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威嚇するよ


「うひ?」

ん、何?

「あ、あれ…」

キララが指差すほう、破損した獣機が…

なん? だと?

獣機が動いてる、ビームで打ち抜かれたり手足を失ったりしたやつが。

動く部分だけで這いずる様に動いて別の獣機と合流。

破損部分からジョイントみたいなのを突き出し、接続。

腰をやられて前足だけでずるずる動いてた奴は、後ろ足同士を絡み合わせる。

立った、立った! クララが立… うわあ…

ごちゃごちゃくっついた機械の固まりが不規則に生えた何本かの脚でモゾモゾと移動を始める。

はっきり言って気色悪い!

犬っぽいとか、獣っぽいとか…もう、そう言う話じゃない!

生命に対する侮辱を感じるってレベル!

物体X! THE THING!

帰還モードか? とことこと基地局側へ移動して行く。

なるほど、以前腰を打ち抜いた獣機の残骸がいつの間にかいなくなっていた理由がわかった。

大丈夫かな、工房の倉庫にしまってある奴。

こんな感じでモゾモゾ動くんじゃ…

部品を回収しているらしいってタモン兄貴が言ってたけど…

自分でも動くのか。

おまえら、そのカッコで基地…って言うか整備工場的なところまで帰るの?

見たら子供が泣くぞ。

うーん、トレーサーみたいなものがあればくっつけて追跡したい所だけど…

タマちゃんとかくっつけたらどうかな?

『外部接続の圏外になるでしょう』

そうだよね。じゃあ、返さない。

ビーム発射、移動できそうな脚とか全部切り離す。


「帰りますか、キララさん。」

ちょっとげんなりした。

「…目的。」

あ、そうか。そのために来たんでした。

結果から言うと、ダークゾーンは光だけじゃなくて電波も遮断した。

獣機に対してはかなり有効な対抗策だぞ。

骸骨塔の機能を完全に遮断できる。

…まあ、実際にはぶっ壊した方が早いってとこ、あるけどね。

でも、電波遮断の効果があることを伝えて褒めるとキラすけは上機嫌。

自分の魔法が役に立つことが嬉しいようだ。

「しかし、あの氷のバリヤーは素晴らしかったですね。」

「ご自分で考えられたのですか?」

「ふふん、我の実力のほんの一端に過ぎん!」

おお、帰ってきたな、【黒き宝玉】

いい調子だ。まあ、王女様相手にはちょっと問題あるからな。

その辺は自粛継続で。


帰る前に、俺を縛り付けていたワイヤーを回収。

驚くほどの強度。けっこう長いし、何かの役に立ちそう。

おやっさんへお土産にしよう。あー、しまった。

兵機も一体くらい捕まえて、ワイヤー銃も奪えばよかった。

ワイヤーは飛行ユニットに預けて先生ところに帰ってもらう。

「飛んで行きますか? 二人くらいなら運べますよ。」

「やだ!!」

全力で拒否!


しばらく並んで歩く、キラすけ鼻歌まじり。ごきげんだな。

今なら聞いてもいいかな?

「キララさん、昨日の夜のこと…聞いてもいいですか?」

「変な夢をみたんですが…」

ビクッとした。

「夢…? 昨日、繋がったのって? じゃあ、やっぱりあれ…」

身構えて、距離をとる。

「あれはお前か!! 居るんだな、中に! 中のヒトが。」

別に隠してたわけじゃないんですけど。

「あんなエッチなこと考えてたんだな!」

えええ?

「ええ? するとあの夢はキララさんが?」

「う、うう、あれは…その…我の能力。」

しまった! って顔。あの能力、秘密だった?

え? あれって…以前、話に出た…まさかドリームキャスター?

「夢魔族?」

「ハーフ! 夢魔ハーフ!」

なるほど、どういう家族構成かは知らないが、複雑だってのはディスカムから聞いてる。

ああー、兄弟からいじめられてたって…その辺が原因?

「そうだったんですか。」

色んな苦労があったんだな、キラすけ。

「ふふーん、お前! すました顔してけっこうエッチなこと考えてたな。」

ええ? あれ、俺のせい?

向こう、というかそっちが一方的に迫ってきたんですけどお?

すました顔って何だよ。表情なんか無いんですけどお?

「でも、あれは女性がせまってきて…」

「か、か、硬くしてた! かちん、こちん!」

いや、それはそうですが…キラすけの口から「硬くしてた」とか言われると…

はっきりいって興奮する。句読点がね、か ちんこ ちん! 淫語プレイ!

「そっかー、皆にバラされたら困るだろ。」

おお、マウント取りに来たぞ! うざい! 同情心が失せたぞ。

「ホントはエッチなこと考えてるって知ったらたら、みんなどんな顔するかの!」

カサにかかるキララ。ドヤ顔ウザ可愛い!

