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王国の事情を聞くよ


ベータ君と一緒に薪になりそうな枯れ枝を集める。

川岸沿いに落っこちてる流木。

枯れてから時間がたっているからよく燃えそう。

と思ったら、触媒魔法で燃やす時はあんまり関係ないそうだ。

抱えられるだけ抱えてキャンプに戻る。

「もう大丈夫でしょうか? 水浴び。」

「みんな服を着終わったようですよ。」

残念ながら皆着衣。若干1名、おっぱい放り出してる人がいるが。

もちろん先生。首にタオル掛けてる、おっさんぽい。

ベータ君、視線は逸らしつつもスルー。

「薪、集めてきました。」

「お疲れ様です。」

サジーさん、手近にあった小枝を集めてお湯を沸かし始めてた。

そんなでっかい鍋、どこから出したの?

このスカートの下に、あのふさふさ尻尾が隠れているのだと思うと…

のぞきたい。地面に這いつくばって覗き込みたい。

ローアングラー!

水から上がった後、一生懸命拭いてたのが、かわいい。

見かねた先生がドライヤー魔法で乾かした。

伸ばした尻尾に風を当てられて恍惚としてたのが色っぽかったですよ。


「ベータ君も汗を流したら?」

お嬢様がおすすめ。期待に満ちた目。

『みーずあび! みーずあび! みーずあび!』

と言う、女性陣の心のコールが聞こえる。

にまにま顔で見てる、スカジイちゃん。

サジーさんも横目で見てるぞ。

「ぼ、ぼくは拭くだけでいいですー」

残念でした。正直、俺もちょっと見たかった。


「アイワは? 見張り交代するよ。」

デイエートの呼びかけにうなづくアイワさん。

ほほう? 鬼人達人水浴。

「流させてもらおう、ちょっと蒸れた。」

「わわ、ちょっと待って!」

あわてるベータ君。

「何だ今さら、ちょっと前までイーディと一緒に…」

「わー! わー!」

ああ、女湯。ベータ君、お姉さん、同僚鬼人お姉さんもご一緒に。

みんなでお風呂で楽しいな、的なことがあったんですな。

そして、きっと、ベータ君よりお姉さんたちの方が楽しかったに違いない。

ベータ君は下流方向へ駆け戻る。逃走!

「ふふふ、恥ずかしがる歳になったか…」

うんうん、感慨深げなアイワさん。

胸当て革鎧を外し、シャツの前ボタンを外していく。

俺のことは気にしないんですね、やっぱり。ロボだしね。

シャツの前を開くと…

え? さらし?


さ・ら・し! 胸にさらしを巻いているぞ! アイワさん。

シャツを脱いで、さらしを緩めると…ふくらんだ!

ぼわっと膨らんだ! 布団圧縮袋から解放された布団のように。

膨らんで、ゆさっと下がった。ゆさっと下がって跳ね返る。

縦揺れ! バウンド! 

驚天動乳! 驚くべき驚愕のサプライズ! びっくり仰天、驚いた!

てっきりデイエート同様、アスリートパイの持ち主、持たざる者だとばかり思っていたのに!

裏切り! デイエートが唖然としているぞ。仲間じゃなかった。

「え、え、え?」

狼狽する貧乳エルフ。俺同様、先入観があった模様。

「意外と胸あるんだな、アイワ。」

先生がはっきり言う。遠慮とか言う機能は先生のライブラリには無い。

「動きにくいんで押さえてるんですけど…汗をかくと…」

「なるほど…タンケイのしてた胸ホルダー…ダットと相談して商品化を…」

何やら考え込む先生、ブラジャー商品化計画を本格化か?

金儲けの匂い!

「試作したら、アイワにも意見を聞こう。」

「デイエートにも協力してもらうか…『色んな』ユーザーの意見を…」

個人差、多様性の時代、世界に二つだけの乳。

先生は塩を塗りこんでいく、傷口に。

…いかんな。

ショックを受けたデイエートは見張り役としての注意力が低下。

ここは俺が頑張らないと。周辺に注意を払う。

アイワさん本体の警戒はタマちゃんに任せよう。蜘蛛モードで樹上から監視。

トンちゃんは川底へ。

余り近づかないで、動かないように。

アイワさんは達人だ。感づかれる恐れがある。

今、ドローンズのステルスりょくが試される。

そんな俺の思いを知ってか知らずかアイワさん。

まあ、知らないんだけど。

下穿きも脱ぎ捨てると、川面へ泳ぎ出した。

「ふっ!」

一気に深みへもぐる。

川底のトンちゃんに迫る勢い。

おおう! 水中裸身が接近、ターン!

豊かな胸と引き締まった腹筋、おへそ、その下の部分。そしてすらっと伸びた脚。

ちょうど、視覚センサーの目前を弧を描いて通過。

気づかれたか?っとドキッとした。

深みでターンすると一気に水面に。脚で水を掻いて加速。

水面に飛び出す。鬼人の身体能力、すごい。

足首くらいまで飛び出した。

そのまま仰向けに水に浮かんでリラックス。

圧縮から解放された胸が重力にも負けず水面から突き出す。

写真に撮ったらUMA認定されちゃいそう。


水浴びも終わり、ベータ君も戻ってきた。

ちょっと下流で身体を拭いて来たらしい。

ベータ君の水浴びも見たかった。残念。

ネコミミ登山家フレンチメイドコンビが準備してくれた食事。

スープ、パン、干物をスープで戻して焼いた的な何か。

ちょっと味が想像できない。

みんなニコニコ食べてるから美味しいんだろう。さびしい。

食べ終わったあと、お茶タイム。

お茶? ハーブティー的なもの? ジュース? 


