休憩するよ
「なんとか…間に合ったのかな?」
現れたのはエルフの男性。イケメンだ。細マッチョ。
いやいや、イケメンとかじゃ済まない美形っぷり。
先生より暗めの金髪、長髪を後ろでまとめている。
持っているのは背丈ほどもある弓。
女戦士が使っていた弓の2倍、いや3倍はあるか。
その女戦士が教会の屋根から飛び降りてくる、身軽!
「お兄ちゃん!」
お兄ちゃん?? 妹か、このエルフ!
「デイエート、無事だった?」
「怖かったよー。」
兄エルフに抱き着く!
ええ? そーゆーキャラ? お兄ちゃん大好き妹?
女戦士エルフの株、俺内株式市場でストップ高ですよ!
妹だったら胸の個人差もむしろプラス!
ポニーテールもステキですよ。うなじがまぶしい。
学校で禁止されちゃうゾ
「しかし…これは? 導師のところの、魔道機か?」
人間戦士がつぶやく。俺のこと?
「ほんとに起動したんですねえ、すごいな、あのおばさん…」
はい、おばさん。聞きました。あとでチクりますね、先生に。
あ、そこに居た。
「ほほう、おばさん? かね、ハイエート。」
「う、」
兄エルフがハイエート。するとこの武闘派兄貴がタモン将軍か。
顔は怖い、いかつい系。背丈は2メートル有りそう。短く刈り込んだ髪、無精ひげ。
無精じゃないよね、山で見張ってたんだもんね。
「ここへ来るまでも壊れた獣機を見た。これがやったのか?」
「そうなのか?」
エルフ先生が俺に聞いてくる。
「はい、ここの他に3体、破壊しました。」
「しゃ、しゃべった!?」
「口がきけるのか!」
「わたしもまだそんなに話したわけじゃないが、ほぼ普通のヒトと同じメンタリティの持ち主だぞ。」
「ほほー」
「それは…失礼した。俺はタモン。この街で衛兵みたいなことをやってる。」
礼儀正しい、いい人だな、アニキ。
「ぼくはハイエート。猟師とか傭兵とかです。すごいですね君は。」
「いえ、妹さんの援護のおかげで倒すことが出来ました。」
「そうなの?」
妹エルフに問いかける。
「ちょっと、頑張りましたー」
「えらいぞー。」
なでなで、何だこの兄妹。うざ!
天然ぽい兄に、ブラコン妹か?
妹さん、さっきの凛々しさ何だったの?
兄の前では猫かぶりブリブリなの?
「私のことはアイザックとお呼びください。」
頭を下げると、やっぱりみんな変な顔。
お辞儀は一般的じゃないのかな。
教会から街の人が出てくる、ぞろぞろ。
中にいたから俺のことは見てない。初見。
最初ビクッとしてあとは遠巻き。
そりゃあ、見た目はむしろ獣機側だしな。
そんな中から、とことこと、…突っ走って近づいて来たのは幼女エルフ。
ころぶなよー、って言うとたいてい転ぶから言わない。
後ろからあわてて人妻エルフ、デイヴィーさんがついてくる。
「ぱんちさんだいじょぶ?」
パンチさん! いや、まあ…いいですよ。
思わずしゃがんで目線の高さを合わせる。
「アイザックって呼んでください。」
「あいじゃく、あたしみにい。さわっていい?」
遠慮ねえなw
「いいですよ。」
顔を触られる、感じる。柔らかい手、体温あったかい。
触覚の仕組みはわからないが、ありがたい。
「本当にありがとうございました。」
人妻エルフが頭を下げる、挨拶お辞儀はないけど、お礼のお辞儀はあるのか?
異世界、むずかしい。
あれ、挨拶、謝罪、感謝を全部まとめてお辞儀にしてる日本人のほうが変?
「ミニイもお礼を言いなさい。」
「たすけてくれたどうもありがと」
お礼を言いたいのはこっちだ。幼女に触ってもらえるとか、ご褒美。
「いえ、こちらこそありがとうございます」
あ、言っちゃった。
え、何のお礼? と首をひねる母エルフ。
いいんですよ、やる気が出ました。
気力がわいてくる、というやつ。
立ち上がって、山の方を見る。
あそこにはまだ移動基地局がある。
機械は疲れない。追加の獣機が送られてくるかもしれない。
マッチョ知事が演じた未来から来た殺人ロボ。
その第一作。
安ホテルで自己修理したロボが、一切休みを取らずに次の行動に移る。
前のシーンでわざとベッドを映して観客に予断を与え、だが休まない!
