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ミーハ村で決着がつくよ


アポロン神の化身ハイエートの夜伽を狙う3人の侵入者。

一人はクラリオが迎撃、虎戦士ベスタと戦闘中。

もう一人、人狼戦士シマックにはデイエートが勝利。

…あれ? 冷静に考えると、なんで俺たちこんなことしてるんですかね?

「疲れてるし、明日も忙しいからカンベンしてね。」

とか言って断れば済んだ話では?

アレか? 異世界的にはそーゆーの通用しないのかな?


もう一人いたよね?

トンちゃんがデイエートの戦いチェックに専念していたせいで見失った。

今の俺はハイエートの寝室の前の椅子に陣取っている。

う? 魔法センサーに反応?

可視光線的には真っ暗な廊下に人影が浮かび上がる。

俺の視覚センサーは増感処理によって暗闇でも見える。

エルフの可視範囲が赤外線領域まで広がっているのと同様にある程度の熱感知機能もある。

それなのに視覚センサーではまったく見えてない?

ダミーアイからのアクティブ魔法センサーによってのみ捕らえられる人影。

足音も聞こえなかったぞ!?

音響測位エコロケーション! PINを打つ!

蝙蝠と同様、超音波の反射をキャッチして視覚の代用にする。

見えた! 外部からの音は吸収しない。自分の出す音を遮断しているだけか。

隠形魔法? ステルス夜這い!

魔法センサーはダミーアイを使う関係上、正面以外は感度が悪い。

顔を向け、視線を移す。

増幅されて浮かび上がる魔法フィールドのシルエット。

おおう! 本命キタ!

シルエットだけでわかる悩殺ライン。

「魔道士は、いないと聞いていましたが?」

魔道機演技はもうどっか行っちゃったよ。

まあ、さっき素で行列整理してたから今更だけどね。

ビクッと立ち止まる人影。

「ただの魔道機じゃないね、アンタ。」

身体を覆っていた魔法フィールドがはらはらと剥がれ、風に吹かれたように舞い散る。

猫耳、猫系獣人か。ボンキュボン!

虎戦士や人狼ガールがいかにもなマッチョ戦士だったの対し、うん、グラマー!

ちょっと古典的な…峰不二子的美人。野生的って言うか…肉食獣、危険な香り。

女豹だ! パンサー!

「アタシはウェイナ。魔道士なんて立派なもんじゃないよ。」

「魔法戦士ってとこさね。」


魔法戦士!

