ドワーフ娘をマッサージしちゃうよ
工房の終業時間。
家族持ちは家に帰る。
独身者は食堂で夕飯を食べて帰る、と言うのが普通らしい。
先生、普段、たかりに来た時は隅のほうでひっそり食べてるそうだ。
今日は働いたのででかい顔して食べてる。大盛り。
あ、いかん。黒エルフに巻物渡してない。
っと、居たよ。ご飯のトレイ持ってとなりに来たよ。
「ちーす! 導師。アイザックさん。昼間来てくれたしー?」
「なんだ? まだ渡して無かったのか?」
巻物をいったん先生に返して、先生から黒エルフに渡してもらう。
風を送り出す魔法。ヘアドライヤー魔法の巻物だ。
「よーし、絶対おぼえるし。」
「魔法はどうやって憶えるんですか?」
「人それぞれだが…普通は魔法陣を何回も書き写してイメージを掴む。」
「あとは、魔力を頭の中の魔法陣に注ぎ込む感じで、最後に起動呪を。」
「むううーーーんと来て、がっ!!っすね!」
「そう、むううーーーんと来て、がっ!!だ!」
…大丈夫なのか? 魔法?
「ご飯食べたら、お風呂行くし。女入浴時間だし。」
「わたしは昨日入ったし…」
「なに言ってるし、導師! 毎日入るっし!」
「めんど…いや、待てよ。通常営業になったら男湯へは入れん。」
「あの岩の魔法陣をもう一度見とくべきか。」
今日も男湯?
「タン吉、女湯修理にかかりっきりだしー。」
先生が黒エルフの持ってる包みを指して尋ねる。
「それは?」
「タン吉の着替え。あいつの全部特別仕立てだし。」
ああ、胸とかね。
「ぎりぎりに行ったほうがすいてるしー」
「ダットは入っていかないのか?」
「姐さんはウチ帰って入るしー」
「ああ、そうだな、ふふふ。」
「そう、絶対旦那さんと一緒に入ってるし、うひひ。」
タモン兄貴、言われてるぞ。
食事の後、先生、黒エルフ、俺で浴場へ移動。
待合室はすっかり片付いていた。
タンケイちゃんが後片付けをしている。
「シーちゃん、遅い!」
「タン吉、最後に入るっしょ? 一緒に入るっし。」
「女湯の修理は終わったのか。」
「終わったっす。明日お湯を入れて様子見て、明後日から開店っすかね。」
「お疲れ様、頑張ったな。大したもんだ。すっかり一人前だな。」
「えへへ。」
先生に褒められて照れるタンケイちゃん、かわいいのう。
「肩凝ったす。」
肩をぐるぐる。
「あちしも凝ったー、今日忙しかったしー」
シーちゃんも首をぐるぐる。
「おお、そうだ。あれ、やってやれよ、アイザック。」
え、何? 先生。あれ?
「あの、ブルブルするやつ。」
ああ、電動マッサージでバイブレーション。
略して、電マでバイブ。
「まあ、座れ。気持ちいいぞー。」
先生がシーシーちゃんを椅子に座らせ、俺は言われるままに肩を…
まずは普通に手揉みで…うーん、凝っている。
「あー、そこそこ、」
「じゃあ、いきますよ。デイシーシーさん。」
スイッチオン! ブブブブ
「ひょえええええ、なにこれ、きもちいいしししし」
「うひゃはははは、くすぐったいしししし」
「ほぐれるるるる、あああああ」
受けた受けた。しばらく続けた。
「おお、肩軽くなったような気するし!」
「次、ウチ、ウチもやってほしいっす!」
タンケイちゃんも乗り気だ。
いつの間にか、つなぎ作業服の前をはだけて、革ブラを外してるぞ。
「やっぱり凝っているのは肩ですか?」
手揉みしながらつぼを探る。この辺?
「あたた、そこ効くっす!」
「では、この辺から行きますね。」
ブブブブ…
「ああああああ、これ、気持ちいいっすうううう」
じっくりと揉み解してっと。
「うーーーん、いい感じっすーーー」
「他に凝っている所はありませんか?」
「じゃあ、この辺、お願いするっす。」
脇下あたりを指さす。大胸筋の付け根当たり。
「ここらも、けっこう凝るんすよ。」
なるほど、おっぱいの重さがかかるのは肩、首だけじゃないな。
直接くっついてる大胸筋にかかる負担も半端ないだろうなあ。
よし、じゃあ、大胸筋を下から揉みほぐす。
椅子の後ろから手を回して。
ほほう、肋骨の上にもしっかりうっすら筋肉が乗っている感じ。
振動を加えつつ、胸を持ち上げるように…
うん、この辺だな。丹念に、しっかりと揉み…
……あれ、ここって…
かなり、おっぱいに近いところ…っていうか、ほとんどおっぱいっていうか…
揉んでますよね? 完全におっぱい。
「んんんん…、気持ちぃいいいっす」
柔らかいですよ、でも弾力もあって…振動でぷるぷるしてますよ。
いや、でも、ここであわててやめちゃったら、かえってエッチな感じ?
