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タンケイちゃんが夢中になるよ


次の日、今日は作業すると決めた。

具体的には鉄蜘蛛の隠蔽。とりあえず埋める!


日本では、やれ開発だ何だと地面を掘り返すとけっこうな頻度で遺跡が出てくる。

何か発見されても専門技能のある発掘員は限られている。

人手が足りないと発掘作業は出来ない。

工事現場とか期限のあるところは仕方ないので急いで調査する。

そうでないところはどうしても後回しになる。

そういう時はまた埋めちゃうわけだ。

場所だけ記録してもとの状態に戻しちゃう。

どーせ何千年も埋まってたんなら、もう2,3年埋まってたってかまわねえだろってことで。

なるほどいい考えだ。どんどん後回しにされちゃう可能性を除けば。

だから、それを見習って俺も鉄蜘蛛を埋めることにした。

こんな重いもの動かせないし、かと言ってむき出しなのも物騒だ。

必要になったらまた掘りだせばいいんだしな。


工房でスコップとか借りた。

人間型機体本体を飛行ユニットで運ぶ。

本体輸送モードがあるってナビ君言ってたし。

スコップ、つるはしを両手に持つ。ゲ○ター2! …似てないな。

カモン、飛行ユニット。

合体だ!! スクラン○ークロス!

ガシーン! …掴んでぶら下げるだけなのね。

全然合体してないよね。しかも俺、スコップ持ってるし。

いや、贅沢は言いません… ぶらーん。


鉄蜘蛛の現場まで飛行。半日作業する。

元々半分埋まってるから楽勝かと思ったら意外と大変だった。

埋める土砂を確保するために半分崩れた崖を更に崩す。

突き出した脚を埋めるのに結構こんもり盛り上げ無くちゃいけないし。

あれから、兵機は来ていないみたいだ。

中継器が揃わなかったんだろう。

やっとこさっとこ埋め終わった。


いったん工房へ戻り、スコップ、つるはしを置いて出直す。

飛行モードなら何度でも出直せるのがいいよね。

「古の法」とかで設定された飛行可能領域がもっと広ければいいんだけど。

目的は、獣機の残骸。

再起動したケルベロスを見て、獣機を見直した。

人を襲うだけのメカでないことも分かった。

初期化、再起動すればまだまだいろいろ使えるかも。

ってことで、鉄蜘蛛近くの2体とか、向こう山頂上付近の物体X化したやつとかを回収することに。

部品取りくらいには使えるだろう。

鉄蜘蛛警護用だった地面から出てきた2体はそのまま回収。

ビームで穴だらけにした奴は使えそうもない。

超振動波で破壊した奴は部品が外れただけで使えるところがありそうだ。

向う山山頂付近の残骸はだいぶ減っていた。

回収できるものは兵機が回収していったのだろう。

固まって残っている残骸は工房から借りてきた工具で分解。

やべえ、分解楽しい。

部品をバスケットに収めて持って帰る。

山頂の向こう側はサービスエリアに入ってる。

今回は確認できる範囲に獣機はいなかった。

あきらめたのか? それとも体勢を立て直しているのか。

ピロリーーーン

おう! メールが来た。


『早く来て』


獣機側の事情を知ってしまった今では気が焦る。

待てよ?

レガシの町への襲撃そのものが…事情を知らせる目的だった?

俺が…守護魔道機体が起動しているかどうかはわからなかったはずだが?

遺跡に、まだ何か隠されている機能があるんだろうか?


獣機の残骸、部品を持って帰ると職人衆は大喜び。

獣機の復元だけじゃなく、部品を使って工具とか道具とか作れるんだそうだ。

「板一枚、シャフト一本でも使いようはあるからね。」

なるほど。


そのまま終業時間まで工房で作業。

自分用のマントの作業は終わってるけど、雀竜のウロコはまだまだいっぱいある。

穴あけ作業に従事。

「お前は、カロツェ家に頼んどいた手形が来たら出かけるんだよなあ。」

そのつもりですけど、おやっさん?

