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先生がなにやら企むよ


食堂に場所を移して、話し合おうと言う事になった。

座るときにちょっと混乱。

ディスカムの隣に座ろうとするマビカ。

ハイエートお兄ちゃんはベータ君の隣を目指す。

お嬢様はデイエートの隣を。

ビクターさんは警備上お嬢様の隣。

キララ、デイエートもなにやら目指すところがあったようだ。

各人の思惑が絡んで椅子取りゲームみたいに。

「ちょっ!」「あ、」「いや、この」

結局、先生、ベータ君、ハイエート、ディスカム、マビカ、キララ、俺、デイエート、イオニアさん、ビクターさん、アイワさん、兄貴、先生|(1週)の順に。

デイヴィーさんは抗議の声を上げるミニイたんを連れてお風呂に行きました。

いや、俺は立ったままでいいんだけど。

キララとデイエートが引っ張るんで座った。

先生が言い訳を始める。

「いや、別にイオニアに隠してたわけじゃなくてだな、」

「なるべく秘密裏にやろうと思ったのにバレたっていうか…」

「ハイエートにしても、たまたまタイミング的に居なかっただけで…」

「どうしても工房が中心て言うかー」

「飛行魔道機もだなー…アイザック説明しろ。」

え、俺? 先生、俺に振りやがったぞ。

「鉄蜘蛛調査に関しては、移動に飛行ユニットを使いましたので、」

「運べる人数に限りがあり、ハイエートさんに同行を依頼するわけにはいきませんでした。」

お兄ちゃん、頷いてる。まあ、気持ちの問題、わかってはいたんだろうけどね。

「申し訳ありませんでした。」

ここは、謝っておく。

でも、こんなことで怒るのは仲間だと思ってくれてるからだよね。

ちょっぴり、うれしくもある。

「お兄だけ? わたしは?」

横腹つつくなよ、デイエート。

「調査には危険が伴いますから。デイエートさんを危ない目に合わせたくはありませんでした。」

「あ、うん」

納得した? 赤くなってる?

「お姉さま?」

隣のお嬢様がデイエートの反応にちょっとびっくりしたような顔してる。

先生が、後を引き取ってくれる。

「まあ、調査や実験の結果は…今後の警備にも関係するんでな。」

「今度、屋敷に行って説明するよ。」

お嬢様よりビクターさんに言った感じだな。

ビクターさんうなづいてる。

「次の隊商もじきに来るはずです。お約束した通行手形も届くでしょう。」

と、そこへおやっさんがやってきた。組合長も一緒。

「あ、あれ? 今日何か会合の日だっけ? 私、忘れてた?」

驚く組合長。ま、ビクターさんまでいるもんな。

「いや、たまたまそろっただけだよ。」

「うん、ちょうどいい。今後のことを相談したい。」

先生がちらっとディスカムを見る。

「マビ、キラ、僕たちは外そう。」

察しがいいね。不満そうだなキララ。先にお風呂入んなさい。

ベータ君も立とうとしたけど、先生が止めた。


おやっさん、組合長を交えて会議。

獣機の本拠探索に出かける事を相談する。

「こちらとしては、タモンさんとハイエートさんが両方とも長期不在、と言うのは困りますな。」

組合長渋い顔。

「だよなあ、」

先生も納得顔だ。

「ってことだが…」

二人の方を見る。

「順番からいくと僕ですよね、同行者は。」

ムフフ顔の兄エルフ。

「ちょっ、順番で決める事じゃないだろ。」

あせる、兄貴。

「でも、妻帯者は長期出張はまずいんじゃないですか?」

「同行者はエルディー導師、いちおう女性ですし。」

「ほほう、いちおう?」

「あ、う」

「ぐぬぬ…」

兄貴、詰んだ。

「まあ、補給もない旅ですから狩人は役に立ちますよ。」

ぽんぽん、と弓を叩く。普段使い用の小弓。デイエートとお揃いだな。

「町としてもタモン将軍に残ってもらった方がありがたいですな。」

「指示を出せる人間がいてくれた方がいい。」

組合長の談。もっともだね。

「仕方ない…」

下向いちゃったよ、兄貴。

「僕も行きます!」

「あたしも行く!」

ベータ君とデイエートが同時に声を上げた。

「ベータ君はダメだ。危険なんでしょ。」

おう、ハイエート、喜ぶかと思ったのにきっぱり反対。

「そもそも、危険だから僕かタモンさんを同行させたいって話だから。」

うん、大事な人だからこその反対か。

「デイエートさんも。獣機の本拠を目指すわけですから…」

俺は反対ですよ。

「いや、妹は連れていきたいですね。」

おっと?

「危険があるんなら、相棒は連れていきたいですよ。」

「うちの妹は役に立ちますよ。」

おお、お兄ちゃん。妹への評価高い。

ただの大甘お兄ちゃんじゃない! 戦力を客観的に評価。

ふふーん! と自慢げに胸を張る妹エルフ。

張ったって盛り上がったりしないぞ!