「さて、キララ。」

先生の呼びかけにビクッとするキラすけ。

「お前は知ってるんだな、イオニアの事。」

うんうん、頷く。

「すると知らないのは…」

アイワさんも頷く。

「お前だけだな、アイザック。」

ひどい、仲間はずれ。

「まあ、ここまで来たらお前も当事者だ。聞いておけ。」

「王都の成り立ちは知ってるな?」

「いえ、さっぱり。」

ごめん、古代史とか伝説とかの本は先生んちにあったのを読んだ。

でも近世と言うか、現代史と言うか、そういうのはさっぱり。

「そっからかー。」

先生の説明。


この世界の「国家」の有り方は俺が知ってるのとはずいぶん違う。

地球で国といえば、領土、領海といった「面」が基本となる。

この世界では「点」であり「線」。

理由は、まず地図がないこと。正確な測量法が無い。

もしかしたらあるのかも知れないが、現実に誰も測量していない。

衛星も航空写真もない以上、現地を歩いて測るしかない。

必要とされる労力を思えば当然か。

したがって客観的な距離が意味を持っていない。

「何キロメートル離れている」よりも「歩いて何日かかる」の方が重要だ。

国土地理院が名称を決めてるわけでもない。

土地や山の呼称さえ町や村によって違う。

「オラが山」は隣の村では「東山」、反対側の村からすれば「西じゃん!」てことに。

人口密度が低いので人跡未踏の地は事実上存在していないも同然。

国境を決めようが無い。

農地や山林といった土地に執着した日本の中世とも趣が違う。


「王都」はこの辺で一番大きな城塞都市。

突出した軍事力を持っており、他に5つの城塞都市と5つの町が属している。

点在する城塞都市や町、村、そしてそれをつなぐ街道が国家の要素。

中心となる王都とその軍事力目当てに従属、協定、同盟した町が国家を作っているわけだ。

「言っちゃあなんだが、しょぼい国だ。」

「出来てから200年くらいしか経ってない。」

「先々代の王様が建国した。」

先生が説明してくれる。

初代の王様ナビンは「勇王」と呼ばれる英雄でむっちゃ強かったらしい。

争ってばかりいた都市をまとめ上げ、近隣のモンスターを討伐した。

「魔王」を名乗って魔獣を作り出していた奴もぶっとばしたので、「勇者」になった。

ここら辺の領有を宣言して王様になった。なので「勇王」。

言ったもん勝ちな、けっこうふわっとした建国だったらしい。

お前ら、喧嘩してんじゃねえよ! 俺が王様やってやるよ、みたいな。

メンドくさいことは苦手だったので、行政は息子に譲って軍を指揮した。

喧嘩してる奴がいたら殴って止めるのが専門。

まあ、人柄っていうか、カリスマって言うか。

他の都市もあいつならいいかあ、って感じでうまく治まったらしい。

「ま、この間まで生きてた。」

「年甲斐も無く愛人を作って子供まで生ませた。」

「しかも、その後ポックリ逝きやがった。」

先生、知り合い?

「その子が、まあ、イオニアってわけだ。」

ええ、王女様か?

「父が…どうも、ご面倒を…」

お嬢様、ばつが悪そう。

退位した後に出来た子なら、王女じゃないのかな?

「今の王様は勇王の孫だが、ぱっとしない奴だ。至上主義者とかがはびこる。」

お嬢様の年上の甥ってことか。

「イオニアの母親はカロツェ家の娘でな。」

「レガシと取引してるのを見てわかるように、カロツェ家は他種族とも協力していこうって派閥だ。」

「融和派と呼ばれてるが…」

「まあ、要するに建国の英雄である勇王の子が融和派の重鎮の家にいるんじゃ都合が悪いってわけだ。」

勝手な話だな。正直ピンと来ない。

まあ、貴族とか王族とかのこだわりが、庶民の俺にわかるわけも無いが。

「ナビンが死んだあと、毒殺されかかった。」

ぎょっとする。ひどい話だ。

「ま、そんなわけで取引のあるレガシに疎開してきたって所かな。」

「わたくしは別に、王都に戻りたいと思っているわけでもないんですが…」

「至上主義者に手を出されるのはもちろんだが、融和派に神輿みこしにされるのも気に食わん。」

「レガシの街で勝手なことをする奴や、私の教え子に手を出す奴は痛い目に合わせてやる。」

頼もしいぜ、先生。気合い十分。

あれ? 妙に気合入りすぎ?

あー、それ。今飲んでるの、お酒ね。酔っ払い。

うおっと! キラすけまで飲んでるじゃん!

未成年飲酒! SNS炎上案件!

「キララさん、それ、大丈夫なんですか?」

「へぶあ? らにが?」

大丈夫じゃなかった。

「うおっと、」

「あらあら!」

あわててデイエートが取り上げる。

おお、奪い返そうと抵抗するキラすけ。気に入ったのか?

「んんー」

とか言いつつ、取り上げられたカップに手を伸ばす。

イオニアさんが抱きとめて制止。

「こっち、こっち!」

サジーさんがノンアルコール(たぶん)のお茶っぽいのを渡そうとするが…

「あら?」

すでに、寝落ち、お嬢様に抱きついたまま。


そろそろ寝ますかね、みんな。

 

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