「注文いっぱい来るだろうし…穴あけどうしたら…」

あー、カロツェ家はレガシにウロコの在庫がいっぱいあること知ってるわけだから。

そりゃ、注文とってくるよな。

ビームで穴あけできるのは俺だけだし…

悩ましいところだな。

「今日は上がりにするか…」

暗くなってきたしね。

「タンケイのやつ、帰ってこんな!?」

「遺跡で仕事してるんですよね?」

「遺跡の中だと時間がわからないからな…夢中になっとるのかも知れん。」

「私が迎えに行って、家まで送りますよ。」

「おう、そうしてくれ。」


家に帰ると、居たのは先生だけ。

ベータ君とディスカム達はもう帰った。

「タンケイ? 午前中に遺跡で簡単に打ち合わせしたっきりだが…」

「帰ってない? まだ仕事してるのか? 飲まず食わずでやってるのか?」

こりゃいかん、てことで先生と一緒に遺跡にむかう。


「おーい、タンケイ。いいかげんに帰らんと…」

遺跡の中に入ると…タンケイちゃん作業中。

床に図面を広げて何やら書き込んでる。

図面の反対側にはミネルヴァ。こちらも何やら書き込み中。

その二人を両側からケルベロスが覗き込んでいる。

すっかりなじんでるな、お前ら。

「あ、導師。え? そんな時間っすか?」

「もう、真っ暗だぞ。」

「ええー?」

って、タンケイちゃん。

上着は脱いじゃって、革ブラもはずしちゃってなかなか目の毒。

「あ、えへへ、最近ちょっときつくなってきて…」

おおう! 成長中? 大きさメーター・将来性ゲージ、ダブルMAX!

こら、ケルベロ、何でお前ら、うなずくの?

1体に2本づつ首があるから4人でうなづいてる感じ、多数決で有利。

「ミネルヴァさんはすごいっすね。定規が無くても図面が引けるっすよ。」

「タンケイさんのお手伝い、楽しいです。」

すっかり仲良くなってるな。…楽しい?

「この図面に沿って資材を加工して…数日中に作業を始めるす。」

「うん、まあ、今日は帰れ。アイザック、送ってけ。」

昨日に続いてタンケイちゃんを送る。

途中、遺跡の改装案を夢中になって語るタンケイちゃん。

うん、こういうのいいね。こんな日が続けばいいのにね。


タンケイちゃんちは工房のすぐ裏。

工房内を通って行ったほうが近い。

受付も浴場も灯りが落とされて真っ暗だ。

「あちゃ、工房のお風呂閉まっちゃったすね。」

「うち、昨日も遅かったから入ってないし…」

「夜警さんとかは居ないのですか?」

「炉のとこには詰め番が居るっすけど、お風呂には居ないっす。」

「……」

タンケイちゃん?

「…いいっすよね。そーっと入れば…」

「あー、でも灯りがないかー…」

真っ暗でお風呂とか、結構怖いよね。

お奨めはできないな。

ん、何? 俺のほう、じーっと見て?

今の俺、カンテラモード。ダミーの眼が夜道を照らしてる。

「私でよければ、灯りになりますよ。」

「ホントっすか、えへへ、うれしいっす。」

いえいえ、うれしいのはこっちですよ。


見慣れたはずの浴場だが、明かりがないといつもと違って見える。

ドワーフもエルフも割と夜目が利くので暗がりには強い。

あまり、暗闇を恐れるって言う感覚はないみたいだ。

俺のセンサーは優秀だから暗闇でも見える。

今はダミーアイをカンテラモードで発光させて居るからなおさらだ。

だが、「暗い」と言う情報はちゃんと付与されている。

そのせいだろうか… 怖いんですけど! 俺!

肝試し状態! お化け屋敷!

がたっとか物音したら、怖がってタンケイちゃんに抱きついちゃうかも。

カモン、ポルターガイスト、ウエルカム。

女湯の脱衣場、久しぶり。

ええ! 人影!? 不気味な人影、眼だけが光ってる!!

