてる感じ。

杭の先端には滑車?

根っこの部分が桶の中に…桶の中は水?

水耕栽培か!? もしかしてこれがソープの樹?

「たすけてー! ウェイナー!!」

虎戦士ベスタの声だ!

「あああ、アイザック殿ー! 助けてー!」

ポンコツ女騎士の声!

何事だ!?

声がした方に駆けつける。

一箇所、杭が倒れ、吊るされた樹が落下。

その拍子に桶からはみ出してむき出しになった根っこ。

その根っこが…絡み付いているのは二人の狂戦士。

戦いに夢中になって周囲が見えなくなっていたらしい。

ああー、女豹戦士が使っていた触手…この樹の根っこかあ…

そして、触手プレイ! にゅるにゅる。

「ああ、いやあ、らめえー! ヌルヌルいやー!」

悶絶、虎戦士! 見た目に反してあえぎ声がカワイイ。

「う、ふうん! や、くふう! んんーぅ! だめ、だめぇ!」

うーん、いい感じだ。興奮する!

「ほげえぇー」とか「ひぎぃー」とかは人を選ぶからね。

「また【事故】の犠牲者が…」

人狼戦士がつぶやく。これが【事故】!?

もう少し、虎戦士のいい声を聴いていたかったが。

女豹戦士がすがるような目で俺を見てきたのであきらめる。

この樹、けっこう育てるのに手間がかかっているんじゃないかな?

なるべく傷つけないようにしたいが…

ヒートハンド! じゅっ!

ビクッと弾かれたように根っこが離れる。ビクンッビクン!

何度か繰り返して引き剥がしていく。

俺の体にも巻きついてきた。ヒートボディ「弱」!

体全体を熱っついお風呂程度に加温する。

江戸っ子ヒート! てやんでえ、べらぼうめ!

すっとこどっこい、おとといきやがれ! 唐変木のこんこんちきでい!

これが効いたらしく、俺には巻きついてこなくなった。

「あああ、こっち! こっち! 早くうー、こっちもおー」

にゅるにゅる粘液まみれ女騎士がうるさい。

順番だ! 待ってろ!!

「だだだ、ダメだぁー、そこは! そこはぁー!」

鎧の隙間から入った触手が服の下でうごめく。

あんま、口あけて騒いでるとそこへ入っちゃうぞ。

「ん、ふぅ! もがが!」

ほーらな。

「がほっ、げほお! やめ、らひょ!? らめなちょおー」

「あちょ!? 挿しこ? 入ってきゅ! 来たあああー、にょほあへぁ!」

どの穴? どの穴に入ってきたの? ええーい、もう! 仕方ない。

プロジェクタービーム!

女騎士に巻きついた根っこだけにビームを範囲走査して照射!

根が消し炭になる!

「え? えええ? 根っこだけ焼いた? どういう魔法?」

魔法女豹戦士ウェイナさんが驚愕。

魔法じゃないですけどね。

虎戦士と女騎士を引き剥がすと、残った根の部分を桶の中に浸す。

ずいぶん焼いちゃったし、ちょっと復活は難しいだろうなあ。

「あー、この樹はもうだめかも…」

ウェイナさんも同意見。

「ごめん。」

しょんぼり、ベスタさん。全身ぬるぬる。

ヌルヌル女騎士、鎧に入り込んで焼かれずに残った根っこを引き抜いている。

「うひ、にゅ! ぬほおおお…」

変な声出しながら、引きずり出す。ずるずる、ちゅぽんっ!

ドン引き、デイエート。

「どーすんの? これ? お風呂とかあるの?」

「村長のとこでお湯を借りましょう。」

「まあ、元々お風呂で使う奴の原料だしな。」

狼ガールと女豹に促されて村長宅にもどる事に。

また、ロボキュートの出番かな。


村長宅に戻って、ハイエートの寝室の前に行くと…

俺が見張り用にセットした椅子にエルディー先生が座っていた。

え? そして足元に転がっているのは…村長さん?

