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エッチな夢を見るよ!


キャンプ宿泊、雑魚寝。

世が世なら王女さまのはずのイオニアさんも平気で雑魚寝。

この世界、ワイルドだぜ。

明かりには触媒魔法のランプを一つ点けただけ。

アイワさんが交代で見張りするか? と聞いてきたけど、俺ひとりで十分。

俺は睡眠は必要ないからな。

タマちゃん、トンちゃんの夜行能力を確認しつつ、夜を過ごす。

モゾモゾと動く影、一人が立ち上がる。

キラすけでした。

俺の目の前までやって来た。

「おしっこ」

うーん、何でみんな俺に申告するんだろう?

「はいはい、こっちですよ。」

全天視界の隅でアイワさんがカタナに手を伸ばしているのを確認する。

ここはお任せします。

ライトで照らしながら同行。


川べりで用を済まして戻ってきた。

滝の音があるんで水音は聞こえませんでした。残念。

「アタマいたい。」

あー、お酒の影響ですな。

「水を飲んでおいたほうが良いですよ。」

「んー」

水筒魔法陣護符を取り出し、カップに注いでガブガブ飲んだ。

「マビカさんが込めた物ですね。」

「マビカ、気合入れてたから、凄いいっぱい入ってる。」

「いつもご一緒だったのに、寂しくありませんか?」

「んー、大丈夫。たまには二人きりにしないと、進展しないし。」

え?

「マビカさんとディスカムさんはそういう?」

「マビカはその気。」

「でも、も少しおっぱい大きくならないと無理かも…」

あはは、しっかりしろよ。ディスカム。

…今、みんなピクッて動いたよね? 起きてる?

コイバナ。女子ーズの大好物。

デイエートとネコミミコンビは耳がピクピクしてるから丸わかり。

先生だって…先生は寝てるな、熟睡。

俺は灯りの前に腰を下ろす。

と、膝の上に座ってきたぞ!? キラすけ。

やっぱ、寂しいんじゃん。

いいんですよ。ヒーター機能オン、人肌モードでね。

すぐにうとうとし始めた、今日は疲れたからね。

ほんわかした気持ちになる。こういうのも良いね。

小っちぇなあ、ちゃんとご飯食べてっか?

こんな小さな体でつらい目にもあってきたんだなあ。

今は安心していいぞ、ディスカムやマビ公と会えて良かったな。

先生だって、お前のこと、もう弟子だと思ってるぞ。

あの、威勢のいい言葉にはイオニアさんだけじゃなく、お前のことも入ってた。

うん、間違いない。

アタマなでなでしてやりたいが我慢する。ちょっとレディに失礼かなって。

俺だって、お前のこと、大事に思ってるぞ。

…暗がりの向こうでデイエートがにらみつけてるのがちょっと気になるけどね。

変なことはしませんよ?


見張りはトンちゃん、タマちゃんに任せて俺も眠る。

と、言っても全部が眠るわけじゃない。

この機体のほとんどは機能したままで、『魂』である俺だけが眠る感じかな。

「アイザック」の内、いったい何%くらいが「俺」なんだろう?

どんどんパーゼンテージが下がってる気がする。

襲撃者を片付けた時にもまったくためらうことが無かったしな。


夢を見ていた。夢?

誰? 黒いドレスの女性。知らない人だ。

喪服? 違うな、レースのミニドレス。レース過ぎる。

レースの下は地肌がのぞく。大きく、深く開いた胸元。

今にも零れ落ちんばかりのふくらみが扇情的だ。

折れんばかりに締まったウエスト。蠱惑的なヒップ。

胡坐をかいて座っている俺。彼女を見上げる。

俺? 人間だった頃の俺。若いな、お腹周りが特に(笑)

ちょっと理想化されてるな。腹筋は割れて無かったぞ。

てゆうか、俺、ヌード。

女性が四つんばいになり、近づく。

獲物に迫る肉食獣。エサは、俺。

身を乗り出して俺の胸に手を当てる。

黒絹の手袋。布地の感触が生々しい。

胸に当てた左手を滑り上げて肩に掛け、くい、とひきつけるように迫る。

右手で腹筋に触れる。

その手を滑らせて、下に…ああん、そこは!

おお? おティンティンがあるぞ!

久しぶり、元気だった? うん元気!!

フル元気状態。忘れてましたこの感覚!

女性の手が先端を包む、そのまま下に滑らせて男子最大の弱点を甘く握る。

絹地越しの指が愛おしげに動く、思わず快感に呻く。

体を預けてくる、やわらかいふくらみが押し付けられる。

押し倒された。

顔を近づける。つややかに光る唇。見つめ合う。

どこかでお会いしましたっけ?

いや、知ってる。俺はこの女性を知っている。


闇の女帝たる漆黒の魔道士【黒き宝玉】!!


『何やってるんですか』

『ええ? あなた誰? どこから入ってきたんです?』

おうっと! ナビ君!!

え? 夢じゃない?? 何これ? どういうこと?

現実に戻る! 夢から覚めた。ロボ化してから初めてだよ、こんなの。

ふと見ると、膝の上のキラすけ。

びっくりしたように俺の顔を見上げてる。

目がまん丸。ぱちくり。

ぽーっと、顔が紅潮。あわてて立ち上がる。

「ごめんなさい! お、おやすみ」

元の場所、先生のとなりに毛布をかぶって横になる。

ええ? どういうこと?

『精神攻撃を受けていました』

はあ? ほんとに? どういうことなの?

そして、デイエートがすごい目でにらんでるんですが。


新しい朝が来ました。

あくびして伸びる先生、まだネムネム状態のイオニアさん。

メイドーズはすでに朝食の支度に取り掛かっている。

スカジイちゃんは寝癖ついてるけどね。

アイワさんはすでに警戒態勢。

キラすけは…寝てるじゃん!