「まあ、お前が我にこうべを垂れるというのであれば、内緒にしてやらんでも…」

そんなの俺がそらっとぼけたら終わりじゃん。

だいたい、夢魔能力秘密なんだろ? そんな話したらバレちゃうじゃん。

バカだなあ。でも調子に乗ってるキラすけが超可愛い。アホ可愛い!

あんまし可愛いんで意地悪したくなった。

突然立ち止まると、わざと低い声。

「知ってはいけないことを知ってしまいましたね。キララさん。」

「え?」

「秘密を知られた以上、このまま返すわけにはいかん……」

ちょっとビブラートかける。

「え? え?」

サウンド機能オン、ゴゴゴゴゴと言う低周波音を発生。

目を光らせる! ピキューン!

キイイイーンという高周波音も発生、可聴音域ぎりぎりで不安をあおる。

若者にしか聞こえないというあれ!

俺は全然聞こえないのに「聞こえるよ。」って甥っ子から言われた時の衝撃。

「情報漏洩ヲ・防グタメ・対象ヲ消去……」

両手を広げて威嚇のポーズ!

ずい、ずずいっ! ひし、ひしと迫る。

「あ、わわわ…」

迫力に押されて、腰砕け。ぺたん、しりもち。

「ガオーーーー!」

ビルの街に吠える! 山の上だけどね。

「ひ、う、あ、うえ、ええ、えー」

あ、いかん、やりすぎ。泣き出した!

そして、チョロチョロ、プシャー。水精竜ウオーターシュート

ゴールデン水精竜!

いかん、いかん! 脅かしすぎた。あせる。

「あああ、ごめんなさい! 冗談、冗談ですよ。」

「キララさんがあんまり可愛いんでちょっと意地悪したくなったんですよ。」

「うえええーん。」

泣きじゃくる。いかん、泣いてるのも可愛いぞ。

「ひどいこと、しない?」

ぐずりながら上目遣い。

「しません! しませんよ! 私はキララさんのこと大好きですから。」

「カブトムシも? しない?」

憶えてたか、意外と根に持つ?

「しません、しません。」

抱っこする。抱きあげる。脇の下に手を入れて子供抱っこ。

「パンツ、ぬれた。」

足ぶらーん、ぽたぽた。

「洗います、洗いますから…」


水筒魔法護符から水を出してズボンとパンツを洗う。

送風魔法とヒーター機能で速攻乾かす。大急ぎ。

おしり丸出し、キラすけ。

前かがみでパンツを乾かしてながら話しかける。

「ところで、夢に出てきた【黒き宝玉】さんはずいぶん胸が大きかったですが…」

ポカリ!

「痛た!」

殴られた。おしり丸出しパンチ! 顔真っ赤!

ポカ!ポカ! 痛くもなんともないけどね。

「予定! ああなる予定! ああなるの!!」

ああ、あれは俺じゃなくてキラすけ側のイメージなのね。

【黒き宝玉】の理想形か。


パンツ履き直したキララ。ぷんすか。

ごめんね。

さあ、出発。抱き上げる。

「しっかりつかまってください。走りますよ。」

ぎゅっとつかまって来た。

なんだろ? すごく嬉しい。

「夢の中の【宝玉】さんも魅力的でしたが…」

「そのままのキララさんも、とても可愛らしくて素敵だと思いますよ。」

いっそう強くぎゅっとしてくれる。

「えへへ」

さあ、みんなのところへ戻ろう。


キラすけの新情報については途中で相談。

「夢魔ハーフのこと知っているのは?」

「マビカは知ってる…ちょっとやっちゃたし…」

何をやったんだ?

そういや、アイツ。妙に偏った性知識を持ってたよな。

「ディスカムは知らない。」

うん、賢明だ。あいつには話さない方がいい。

おっぱいを見たがるかもしれないからな。

それに憧れのサキュバスが、「こんな」だと知ったら絶望するかもしれないし。

何と言っても隠し事のできるタイプじゃない。

「普段は我の鋼鉄の意思でコントロールできるのだが、昨日はお酒が…」

鋼鉄の意思! ウソつけ!

たぶん、そんなに能力が強くないんで目立たないんだろう。

昨晩みたいに密着してないと発動しないのかも?

「うーん、先生に話していいですか?」

「知っててもらった方がいいと思うんですよ、先生には。」

イオニアさんの固有重力魔法とか秘密にしてるから、口は堅いし。

能力の応用にかけちゃピカイチだしね。

先生しぇんしぇなら…いいけど…」

それじゃ、そーいうことで。

走る走る。ふと思いついた様にキラすけがつぶやく。

「ディスカムは夢じゃなくてもすぐ硬くする。」

その情報はいらなかったなあ。


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