心臓がキュッってなった。怖えええー! 心臓は無いけどね。

はい、鏡。脱衣場の大鏡。映ってるのは俺。

タンケイちゃんにかっこ悪いとこ見せらんないから悲鳴を必死で押さえこんだ。

と言うか悲鳴は上げた! 音声ボリュームをミュートしてごまかしました。

「暗いと、なんか、いつもと違うっすね。」

うん、違う。

「なんだか、わくわくするっす。」

ええー? そうかなあ…

同じことしてるのに感じ方全然違う。

種族の差? 男女差? 年齢差? おっさんとJK的な?

最後のが正解な気がする(泣)


タンケイちゃん、勝手知ったる自分の職場。

番台下の戸棚からタオルを持ち出すと脱ぎ始めた。

あれ? 

いや、脱いでるとこ見るのも、一緒にお風呂入るのも初めてじゃないけどさ。

前のときは、360度視界を使って見てるけど見てないふりって言うか…(ノゾキ)

紳士な感じを装っていたわけだけれども。

今回は、ダミーアイから照明を当てる関係で真正面。

脱衣をじろじろ見てるおっさんな感じになってしまっているんですが。

なんか、すげー悪いことしてるような気分、|(実際悪い)背徳的。

うわ、下穿き下ろそうとしてるタンケイちゃんと眼があっちゃったよ。

「え? えへへ、変な感じっすね。」

無邪気な笑みと暴力的ボディのギャップがまた、たまらないわけですが。

並んで浴室に入る。

「アイザックさん、洗ったげるっす。」

「え、いや、汚れてないから大丈夫ですよ。」

「ええ? でも、山で土を扱ったって…」

「先生から教わった洗浄魔法を使いましたから。」

「せ、洗浄魔法って、金属部品とか洗うやつっすよね!」

え、そうなの? まあ、金属だけど俺。

「痛くないんすか?」

うーん、まあ、けっこう痛いけどね、あれ。

「だめっす! そんなの絶対だめっす!」

心配してくれるのか。タンケイちゃん優しい。

「汚れたら言ってください! ウチが洗ったげるっす!」

ぎゅっと抱きついて来た。

タンケイちゃん的には抱きしめてくれたつもり。

体格差があるんでしがみついた感じになっちゃったけどね。

いい子だなあ、うれしくて涙出そう。

そして、いろいろ押し付けられてるんで他のものも出そう。

ま、おティンティンがあれば、の話ですがね。


浴場の水は山から湧き水を引いて来たもの。

工房で使ってる用水と同じ。

製鉄に使う大型触媒炉を冷却して出来たお湯。

だから、流しっぱなし。

湯温が下がった時のために加熱専用ボイラーも用意されている。

あんまし使わないそうだ。

実は、源泉温度が「25℃以上」であれば「温泉」

冷たい。

また、25℃以下でも定められた19の成分のうち一つでも基準値以上であれば「温泉」

日本では「温泉法」という法律で定められている。

だからこれは、たぶん温泉、かけ流し。

流しっぱなしか…ちょっともったいないかな。

温水を利用して養殖とか出来ないだろうか。

たとえばデイヴィーさんの入ったお風呂のお湯で養殖されたウナギ。

うーん、絶対売れる。写真付き。

…いつもならここでナビ君のドン引きツッコミが入るとこだが…

解析作業にリソースが食われているらしい。ツッコミなし。

…でも、男湯のお湯も混じってるよな。…却下だ!!


タンケイちゃん、がっぱがっぱとお湯を浴びてる。

他に人がいないから豪快、遠慮なし。

お風呂椅子に腰かけて、例のボディソープ的謎の液体で身体を洗う。

…カンテラモードは失敗だったよなあ。

常にタンケイちゃんの方を向いてないといけない。

ばつが悪い。すごく恥ずかしい。タンケイちゃんも黙っちゃったし…

何とかしないと…

あ、そうだ。

「背中を流しましょうか?」

うん、突っ立てるから変な雰囲気になるんだよな。

仕事してれば大丈夫、三助さん。俺は三助、サンスケロボ。

「え? じゃ、じゃあ…お願いするっす。」

ちょっとためらったようなタンケイちゃん。

タオルを渡して、背中を向ける。

カンテラモードの灯りに浮かび上がる白い背中。

ソープをつけて優しくこする。

「かゆいところはありませんか?」

「大丈夫っす。」

「人に洗ってもらうと…気持ちいいっすね。」

そう言ってもらえると、俺もうれしいですよ。

「この間の…」

ん?