「キララさん、起きてー!」

起こしてるのはベータ君。

「目的地はここから30分くらいだけど、」

「道がないからもうちょっとかかるかもな。」

デイエートが俺の作った地図を見ながら説明。

時々、ちらちら俺をにらむ。

いやいや、変なことはしてませんって。

でも、あれは何だったんだ?

当のキラすけはふつーにご飯食べてるけど。

ここはキャンプに最適、ベースキャンプ。

なので今夜のお泊りもここまで戻ってくることになった。

荷物もそれに合わせて置いていけるものは置いて行くことに。


さて、出発、荷物を担いでっと思ったらデイエートが止めた。

「あの滝を越えるから、荷物は別で。ロープで引っ張り上げる。」

ほほう。ちょっとしたクライミング気分。

「まず、ロープ張るから。」

飛行ユニットで楽勝、と思ったけど、上で縛り付けなくちゃいけない。

まず、デイエートが登って飛行ユニットがロープをわたす。

するすると登るデイエート。速い。何で?と思うほど軽々と急斜面をクリア。

斜面じゃなくて崖だよね。

「お姉さま、素敵…」

イオニアさんうっとり。いいとこ見せたな。王子エルフ。

崖上の木にロープを縛り付けてから下に投げ下ろす。

「引っ張るから、力持ち…アイザック! 上がって来い!」

俺かー、まあそうだよね。

ロープを使うか…いや、試してみるか。

崖をスキャン撮影。登板ルート構築。

指先の摩擦力を強化。気分は赤青蜘蛛男。

うん、登れる、登れる。ボルダリング、ボルダリング、やっほー、ヤッホー♪

浮かれてるな、俺。

いやいや、お嬢様にいいとこ見せたかったわけじゃ…

すいません、いいとこ見せたかったです。

そして、登った先ではデイエートと二人きり。

「お前、あの黒いのに何かしたんじゃないだろうな?」

な、何言い出すんだよ。何するって言うんだよ。

「何、と言われましても…」

「小さい子が好きなのか?」

まさかのペド野郎疑惑。

「ちょっと、おっしゃっている意味がわかりませんが。」

「じゃあ、やっぱり大きい方がいいのか!? 小さいのはダメなのか?」

ええー、どうすればいいんだよー!?

「おーい、どうした? 荷物縛ったぞー。」

崖下から先生の声、助かった。


エッチラ、オッチラ荷物を引っ張り上げる。

まあ、俺ににしてみれば軽作業だが、となりのデイエートの機嫌が悪い。

原因がさっぱり不明なのが困る。

荷物を上げ終わったら、今度は人。

ロープ使って自力で上がってもらう。

荷物と違って引きずり上げるわけにはいかないから。

でも、キラすけはできるかな?

「私はいったん降りて下からサポートします。」

降りるときはロープを使ってするすると。

ロープ使うのはお嬢様、先生、サジーさん。

アイワさんはデイエート並にひょいひょい登る。

スカジイちゃんはしゃかしゃか登る。ロープ使わない方が楽しそう。

ベータ君はちょっとためらったけど、ロープで先に登ってもらう。

よし、最後はキラすけ。

「んっ、はっ、とりゃー!」

掛け声は勇ましい。

うん、途中まで登って立ち往生。ぷるぷるしてる。握力が限界。

予想どおり。

後ろから登って、押す。

「私の肩に立ってください、押し上げますよ。」

手のひらの摩擦力を最大に調整。あと、キラすけが足を乗せた肩口も。

「おお、らくちん。」

良かったね。

しまった、サジーさんにもやってやればよかった。

そうすればスカート内のふさふさ尻尾が見れたかもふもふ。

イオニアさんが手を伸ばしてキラすけを引き上げてくれた。

「さあ、アイザックさんも。」

え、いや、無理でしょ、さすがに。俺は。

そう思ったんだけど、差し伸べられたお嬢様の手がとても綺麗。

さわりたい。綺麗お嬢様の白魚のような指に触れてみたい。

コンビニ美人店員さんにお釣をもらいたくてsuica使わず、現金払い。

そんな感じで、思わず手を差し出してしまう。

ぎゅっと握られる。

うーん、良かった! 握ってもらって良かったよ。

ずっと握っててもらいたい。

と、

足場にしていた石が、ぽろっと落ちた。お約束。

セルアニメの時代には落っこちる石は背景と色が違うんでまるわかりだったんだよ。

いかん、お嬢様巻き込んじゃうぞ。

とっさに腕を切り離す。

唖然とするお嬢様。落っこちる俺。

まあ、この程度の高さ、この機体の運動能力からすれば屁でもない。

とと? あれ? 制御が… うまくいかない。

『重力加速度の計算に失敗しました』

ああー、固有魔法のアレ!

お嬢様が落っことした、って扱いなのか、今の俺。

1Gを超える重力加速で落下、とっさに崖をけって滝つぼに落っこちた。

じゃ、ぽーん! 派手な水しぶき!

この程度でどうこうするほどやわなボディではないけれど、かっこ悪い。

イオニアさんは切り離された俺の腕を、うひゃって感じで放り出したし。

放り出された拳骨シュートも1.2Gくらいの加速で落っこちました。

興味深いな、この固有魔法。

川から上がって、ずぶぬれ。体表面を撥水状態にして、イヌプルプル。

「すいません、腕、投げてもらえますか。」

崖上に声を掛ける。

あわてて拾おうとするイオニアさんを制して、先生が拾って投げてくれた。

「きれいになって、良かったじゃないか。」




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