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偵察ドローンを起動するよ


ファッションポリシーを満たして元気を取り戻したキラすけ、マビ公を工房の外にリリース。

工房内で何かやらかすと迷惑。おやっさんに怒られる。

あれ? いっぺんおやっさんにしかってもらった方がよかったか?

でも、おやっさん子供に甘そうだし。


「おやっさん、遅くなりました。」

「おう、ベータから事情は聴いとる。」

さすがベータ君、ちゃんとフォローしてくれてた。ありがとう。

そのベータ君は?

「ベータには触媒魔法陣の工房を見てもらっとる。この間の騒ぎでバタバタしたからな。」

照明魔法のラインを閃光輝ライトニング製作に流用したところだな。

「アイツの描く魔法陣は精確だからな、エルディーよりいいくらいだ。」

有能だなあ。

「あの、空飛ぶ魔道機な、ちょっと動かせないか?」

え、邪魔?

「カロツェの隊商が買い付けに来る。あんまり見せない方がいいだろ。」

「わかりました。北の遺跡に移します。」

中庭に出る。まあ、どこからでもコントロールできるから出てくる必要はないんだけど。

急に動かして、周りをびっくりさせてもいけないからな。

エクソ・コネクション・デバイス・オンライン!

飛行ユニットを起動。マルチタスク、スレッド・セパレート!

意識が飛行ユニットに同化。

うん? そういえば飛行ユニットにも本体同様に設定項目があったな。

この間はいそがしくてまともにチェックできなかったが。

設定画面…おお、出て来た。

武器ライブラリは、うーんビームだけか。

運搬モード? ああ、ナビ君が言ってた本体を輸送するやつだな。

いや、本体輸送モードは他にあるな?

コンテナを運搬? 専用コンテナ?

『専用コンテナは北遺跡の格納庫内に』

じゃあ、埋まってるんじゃん。

時間があれば遺跡をじっくり調べないとな。

お? これって…偵察ドローン!!

こんな所に! 飛行ユニットに収納されてたのか。

『見つけちゃいましたか』

見つけちゃいましたよ!

しかも、2体も収納されてるぞ。両翼に収納されてるんだな。


飛行ユニット起動!

機首と翼を展開。ゆっくりと上昇。

ドローンのうち1体を射出。

ユニット本体は北へ向かう。

ついでに先生の家の様子を確認。まだ、起きてこないようだな。

そのまま遺跡へ移動。前方後円墳の「前方」の部分に着陸。

待機。

そして俺の手元には偵察ドローンが。

蜂? 翅の生えた蜘蛛?

蜘蛛っぽいですが、何か?

まあ、6本脚だけどね。

って言うか、脚の部分は例の鉄蜘蛛のミニチュア版て感じ。

飛行は羽ばたき式、昆虫みたいな透明な2枚翅。

翅を畳んだ。カバーがかかってテントウムシ?

脚とおしり、昆虫的には腹?をたたみ込んで収納。

丸くなっちゃった。下半分も球状になって完全に球体。

ピンポン玉よりは大きく、野球のボールよりは小さい。

ちょうどガチャのボールケースサイズくらいだ。

魔法ディスクをしまっておくポシェットに入っててもらう。

いつでも使えるようにしておかないとな。

いつ使うかわからないしな。うんうん。

『女湯での使用は禁止です』

え? うーん…


さてさて、魔道機本体すなわち俺は工房でおやっさんの手伝い。昨日の続きだ。

俺がウロコの穴あけ、おやっさんが研磨作業。

そうこうしてるうちに、中庭が騒がしくなってきた。

「おっと、カロツェの隊商だな。」

工房長はいそがしい。

俺本体もあんまり見られないほうがいいだろう。

と言うことで俺はよろい戸の隙間から覗き見。気分は祐次郎。


ビクターさんだ。おやっさんと話してる。

荷車に次々に商品を積み込んで行く。全部、王都へ運ぶんだろうか?

荷車を引くのは、牛っぽい馬? 馬っぽい牛?

ん? 

荷物の積み込みにいそがしい隊商の人夫たちの中から、一人がふらふらと離れる。

さぼりか?

いや、怠け者の動きじゃないな。すすっと工房の中へ入る。

怪しい! 

もう出番が来るとはね。思ってた使い方とは違うが。頼むぞ、偵察ドローン。

タマちゃんと名づけた。丸いからね。

翅を開くとほぼ無音で飛び立った。

見える、見えるぞ。

飛行ユニットとは違って、意識共有ではなくウインドウ表示な感じ。

居た。男は工房の中を覗き見ている。

女湯はそっちじゃないぞ。

タマちゃんは飛行するだけじゃない。垂直の壁や天井にもとまれる。

本体と同じ全天視界だ。ズームアップ、顔を記録。

男は、す、す、と静かに移動。足音立てないぞ、こいつ。

倉庫の中を覗き込む。獣機の残骸をしまってある所だ。

ぎくり、としたように立ちすくんだ。

何かを納得したようにうなづくと、その場を離れた。

何食わぬ顔で中庭に戻り、作業につく。

どうしたものか、取り押さえるほどのことをしているわけではないし。

ビクターさんは知っているんだろうか?


