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先生が護身術を教えるよ


マビキラの服をかかえて家路に。

おやっさんから果物とかお裾分けをもらった。

冷やせばきっとおいしい。まあ、俺は食べれないけど。

給水桝に漬けとけば冷えるかな? 冷蔵庫があったらいいのに。


エルディー先生宅へ戻ると、家の前でなにやらやってる。

マビ公が構えてる。視線の先に丸太。標的まとか?

おっと、ディスク、魔法護符を取り出し

氷雪虎スノーレパード!」

おお! 気温が、冷え冷え!! 冷蔵庫いけるじゃん!

マビ公の周りにキラキラ、ダイアモンドダストか?

水精竜ウオーターシュート

マビカの固有魔法、水が噴き出し…水じゃねえ、氷!

ツララ状に尖った氷の針が何本も発生、標的の丸太に突き刺さる!

…怖ええええ! 何してんの、アンタら?

「おう、アイザック。どうだ? これ。」

先生がいい笑顔。

「護身術くらいは身につけた方がいいと思ってな、ちょっと工夫してみた。」

「氷は我ながらいいアイデアだと、溶けたら証拠が残らないしな。」

何言ってんの、先生!

マビ公が、ふんすかドヤ顔! うざい!

でも鼻水出てるぞ、寒かったのね。

いや、マジ、何やってんの先生。

見習い以下のへっぽこボクっ娘魔道士がたった半日で暗殺者に。

なんて危険人物なんだ。エルディー導師。

「キララもアレ、やってみろ。」

「押忍!」

おーい、キラすけ。キャラぶれてるぞ!

「黒き宝玉の呪いに依りて、この者を閉ざせ!闇の堕界(ダークワールド)!」

え? 真っ暗? 真の闇だ。

ここしばらく視覚センサーの性能で真夜中でも平気で見えてたのに。

ええ? 世界中、闇? どうなってんの? 視覚センサーが故障?

光の存在しない別世界に放り出されたような気分。

「へぷしっ!」

すっと光が戻る。今度はキラすけがドヤ顔! マビ公の2割増しくらいうざい!

でも、今の何? へぷし、もしかしてくしゃみ?

「驚いたか? 例の闇の岩戸(ダークゾーン)をお前の顔の周りに発生させただけだ。」

「傍から見てると顔の部分が謎の影になってるだけだが、やられた方はたまらんだろ。」

謎の影! 地上波ではスカートの中が見えなくなると言うアレ!

謎の光や凄い湯気と並ぶいやな魔法。

確かに、これ、やられた方はパニックになる。

しかもこの闇、触れない。振り払うこともできない。

けっこう怖い魔法だぞ。

「後は練習、スピードや正確さ、あとは距離だな。」

大丈夫なのか、こんな奴らにこんな恐ろしいこと教えて?

すげー、不安。


まあ、とりあえず、氷雪虎のディスクを借りて学習。

「ぴろりーーーん!」

『氷雪虎を習得しました』

これで、氷が作れる。おやっさんから板とかもらって冷蔵庫を試作しよう。


「エルディー導師の護符は丸いんですね? ふつう四角いですよね。」

「それに硬いし、紙じゃないし…」

ディスカムが首をひねる。

「ああ、これは投げやすいようにな。」

「投げる? 護符をですか?」

ますます首をひねる。もう90度。

え、普通投げないの? 先生が投げてるからそういうもんだとばっかり。

「やって見せろベータ。」

何で自分でやらないの?

そっか、そろそろ筋肉痛が痛くなってきたんですね。

「行きますよー」

ベータ君、声をかけると、手早く次々とディスクを投げる。

丸太の標的に向かって、遊びみたいに淡々と投げた、5枚。

1枚目は標的のはるか上を通過。え?

2枚目は左にそれた、かと思うと大きく弧を描く。

3枚目は逆、右側から。

4枚目は直進。

5枚目は縦にして転がした。

1枚目が上空から降下するにしたがってブーメランみたいに戻ってくる。

4枚目までほぼ同時に丸太に命中!

そして5枚目がころがって命中!

なんじゃ?そりゃあー!

今はただ、ぶつけただけだけど、もしこの一つ一つを起動呪で発動させていたら…

丸焦げ、しびびれ、カチコチのピカピカだったわけで。

おっかねー! 危険なのは先生だけじゃなかった!

3人組も口あんぐり。

「すごいですね、ベータさん。」

ちょっと照れた。ベータ君、可愛い!

「動かない的ですから。ハイエートさんみたいに動くものには、まだ…」

うーん、レベル高すぎ。


「お二人の服を預かってきましたよ。」

ダット姐さんから預かってきた服をマビキラに渡す。

「やった!」

「うむ、我が装束。」

「今度あったら、ちゃんとお礼言うんですよ。」

お母さんか、俺。

「わかったー」

「くくく、やぶさかでない。」

ほんとにわかってんのかよ!

「着替える!」

キラすけが宣言! はあ?明日でいいだろ?

そんなに黒いのがいいのか? 黒くなきゃダメなのか?