この世界のヒト族は大抵魔法を使う。

魔法かまどを起動するのにもちょっぴり魔力が必要だ。

デイシーシーもちょっぴり苦労はしてたけど、送風魔法をマスターした。

レガシの戦士も自分のケガを血止め魔法で治療していた。

魔法学校に通ったり、師匠について学んだりして、体系的に理論から魔法を身に着けたものは【魔道士】と呼ばれる。

魔道士が使える魔法の種類と威力は一般人とは桁違いだ。

これとは別に、特定の分野の魔法だけを身に着けたのが【術士】

代表的なのが【治癒術士】だ。

ちなみに、ベータ君の姉イーディさんはエルディー先生の指導を受けた【魔道士】

ミニイたんの母デイヴィーさんは同じく先生の指導を受けたけど【治癒術士】だ。

そして、【士】を指導しその称号を許可するのが【魔導師】

ミーハ村の治癒術士は救護院でイーディさんの指導を受け、エルディー先生の許可を受けて【治癒術士】を称するようになったわけだ。

と言っても先生が直接試験とかしたわけじゃない。

イーディが認めたんなら問題なし、ということで免状みたいなものを与える。

いわゆる「お墨付き」

免状を出した師匠の名前と言うのはかなり重要らしい。

そうは言っても国ごとに制度も違うし共通の認定機関があるわけでもない。

ましてや、どこの国にも属さない自由集落では言ったもん勝ちみたいなところがある。

だから周囲の目はけっこうシビア。

最終的にものを言うのはやはり実力。称号は後からついてくる。


そしてそういったしがらみに囚われず、自分に必要な魔法だけを身に着けるものもいる。

彼らには師匠の名前も免状も称号も必要ない。

たとえば、魔法戦士。

戦闘用魔法だけを習得し、自分独自の闘法を身に着けた戦士だ。


椅子から立ち上がり、女豹戦士と対峙する。

やべ! 俺、魔法相手に戦った経験がないぞ。

「アンタにはしばらく大人しくしててもらうよ。」

本命…虎や狼は陽動か? まんまとしてやられたわけだ。

やっぱり、男をその気にさせるのはおっぱいか!

でも、申し訳ないけどハイエートには通じないと思う。うん。

だが、どう戦う? 豹戦士はステルスを見破られてもあわてていない。

俺に対抗できると思っているわけだ。

屋内で戦える魔法? 火炎も電撃も使えないだろう。

飛び道具もむずかしいと思う。どんな手があるんだ?

彼女は「大人しくしててもらう」と言った。

拘束系か? それしかあるまい。

兵機の使った拘束ワイヤーのこともある。

これが実戦なら魔法発動前にパワーとスピードで圧倒するのが正解なんだろう。

だが、これは言ってみれば「ゲーム」

負けても失われるのはお兄ちゃんの貞操だけ。(ひどい!)

彼女の戦い方に興味がある。手の内を知りたい。


そんなこと言って、アイワさんにも女騎士にもかなわなかったよなあ…

あ、やば! なんか投げつけられた!

紙? 護符か? 魔法攻撃が来る!

え? 攻撃じゃない?

紙吹雪? トランプくらいの大きさの紙切れみたいなやつ。

さっきのステルス魔法にも使われていたやつだ!

うわ、くっつくぞこれ! 粘着シートか!?

目を覆われた。ダミーアイだから平気、かと思ったが頭部センサーにもくっついた。

センサーがつぶされた。見えない。

無差別にくっついて来てる。風魔法で粘着シートを飛ばしてるのか?

いやこれ、人間だったら窒息しちゃうんじゃ?

いや、待てよ? どっちみち紙だけじゃ魔道機を拘束できない。

別の手が来る! その前にとりあえず視界を確保しなくては!

装甲表面を変化させる。超撥水モード! 

シリコンには普通の接着剤も粘着テープもくっつかない。

シリコン表面同様、液体をはじく超撥水モードなら粘着力も落ちるはず!

かきむしるようにシートを剥がす、って剥がれない!

剥がすそばからまたくっついちゃうぞ!?

粘着剤使ってるわけじゃないのか?

そうだよなあ、粘着剤だったらシートとシートがくっついちゃって、ひらひら舞うわけないもんなあ。

魔法でくっつけてるのか? でも、そんな魔法あるの?

? 静電気? 魔法で紙を帯電させて静電気でくっつけてるのか?

静電気なら…プラスとマイナスが引き合う事で物がくっつく。

俺の体が紙とは逆の極性に帯電してるって事だ。

機体にたまった電気を放電すれば…

『放電電極を使用します』

え? ヘルプ君?

指先、爪状のモールドがパカッと開く。なんかピカピカした突起が出てきた。

『金属に触れてください』

えーっと?? あ、ドアノブ。とっさに寝室のドアノブに手を伸ばす!

バチっと火花が散る! あうんっ! ビリっと来た! イヤーン!


ハラハラと紙が剥がれ落ちる。

「ええ? なんで?」

女豹戦士、驚いてる。

「でも、もう仕掛けは済んだから。」

竹筒みたいなものを投げ捨てた。500mlペットボトル位の大きさ。

中は空っぽ? え? 中身、何入ってたの?

「育て育て我がかずら、急げやかせや律令の如く、【促成栽培グロウアップ】」

うお? 足元から何かが這い上がってくる。

ロープ? いやつるか!

