女騎士がリバースしたよ
リバース泥酔無残気の毒くっころ系女騎士を宿屋に運び込む。
気の毒なのは俺、と宿屋のご主人。
組合長のお店の近くなので俺の事は見慣れてるらしい。
リバースまみれの女騎士はお供の騎士に押し付けようと思ったが…
男騎士ふたりもほぼ同じような状態だとのこと…やけ酒騎士。現実逃避。
使えねえ!!
このままってわけにもいかないか。
女騎士はどうでもいいが、宿屋の寝具が汚れる。
ご主人にたらいとタオルを借りる。
水は…水精竜だな。
コレ便利! マビカさん凄いですよ。ヘッポコだと思っててごめんね。
ヒートハンドと併用、直接お湯を出す。
ほかほか湯気が上がる。立ちション感倍増。
給湯ロボ! ロボキュート! 実用的! お風呂もシャワーも使い放題だぞ。
旅の途中でデイエートに使ってやろう。
もちろん、おヌードでね。
そしてこっちの女騎士…脱がすしかないか…ありがたくないおヌード。
ゲ○まみれの上着…下着もだよ、うわあ…
慣れない酒で酔っ払った新人部下をラブホで介抱。
そのまま流れで事に及ぶ的なエロマンガ展開。
タモン兄貴に送らせなかったダット姐さん。そこまでは正解。
でも、無理。リバースしちゃったら無理。
バスルームもシャワー設備もない異世界宿屋では無理!
人間だったらもらいリバース必至。
意識朦朧女騎士、ぼーっと眼は開いてるけど。まったくの無反応。
全部脱がす! 全裸騎士……全然、騎士要素がない…
たとえるならばメガネを掛けてないメガネっ娘状態。
立たせたまま顔から身体を拭いていく。
ぐらんぐらんふらつく、酔っ払いムーヴ。やりにくい!
何とか全身拭き終わった。
自分で言うだけあって腹筋はすごい、シックスパック。
他の筋肉ももちろんそれに似合うだけのもの。鍛えてるな。
ウエストは、「きゅっ」ではなく、「ぎゅっ」と締まってる。
腰から、太腿、ふくらはぎ、足首のめりはりが力強い。
お尻もぎゅっとピップアップって…硬いわ! 筋肉やん!
…その代償だろうか。胸は、まあ…アスリートパイ。
筋肉比率の高い盛り上がり。
あとは…ちょっとね、お手入れとかがね…
王都からレガシまで旅してきたし…しかたないけどね。
ボーボー感がね、ちょっとあるかな的な…ね。
ベッドに腰かけさせる。…着替えがないな。
もういいや、そのままスっ転がして毛布を掛ける。
…さて、服だが…これ、工房の貸し出しだよな?
ダットさんが持ってきたやつだし…
仕方ない、洗っておくか…
たらいのお湯を変えて服を洗う。ごしごし。
音波洗浄モードで染み抜き洗い。
机とか椅子の背とかにかけて広げる。
明日の朝までには乾くだろ。部屋干し。
抗菌洗剤とか酸素系漂白剤とか使ってないし…臭いが心配だな。
ダミーアイライト、紫外線モード!
照射! 殺菌! 253.7nm波長!
効くのかなあ、これ?
「んん、母上ぇー…お風呂は明日にするう…」
毛布の下でモゾモゾ。何か言ってるな女騎士、自宅住まいか?
パラサイト女騎士か? こどおば女騎士。
母上さんの嘆きの声が聞こえる(幻聴)
剣ばっか振ってないで部屋を片付けなさい!
まったくもー! 自分の分くらい洗濯しなさい!
まったくもー! 料理もできないし!
まったくもー! アンタはいったい、いつ嫁に行くの?
「将軍…当方は準備完了でありますう…」
なんかタモン兄貴の夢でも見てるのか?
「…受け入れ可能でありますぅ…突貫…突貫してくださいぃ…」
「あうん、ん、将軍んん…んっ、んっ、突貫ん! 突貫んんっ!」
一人演習、おっ始めやがった! 自己研鑽!
撤退! 撤退いぃー!
宿の外に出る、ひどく疲れた、心がね。
うん、臭う? 臭覚センサーからアラームが。
スメルオブリバース!
周りを見回す…360度視界ですけどね。
よし、無人。
水精竜ミストモード、装甲パネル超親水モード。
撥水モードとは逆、表面張力が最小化。
水が一切水滴化せず、全身をまんべんなく濡らす。
これだと水の皮膜が汚れを浮かせて洗い流してくれる。
ヒーター機能、全身エリア。高温モード!
一瞬、全身が赤熱、水の膜が一気に蒸発して汚れを弾き飛ばす!