アイデンティティの問題なのか? 黒エルフデイシーシーと通じる所あるな。

闇の岩戸(ダークゾーン)

ええ? ここで着替えるのかよ? 家入れよ。

円筒形のダークゾン発生。中でもぞもぞ着替えてる気配。

上とか横とかからちょろちょろっと手が突き出したりする。

生着替え。ガキンチョだけどな。

なぜか先生が満足げ。

「そうだ、魔法は使いよう。わかってるじゃないか。」

「へぷしっ!」

うん、お約束。

くしゃみした途端、ダークゾーンが消滅。

裸んぼ。パンツまで変えてたの?

たてすじまで見えちゃったし。

「ふひん!」

あわててしゃがみこむ。

ベータ君は後ろ向き。耳まで真っ赤。

ディスカムは、ああ、闇の堕界(ダークワールド)発生してるのね。

顔が謎の影。そして俺は人外枠でお構いなしか。

うん、まあ、拝見させていただきますがね。たてすじ。

キラすけ、何か思うところがあったようで、すっくと立ち上がる。

ダークゾーンを胸と腰周りに、おお、謎の影の正しい使い方。

でもそれ、見方によってはかえってエロいような気も…

「キララちゃん、それ…エッチい。」

マビ公に指摘された。

本人もそう思ったらしい。

再度、円筒形ダークゾーンを展開。もぞもぞ。


着・替・完・了!

闇の女帝たる漆黒の魔道士【黒き宝玉】復活!

うん、割とどうでもいい。

いや、白くても可愛いかったからさ、キララちゃん。

ほほう、何か、思いついた?

突然、ダークゾーンを発生。黒いゴスドレスにさらに纏わせる。

そして、翼のごとく広げる。

あたかも悪魔の翼のように。

その翼には黒いレースのような光を透す模様が!

おおお、かっこいい!

そして、高笑い!

「ふははははーーー! 我が闇の力におののけー!!」

「すっごーい! キララちゃん!」

マビ公も大興奮! 先生も絶賛!

「素晴らしい! センスいいぞ!」

ディスカムがさめた感じ。

「え? それ、どんな効果が?」

「かっこいい!!!」

決まったドヤ顔親指ポーズ! ナイスなヤツだぞ! キラすけ、すごく満足げ。

鼻の穴、ピクピクしてるぞ!


夕ごはんの支度に取り掛かるベータ君。

ディスカムがごく自然に、当然のように手伝う。

もちろん、マビキラは手伝わない。予想通り。

魔法ディスクとか、ガジガジいじって遊んでる。

こいつら…

なんて不憫なんだディスカム。先生のおっぱいくらい揉ませてやりたい。

台所のスペース的に俺も手伝えない。

そもそも味がわからない。料理とか無理。

匂いがわかるんだから、味もいけるんじゃないか? とは思うんだけど。

いかんせん、口がない(笑)


料理しながらディスカム、ベータ君が世間話。

「触媒カマドや、照明魔法の魔法陣が工房で量産されているのには驚きました。」

「エルディー導師が考案されたのですよね?」

ベータ君がうなづく。

「触媒が焚き木を熱に変換する魔力は、以前は一つ一つ魔道士がこめていたんですが…」

「先生が熱や光を魔力に再変換する仕組みを組み込んだので、大量生産できるようになりました。」

「もっとも、点火する時にちょっぴり魔力が必要になるんで、コツがいるんですよね。」

なるほど、白金カイロの触媒をライターであぶる感じか。

ディスカムが首をひねる。

「誰でも出来ているんですか?」

「まあ、こういうのもあります。」

ベータ君が四角い護符を取り出す。

「照明魔法陣の、光を魔力に再変換する部分だけ取り出したものです。」

「太陽光を魔力に変えて蓄えます。1日、陽に当てておけば1年くらいはマッチみたいに使えますよ。」

唖然、と言う感じのディスカム。

「僕らが学園で習ってきたことは何だったのか…」

昨日、今日と規格外の魔法を見せられて、かなりショックだったらしい。


シチュー的な見た目の夕食の後、ディスカムが先生に弟子入り志願。

「お願いします! 導師、僕を弟子にしてください。」

「ええー、そんなこと言われてもなあ…」

先生、困惑。

「お前には、教えること無いだろ。一通り魔法も使えるし。」

「魔法理論だって。その辺はさすがに王立学園の方がちゃんとしてるぞ。」

「しっかり身に付いてるみたいだし…お前は。」

チラリとマビキラを見る。身に付いてないんですね、こいつらは。

「あとは、自分で工夫するしかないだろ。」

「その工夫をする考え方を学びたいんです。」

「うーん、そんなの教えられるもんじゃないし…」

食い下がるディスカム。

「まあ、そんなに言うなら明日から…いや明日はたぶん無理!」

筋肉痛だからね、たぶん明日は。

「あさってから顔を出せ。まあ、田舎での魔法の使い方ってやつを教えてやる。」

「こいつらと一緒に鍛えてやるか。」

んん? 先生、妙に邪悪な顔つき。

「あ、え? アレやるんですか…」

ベータ君がすごく嫌そうな顔。何やらす気なの? 先生。

そして、肝心の「こいつら」。話、聞いてるか?



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