村長さん、なんで寝室の前に? ずいぶん…薄着ですね。

パジャマ…いや、ネグリジェ。ベビードール的な…スケスケナイティ。

うん、セクシーですよ。賛否は分かれるでしょうけど。

そして、さっき、放置していった根っこ触手に巻きつかれて拘束。にゅるにゅる。

「ひ、ふ、はぁぁー、いやーん」

おっさん村長の喘ぎ声は可愛くないですよ。

先生がやったんですか?

何しに来たんですか、薄着村長? お兄ちゃんの寝室に。

ま、わかってますけどお。

げんなりした表情の先生。

「どこ行ってた? 最悪の場合を想定しろと、いつも言ってるだろ。」

村長さんがうめき声?を上げる。

「んほおおー!」

なるほど、最悪だ。

「村長がこんな、なので男の傭兵や戦士が居つかないのです…」

とは、シマックさんの言。なるほど。

あと、ハイエート様の木彫り像は村長のお手製だとのこと。

なるほど。


石鹸代わりに使われるソープ液。

実はこれ、ソープの樹の根っこに分泌される粘液。

根を掘り出すと空気に触れて乾燥するのを防ぐために分泌される。

最初は森に自生する樹から採取していたが、一本の樹から一回しか採れないのですごい貴重品だった。

そこで、先生と何代か前の村長が工夫を重ねて開発したのが、水耕栽培法。

森から採ってきた小さい樹を苗木として桶の上に吊るす。

桶には土を溶いた上澄みの培養液を入れ、苗木を程よく成長させる。

ロープを引っ張ってつり上げ、根っこを空気にさらすと粘液が分泌されるという仕組み。

これで一本の樹から何回でも採取できるようになった。

土がついたりしないので採取の効率もいいし、衛生的でもある。

害虫の心配も少ないし、養液の配合も色々工夫して収量アップ。

ところが、問題が一つあった。

根っこの触手化現象。

空気に触れた根は土の中にもぐり込もうとして激しく動く。

触れた人にからみついたり、狭い所、隙間や穴に入り込もうとする。

対策としてはしばらく時間を置くこと。

粘液が十分、分泌され、なおかつちょっと弱って根の動きが悪くなるタイミングを見計らって採取する。

時間を置きすぎると樹が弱って枯れてしまうので、見極めが難しい。

最初のうちは、タイミングが早すぎて根っこに絡み付かれ「んほおおー」する【事故】が頻発した。

今でも時々起こるという。

だだ、その原因には疑問が残る。

一度事故にあった人は、なぜか繰り返し事故にあうことが多い。

この【事故】、根強いファンがいるらしい…根っこだけに。にゅるにゅる。

「採取された粘液は62℃、30分で低温殺菌されたうえで出荷される。」

「王都や、レガシの工房で香料や生薬なんかを添加されたうえで販売されるわけだ。」

先生が説明してくれた。ふーむ。

「先生も【事故】に遭われたことがあるんですか?」

「内緒だ!」



翌朝、予定通り骸骨塔破壊のために出発する。

案内役はチーター娘チルタちゃん。

女戦士3人組が同行を申し出たが、先生が断った。

「目的は基地局、骸骨塔の破壊だ。獣機との戦闘はなるべく避ける。」

そのかわり、女豹戦士から触手入りの竹筒をいくつか借りた。

「ハイエート様、エルディー導師、お気をつけて。」

村長さんが見送り、すこしも悪びれた様子がない。

メンタル強いぞ! 村長さん。

「チルタ、頼むぞ。」

思いつめたような表情でうなづく、チーター娘。

ちょっと心配だな。

「ハイエート様、チルタをお願いします。」

心配なのは村長さんも同じか。

「大丈夫、アイザックさんが一緒ですから、必ず無事でお返ししますよ。」

お兄ちゃんはぐっすり眠れたらしい。

…一服盛ったりしてないよね? 村長?



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