高温殺菌と消臭。くんくん、完璧だね。鼻はないけどね。
家に帰ると先生とキラすけが。
二人とも湯上りほかほか。
髪の毛もふわふわですな。
ああ、この清潔感に癒される。
やっぱ、泊まってくのか、キラすけ。
「遅かったな、どうした?」
「クラリオ騎士は、すこし飲み過ぎたようです。」
「ゲロったか? ご苦労さん。」
そういえば…
「キララさんの寝床はどうしましょう?」
あの、でかい毛皮は新しい家に持ってっちゃったから。
「まあ、今日は…私と一緒でいいだろ、なあ。」
「うん。…あ!」
「なんだ?」
「くっついて寝ると…我の能力で…」
ああ、エッチな夢見せちゃうかも?
「ふふん、そのくらいはかまわんさ。」
「おまえのお祖母ちゃんの能力は強力だったから、しょっちゅうやられたしな。」
「ええ? くっつかなくてもできるの?」
「夢魔族はメガドーラしか知らないから、一般的なのかは知らんが、あいつは同じ部屋に居れば可能だったな。」
「【夢幻投影】の本質は相手の心的バリヤーを解除して、魔力的接触を容易にすることにある。」
「心理的高揚と合わせて、短時間で大量の魔力をやり取りできるのだ。」
「やりとり…?」
「そうだ、吸い取るだけでなく、送り込むこともできる。」
そうなのか?
「ただ、半分霊的存在である夢魔族にとっては危険なことだ。」
「身体の構成要素まで失ってしまう危険がある。」
うーむ、奥が深いな…
そいじゃまあ、寝ますかね。お休みなさい。
先生もキラすけもすーすー寝息立ててる。
夢幻投影経験者としてはちょっと心配。
そーっと覗いてみると、キラすけ、先生にぴったり抱きついてる。
…自分の能力に気づいたのいつ頃なんだろう?
知られるのを恐れてたら、誰かに抱きつくなんて出来なかったろうな…
今は甘えとけ、甘えとけ、おっぱい柔らかいしな。
さて、朝だ。スリープモード解除。
何やかやと仕度をしていたら先生が起きてきた。
ソバージュ風ヘア、モード3。色っぽい。
もちろんパンツ一丁。
そこ、薄物のシャツとか羽織るともっとエロくなると思うんですよね。
俺的には。
「うーん、すっきり、いい夢見たしな。」
伸びをしてゴキゴキ首を回す。
キラすけ、起きて来ないな?
どうした?
覗いてみると、こっちもパンイチ。
ベッドの上で女の子座り。
ぼーっと、と言うか…ほわわーんとしてる。
「どうしました? キララさん。」
「すごかった…」
え? 何が?
「すごかった、大人先生…」
ちょっ? もしかして…しちゃったの【夢幻投影】
しちゃった、てゆーかされちゃった感じ? 先生に?
「あれが…大人の…」
ほふうっとため息。
ええ? 何? どんな夢だったの? すごく興味あるんですけど!?
「誰かさんの時とは大違い…」
はう? 誰かさんって…俺…ですよね?
俺の方を見るキララ。
「ふふーん!?」
なんか、すごい馬鹿にしたような、見下げるような…
「ま、お前はしょせんあの程度…」
なにそれ! むかつく! 上から目線。
キラすけ、小っちゃい上にベッドの上に座ってる。
無理に上から目線を作ろうとした結果、反り返ってブリッジみたいになってるけどな。
裸ブリッジ、はしたない!
くそ! 夢の内容すごく気になる!
でも、ベータ君が来る前に服着るように。あ、先生もね。
「おはようございます、先生、アイザックさん。」
ベータ君がやって来た。
「我は?」
「あ、はいはい。おはようございます、キララさん。」
にこにこ、ベータ君。子ども扱いされてるんだぞ、キラすけ、わかってっか?
あれ? マビカとディスカムは?
「お二人は、今日は休ませてほしいと…」
「うーん、やっぱりショックだったか…ディスカム…」
「なんだかマビカさんも体調悪そうでしたよ。」
「変な歩き方してましたし…痛そうな…」
ぶふあーーー!! 吹いた!
吹いたのは俺! ま、口がないんで見た目わかんないですがね。
マジで? マビカさん、マジか? 首投げいった?
まだ何か挟まってるような気がする~的な?
成し遂げちゃった?
初志貫徹! 貫徹で開通!?
俺が貫通したのは暗殺者なのに、マビカお嬢さんはディスカムで開通?
そして突貫演習女騎士はたぶん未開通、てか、まだ地質調査中!
どうなの? 年齢的にって言うか、道徳的に? この世界では?
「ほほう。」
「やった? マビカ!」
先生もキラすけもにまにましてるぞ。
オッケーなんすね、この世界的には?
いかんな、周囲のレベルが激上がりだぞ。
別に俺には関係ないのに、焦燥感がつのる!
ショックだ。ロボなのにショック。アイアンショック!
教えてやりたい、リバース未開通女騎士に。きっと面白い反応する。
「え? 何です?」
気づいてないベータ君、小首をかしげる。可愛い、抱きしめたい。
(注)首投げ:首投げから寝技に持ち込む
=ベッドに連れ込んでアレする、と言う格闘技界に伝わる隠語
用例「昨日お持ち帰りした金星(美人)、首投げいった?」