いやいや、ヌルヌルしてますよ、これ。

足から、腰、上半身にまとわりつく。

触手! 触手っぽいですよ、これ。

来た! 異世界名物、触手! 全世界待望の触手プレイ!

…なんで相手が俺なんですかね? よりによって。

完全にミスマッチ! マッチメイカー、お前はクビだ!!

うおっと、強力だぞ、これ。

引きはがそうとしたが、弾力がある上ににゅるにゅる滑る。

さかんに動いて、まさぐるように全身をはい回る。

ああん! これ、けっこう…触手ですよ!

にゅるにゅる、ぐにぐに、ぞわぞわするような快感。

いけない! 新たな扉が開きそう。


くっそー、なんで俺はデイエートじゃないんだ!

粘液触手にまさぐられて、悲鳴を上げるつるつるボディ。

嫌悪感と恥辱にまみれながらも粘液と摩擦によって与えられる快感。

い、いや! こんな事で…気持ちいいだなんて…認めないっ

う、ああ、いや、ダメ。そんなとこ擦らないで!

熱いいっ! さきっちょ、こすっちゃダメなのお!

だめ、そこ、だめ! 入っちゃだめ! 入っちゃダメなとこなのおおー

そんな感じで、妹エルフに使って欲しかったよ、この攻撃!

んほおおおぉー! 見たかったのおおおー、血涙!

今からでもやり直しききませんかね?

100歩譲って女騎士でもいいですよ?


「あ、あれ? 装甲に隙間が無い?」

女豹戦士が動揺してるな?

いかん、触手プレイを堪能してる場合じゃない。

いや、ホント。ちょっとくせになりそう。

ヒートボディ!

一瞬、ボディを赤熱させる! ジュッという音と良い匂い。

匂い? 香ばしい匂いするな、この触手。

焼き芋? 焼き芋の匂いだ!

高熱に対して、弾かれるように触手が離れる!

触手? つた? いや、根っこか、これ!

「えええ? な、何なの? アンタ!」

「もしかして、これ、獣機相手に使ったことがあるんですか?」

「あ、ああ。絡みつけば獣機でさえ動けない仕掛けなのよ。」

なるほど、根っこなら地面にもぐりこもうとする性質がある。

獣機の装甲の隙間、関節に入り込んで固定してしまう仕組み。

俺の装甲には隙間が無いんで、表面をまさぐるだけになったわけだ。

いや? 女の子だったらホントに色々まずい事になってたよね。

穴とか入り込んじゃったら……

いやいや、男の子だってまずいことになるよ。

いかん、ベータ君で想像しちゃった、てへ!

お兄ちゃんの、事言えないよな。

これ、使えるな。

いや、そっちにじゃなくて、獣機を破壊せずに固定できるって話。

初期化、再起動できるかも。

「私には通用しませんよ。」

「アンタ、いったい…まさか、…神代魔道機?」

「その辺は、内緒です。」

「わかった、わかりました。まいりました。」

降参降参!

降参したんなら、この女豹ボディ、お仕置きしてもいいんじゃないかな?

やられたんだから、やり返してもいいよね?

さっきの触手×女豹ボディでお仕置きシーン。

おしおきだべえ~てな感じで。

触手だって絡みつきがいがあると思うんだ、こっちの方が。


「何やってる!? お前!」

おっと、デイエートが戻って来た。

人狼戦士シマックさんと一緒だ。

「あちゃ、ウェイナ、ダメだった?」

「ダメダメ、この魔道機さん、何も通じない。」

いえいえ、そんなことありませんよ。

色仕掛けなら通じたかも知れませんよ。

デイエートがじろりとシマックを見る。

「こっちは陽動だったってわけね。」

「あ、あはは」

女豹戦士ウェイナさんのボディライン、主に胸、と俺を交互ににらむ。

「この女と何やってたんだ!」

いやいや、何もしてませんよ、まだね。

「お前、また何か邪なこと考えていたんじゃ?」

相変わらず鋭いですね。




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