「私も行きたいなー。」

これはアイワさん。

そりゃ鬼人剣士が同行してくれれば鬼に金棒だが。文字通り。

「もう、救護院で病人の相手はいやんなった…剣士なのに…」

動機が不純。逃避。

「あ痛たた」

え? 何、ビクターさん、つねった? アイワさんを?

「アイワにはお嬢様の警護を依頼します。」

あれ? プライベートでも知り合い? この二人。

「先生、僕は!」

ベータ君、先生に直訴。でも…

「だめだ、お前は街に残れ。」

先生、首を縦には降らない。

「お前にはレガシに残ってもらう。いいな。」

ん? 単に危険だから連れて行かないってわけじゃないのか?

「まあ、今日は風呂でアイザックを洗ってやれ。じっくりな。」

??? 何だ? 何でそこで俺?

ベータ君もはっとしたように黙った。

視界の隅でタモン兄貴も首をかしげている。

ちょっと変な感じ、今のやりとり。

「それに、イーディを説得できんしな。」

取ってつけたような言い訳だな。


イオニアお嬢様が暗い。

「先生もお姉さまもお出かけなんて…」

「お前とベータには仕事がある。」

「え?」

「マビとキラだ、あの二人の教師役だ。」

「体術の方は少し教えたが、座学がなってない。」

ああー、アイツら…

「ディスカムさんはどうするのです?」

「あいつはすでにバッチリ出来てる。もう教えることはない。」

「ディスカムさんが教えるのではダメなのですか?」

「ダメだ、アイツすっかりマビ、キラになめられてる。教師にならん。」

うーん。

「お前の言う事なら聞くだろ。」

「…そう、ですわね…」

「カリキュラムは作っておく。ビシビシやれ!」

「はい!」

お嬢様、Sの素養が目覚めるかも。期待大。

「ビクターさん、警備のことで相談があるから屋敷の方へ伺いたいんだが。」

「はい、いつでもお越しになってください。」

「それがな、人目に付くとまずい顔ぶれなので、夜に訪問したいんだ。」

「はい? では、今夜…は無理でしたら、明日の夜では?」

「うむ、では明日、陽が落ちてから行く。」

お嬢様が横から

「では、お夕食をご一緒に。」

ビクターさんもうなづく。

「そうですな、ご人数をお聞きしても?」

「食事が出来るのは…あれ、私だけ?」

ああ、俺もミネルヴァも無理だしね。

「ぜひ、マビさんとキラさんもお連れ下さい。」

「そうか、あいつらなら…」

お貴族出だからマナーもOK…かな?

「いっぱい食べるだろう。」

先生、そういう事じゃないよね。

「デイエート、お前も来い。ハイエートも来てくれるといいんだが…」

ああ、いろいろ引き合わせるつもりか。

ハイエートもフクロウ状態のミネルヴァは見てるけどそれ以外のは見てないし。

「いや、僕はフォーマルなのは無理ですよ。デイエートだけで。」

「ええー、お兄ちゃん!」

見栄張ったりしない、自然体お兄ちゃん。

「それに男が混じってもねえ。」

「そうか、なら…デイエートだけで……そっか、そうだな…」

ん、何か思いついた? 先生、にんまり。

「タモン殿、ビクターさん、ちょっと…」

兄貴と支店長を呼びつけて何事か耳打ち。

「ダットにな……」

「…ほほう、はいはい。うんうん…」

「伝えます。いやいや絶対乗ってきますって。」

「ビクターさん、いいかな?」

「はいはい! お任せください!」

何だ? お嬢様も首ひねってるが?

「じゃあ、デイエート、明日午後、工房へ集合な。」

「え? 工房?」


「後は…」

先生が他に、何かないかって、周りを見回して…

「アイザックはどうするんじゃ?」

オブザーバーに徹していたおやっさんが唐突に聞いて来た。

え? もちろん同行しますよ。

「いや、いや。お前だけじゃなくお前の分身って言うか…」

ああー、そうか。

「私、と言うかこの魔道機体本体は同行しますが。」

「飛行ユニットは飛べる範囲が決められているようで、向う山をちょっと超えたところまでしか飛べません。」

「決められている?」

「【協定】で決められているようです。」

「協定??」

「お前がいない間、飛行魔道機は動けないのか? ミネルヴァは?」

「ミネルヴァは私がいない時でも動けるかもしれません。今、調べてます。」

「上手くいけば、飛行ユニットもミネルヴァが操作できるかも…」

電波を使わない魔道機通信で、長距離通信もできると最高なんだけどね。

その辺の解析調査はまだまだかな。


会議の後、お風呂に入った。

先生の言った通り、ベータ君が俺の事洗ってくれたんだが…

妙に念入りに洗ってるよね?

素手で、撫で回す様に… 

あんっ! そんなにされたら…感じちゃう!

って、脳内ジョークを飛ばそうと思ったけど、ベータ君の表情が真剣だ。

先生の態度も変だったし…何だこれ?


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