「この間のマッサージ…気持ちよかったっす。」

おうっ、っと。ちょっとやり過ぎたよね、あれは。

「肩もみくらいでしたらいつでも申し付けてください。」

「は、はい。でも…シーちゃんが…」

黒エルフ、デイシーシーがなんだって?

「あれは恥ずかしいから人のいないときにやってもらえって…」

何言ってるんだよ、デイシーシー。人のいないときでもダメだよ。

って言うか、人のいない時の方がまずい気がする。

「今…誰もいないっす…」

ちょっ、まさかのおねだり?

えあー、いや、あれはー、いや、あくまでマッサージだからー

いけないってわけじゃないけどー

でも、ちょっと、問題あるようなー、ないようなー

「だめっすか?」

背中を丸めて、ちょろっとこっちの方みてる。

ちょっぴり頬を染めているのはお湯にあったまったせいかな?

可愛すぎる! このお誘いを断るなんて無理だよね。

「わ、わかりました…じゃ、じゃあ肩から…」

まずは肩もみからね。

ソープっぽい液体のせいでにゅるにゅるする。

ナントカって言う薬用植物の樹液らしい。触手とか、ないよね? そいつ。

ヒーターとバイブレーターを併用して最大の効果を引き出す。

この機体の学習機能のせいか、すごく上達してるよな、マッサージスキル。

なんだか、見る見るタンケイちゃんがリラックスして力抜けていくのがわかる。

もはや、達人。

「ふ、にゅうぅ~う」

変な声が出てるぞ。

「ま、前…」

ん?

「前の方もやって欲しいっす…」

あ、う、うん。そう来るよなー。

へ、へ、平成…平静を装う。おちち漬け…落ち着け、俺。

「では、私の膝の上に座ってください。」

あぐらをかくようにして座ると、膝上にタンケイちゃんを乗せる。

どっしりとした重みを感じる。

「こうっすか?」

もたれかかるように背中を預けるタンケイちゃん。

こっちは背中から肩越しに見下ろす感じ。

うーん、この角度からでも胸のせり出しが見える。

この体勢だと、体格差、身長差がはっきりするな。

後ろから手を回してマッサージ…そう、マッサージ!を続ける。

重量物を持ち上げるようにして、その重みを支える筋肉をほぐしていく。

「んん、すごく…気持ちいいっす。」

これにも学習機能が働いているな。

前回の経験から、正確にツボを突いていく感じ。

タンケイちゃんの弱いところ、て言うか、急所?

いや、そこって……スイートスポット…SEIKANTAI?

なに学習してくれてんですか、この機体!

巨大な柔らか物体に直接触れてマッサージ。

慎重にね。大切なものだ。もっともっと気持ちよくなって欲しい。

んん? 意外と手のひらに収まる感じ?

そうか、ドワーフは頭身も低く身体も小さい。

相対的には巨大に見えるタンケイちゃんのおっぱいも絶対的な質量はそれほどではないんだ。

まったく垂れる気配を見せない張りの良さは、この辺が関係しているわけだな。

手のひら全体で包み込むように、優しく圧力を加えてゆく。

にゅるにゅるソープのにゅるにゅる感がにゅるにゅるだ!

さきっちょこりこり、ぬるぬる、むにむに。

にゅるるん、ちゅるん! 

いかん、手が滑った! すべって零れ落ちる。

すぽん! ぷるるん。

「うふ!」

「あ、ごめんなさい。痛くなかったですか?」

「ふにゅにゅぅ~っ」

「アイザック、さあぁーん…」

とろろーんした声。ここだな!

むにゅーっと、きゅっ!

「んっ、ふふうっーー」

タンケイちゃんの投げ出すように伸ばした脚が緊張し、つま先まで強張る!

たちまちゴールに到達した。

ぐったり、力の抜けた身体を後ろから支える。

弛緩した両足の間に、ちょろ、ちょろ、って…

「あ、ふ? えへへ…でちゃった…す…」

余韻で朦朧としてる。

お風呂でよかったね。



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