マシーンであることを強調した演出にしびれたもんだが。
いまそれが自分の身に降りかかる。
アニキは察したようだ。元軍人だって言ってたな。
「知ってることを話し合ったほうが良いな。」
「あまり時間は無いかも知れん。」
おやっさんが大声で呼ぶ。
「工房のものは居るか!?」
どたどたと何人かのドワーフが駆け寄る。
「武器を集めて持って来い! 弩弓があれば集めろ。」
「あと、矢だ! ありったけ集めろ! ハイエートが使う奴だ!!」
名指し、金属製の矢を使いこなせる射手は兄エルフだけなのか?
「タンケイ! お前はここの矢を拾え! 使えそうなやつをな」
呼ばれたのはドワーフの女の子。ひげは生えてない、良かった。
そしておっぱいでかい!!
エルフ先生がロケット乳、人妻エルフが豊乳だとしたら、これは暴乳!!
暴力的なまでのせり出し! ボリューム!
顔は丸顔童顔で、かわいい系。
ショートカットでくりくりした巻き毛。羊毛系。
等身が低いからさらに幼く見える。
でも、体格はがっしりしてるから圧迫感がすごい!
おっかさんロリ巨乳という、矛盾した存在!
「刺さってるやつはどうするんすか?」
「抜け! 決まってんだろ!」
「ええー、まだピクピク動いてるんすけど…」
「気をつけろ! やれ!!」
おやっさん容赦ない。
獣機の残骸とおやっさんを交互に見てる。ビビりまくり。
振り返るたびに旋回する胸のせり出しが風を切ってぶんぶん音を立てる!
(ような気がする)
「とほほー」
頑張ってね。
「また来るんでしょうか?」
人妻エルフの不安げな表情。
「まあ、そのへんをこれから相談しますよ。」
兄エルフの、のほほんとした雰囲気がありがたい。
「導師、工房長、こちらで…」
アニキの先導で教会堂の中で机を囲む。
うーん、町長とか村長とかいないのか? この街?
「組合長はどうした? やられちゃった?」
先生、デリカシーないね。
「被害を調べに行きましたよ。」
「戦いのことはわからんから任せたってさ、将軍!」
周りの人が教えてくれた。
「とりあえず、水が飲みたいですねえ、走ってきましたし。」
兄エルフの言に妹エルフが立ち上がる。
「あたし、汲んでくる!」
「タモンさんの分もねー。」
気遣いの出来るいいイケメンだ!
「わたしも飲みたいなー」
先生…
あれ? 少年エルフは?
いた。なんか女の人と一緒だぞ。
あ、抱きつかれた!
「イーディも無事だったか、よかった…」
「どなたです?」
「ベータの姉だよ。」
銀髪ストレートヘアの理知的美人さんだな。
ベータ君の姉だからもちろん美形。
スタイルいいね、バランスタイプ。
ちょっと、抱き絞めすぎじゃない? ベータ君、苦しんでるよ?
弟大好きおねショタ姉か、それも、また良し!
妹が水を汲んできた、ジョッキ。
お兄ちゃんとアニキの前に。
「ありがとう」
妹にもきちんとお礼をいうイケメン。もてるでしょ? ぜったいモテる。
妹さん気が気じゃないでしょ。
変な女が近づいたりしないかって。
「すまないな、デイエート」
ほんわか系お兄ちゃんといかつい系アニキ、並ぶと絵になる。
妹さん気が気じゃないよね。
タモンさんとお兄ちゃん、仲いいなあ。は! もしかして?
アニキxお兄ちゃんで妄想捗る。絶対!
いやお兄ちゃんxアニキと脳内派閥があるよね、きっと。
少年エルフを混ぜるとバリエーション豊富。
妄想湧いてくる、その力、無限大!
「わたしのは?」
先生…
スルーされたよ、妹エルフに。
まあ、人妻エルフが汲んできてくれた。
先生の分とおやっさんの分だな。
足元を幼女エルフがチョロチョロしてて、はらはら。
「どうぞ先生、コウベンさんも。えーと…」
困ったようにこっちを見る。
「私は大丈夫ですよ、お構いなく。」
ほっとしたようだ。お気遣いありがとう、奥さん。
おうっ、幼女エルフ、ミニイたんが膝によじ登ってきたぞ。
俺のことは、自分の縄張りであると認識したようだ。
うははーかわゆい、至福。
もがくように体制を整えて膝の上に座る。
テーブルにばんっと両手をついて会議に参加する決意!
あ、お母さんに抱き上げられて連れていかれた。
抗議の声
「あーー」
みんなの顔がほころぶ、タモン兄貴のいかつい顔も笑顔だ。