荷物の積み込みを終えた隊商はガラガラと出発していった。

見送ったビクターさんが、先に作業に戻っていたおやっさんのところにやってきた。

「おう、支店長。アイザックがな、変な奴がいたって…」

「アイザックさんも気づかれましたか。すでに間諜が混じっていたようですな。」

「どこの奴かな?」

「商売仇くらいならまだいいんですが…」

「獣機の残骸を気にしていました。」

「どこかへ移した方がいいか…」

「北遺跡の地下はどうでしょう? 入れる所だけでも十分なスペースがあります。」

あそこは俺んちみたいなもんだかだからな、提案させていただく。

「入り口が狭いからなあ…エルディーの私物もあるし…」

まあ、先生とも相談だな。

「ところで、アイザックさん。」

なんでしょ? ビクターさん。

「エルディー導師が新しい弟子をとった、と言うのは本当でしょうか?」

「正式な弟子ではありませんが、指導をしているのは事実です。」

「それを聞きつけて…その…」

「お嬢様がすねてしまいまして…」

ああー…

お嬢様、意外と情報早いよね…

「イオニア様はどうも、独自の情報網を持っているらしくて…」

やり手だな、意外と…

「エルディー先生と相談します…」

「すいません、よろしくお願いします。」


おやっさんに冷蔵庫の件について相談。

「断熱…材?」

「冷凍魔法でつくった冷気を閉じ込めておくわけか…」

冷蔵庫って言うより、クーラーボックスだな。

「保存魔法と併用すれば結構長持ちするのではないかと…」

「うーん、肉や魚を生のまま輸送できるかも…」

ビクターさんも乗り気だ。

「考えがエルディーに似て来たな、アイザック。」

おやっさんに言われちゃったよ。

「獣の毛皮は寒さから身を守る…とすれば逆に冷気を逃がさないかも…」

「いやいや、値段が高すぎるか…」

うーん、発泡スチロールなんてないだろうしなあ。


何やかやと仕事をこなしているうちに帰る時間。

ディスカムがマビキラを伴って帰ってきた。どこかで合流したらしい。

え? お前、その頭!

髪が短くなっている。ふんわか系だったのが短く刈り込まれて精悍系に。

「どうした? お前。」

おやっさんもびっくり。

「キラの帽子を見て、服飾工房へお礼に行ったら…」

「エルディー導師に弟子入り志願したという話になりまして…」

「意気込みを見せるんなら髪を切るのがいいと…」

そして刈られた。

「ダークエルフメイクのおっ…女の人が刈ってくれました。」

ダークエルフメイクのおっぱいの大きな女の人がな。

デイシーシーだな。

俺は最初に会ったとき、ガングロ化粧に気をとられておっぱいまでは気がまわらなかった。

お前はちゃんと気づいたな、さすがだ。

短い髪もなかなかいい感じだぞ。

サイドも刈り込まれて耳が丸見えになってる。大きさは控え目だが、エルフ耳だ。

この街に来て、エルディー先生と出会って心境の変化もあったんだろう。

「うん、似合っとる。ぐんと男前が上がったぞ。」

おやっさんにも好評だ。

「で、家は見つかったのか?」

「はい、ちょうどいい空き家があるというので。」

「部屋数もあるので、男女別に出来ますし…」

「ま、組合長はその辺、きびしいかんな。」

「ちょっと準備が要るというので…もうしばらくお世話になります。」

「おう、任せとけ。」

ディスカムにベータ君を呼びに行ってもらう。

マビキラもくっついていった。

「空き家か…」

ん? 何? おやっさん。

「たぶん獣機にやられた奴の家だな。」

ああー…、言わないでおこう、あいつらには。


ベータ君は直接帰宅。ディスカムもおやっさんと帰宅。

俺はマビキラと一緒に先生宅へ。

途中でお弁当を買って帰る。

「ディスカムはねえ…」

マビ公、どうした?

「おっぱい大きいのが大好きなんだよ。」

うん、知ってた。でも、言っちゃうんだ、マビカちゃん。

「工房でも、あのドワーフ職人娘が居ないかときょろきょろしておった。」

うん、良く観察してるな。キラすけ。

「弟子入り志願も導師のおっぱいがでかいからに違いない。」

言われてるぞ、ディスカム。キラすけ辛らつだ。

ま、俺もそう思うがな。

悪口言いながら、楽しそうなのがいいよね。

好かれてるぞ、ディスカム。


「うーん…」

イオニアお嬢様がすねてるという話を聞いた先生、考え込んだ。

「何か、イベントが必要だな。」

お花見とか、バーベキュー的なあれですかね?

「おまえがぶっ壊した鉄蜘蛛…そのまんまなんだよな。」

「はい。」

「私も見てみたいし…フィールドワークだな。」

「山越えだから、1泊…往復だと2泊3日か…」

「イオニアにはちょっときついか? ま、お前がいるから大丈夫か…」

まあ、いざとなれば俺が抱っこでもおんぶでも…

いかん、すげー楽しみになってきたぞ。お嬢様おんぶとか、期待大。

背中にふにゅんと当たってしまうとか、おしりに回した手があったかいとか。

いいですね、それ。いいですよ。

「わたしもちょっとなまってるからな、リハビリになるか…」

「護衛にはデイエートをつけて…リハビリばっかりだな。」

こいつら、どうするの? 連れてく?

「ま、明日の訓練の様子しだいだな。」


「明日はしごくから早く寝ろ。」

って言われて微妙な顔するマビキラ。

そして、やっぱり脱いで寝るのね。



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