そらっとぼけて、マッサージを続けるしか…
これはマッサージ、これはマッサージ。
これは大胸筋、これは大胸筋。
「んふぅ、う…は、あぁ、なんだか…変な感じぃ…」
「はぁ、はぁ、はぁ…ふうぅ…」
いや、タンケイちゃん? 声? 違うくない?
ええ、と。これ、まずくないですかね。
踏み込んではいけない領域に踏み込んでないですか?
具体的には15禁と18禁の境目。
「ええ、と、タンケイさん、この辺で終わりに…」
おう、ぎゅっと脇締めてきた。腕挟んで。
「やめちゃ…だめ…す…」
「もっと、強く…」
いや、どうしたら…
先生に助けを求めて視線を送る。
ばつが悪そうに眼を逸らした。おーい!
シーちゃんは両手で顔隠してる。指の間からしっかり見てますがね。
「ふ、うう、アイザックさぁん…」
タンケイちゃんが肩越しに見上げて、
「せつない…っす…」
目が潤んで、とろんとなって…
「…さきっちょも…いじって……ほしいっす」
ちょ、アウト! アウトですよ、これ。先生助けて!
「…こうなっちゃうとなあ、もう。」
「イクとこまで、行くしかないだろ…、やれ! アイザック!」
知らないぞ、もう!!
手のひらで覆うように持ち上げ、先っちょを指で挟んで、両方同時に。
軽く、きゅっと…
「んふう! んんんっーーーーー」
タンケイちゃん、びくんっと身を反らして、硬直!
ぐったりととして力を抜いた。
作業服が汗でぐっしょりしている。
股間のあたりが汗と汗じゃないものでぐっしょりしている。
…やっちゃった。
「い、いやあ、マッサージの途中で、ね、寝てしまうとは」
「よっぽどつかれてたんだんな!! うん、そうに違いない! うん。」
先生、強引にまとめようとしてるな。
「そそ、そうだしー! しょ、しょうがないなー、タン吉ぃ!」
シーちゃんも乗っかるか。
「それでは風呂に入るとするか! うん!」
「さあさあ、さささ」
先生とシーちゃん、両側からタンケイちゃんを支えて浴室に。
がっくりと座り込む、俺。
純真タンケイちゃんにあんなこと教えちゃって、どーすんの俺。
いや、すげえ罪悪感あるんですけど…
自己嫌悪、じっと手を見る。
まあ、感触とか弾力とかは反芻するんですがね。
しばらく、ぼーっとしていると…
「何しとる、アイザック。」
先生が浴室入り口から顔出した。
おヌード、マッパ。
ひょいっと顔出すと、一拍遅れて片おっぱいも顔出した、ぷるんと。
「早く来んか!」
え? 俺? 今日は汚れてないですよ。
「お前が魔法光を照射しなきゃ、魔法陣が読めないだろ!」
ああ、あー、そうでした。
…でも、シーちゃんも入ってるし、タンケイちゃんにもばつが悪い。
…うん、でも仕方ないよな。うん、学術的に。
うんうん、仕方ない。
別に、黒エルフがどこまで黒いのか興味があるわけじゃないですぞ。
お風呂場に入ると…
おっと、知らないエルフの女の子がいた!
美少女と言うより可愛い感じ。顔は幼い印象だが、体つきはぐぐっと大人だぞ。
胸元をタオルで隠して、ちょっと困ったような表情で見ている。
「これは失礼。他に人が居るとは思わなかったので、」
きゃー! とか言われなくてよかったよ。
あわてて引き返え…え?
『デイシーシーさんです』
顔認識システム? 優秀!
「デイシーシーさん?」
「ええ? よくわかったな!? 絶対わからんと思ったのに。」
先生、確信犯かよ。
「やだ、もう。すっぴん恥ずかしいしー」
いや、シーちゃんタオルで顔隠したりして。
もっと他に隠すとこあるでしょ。
恥ずかしいしーなのは顔じゃなくて、もっと下の方じゃないの?
メッシュ入ってた髪は銀髪一色に。
肌も白いエルフ肌。
落ちるのかよ、ケサロン汁。
エルフ耳に残るピアスが、唯一黒エルフの痕跡。
きつめのラメ入り化粧を落とすとずいぶん子供っぽくなっちゃうな。
体つきはずいぶん大人っぽいですけどね。
黒エルフ化粧の印象が強すぎて、スタイルまでは気にして無かった。
はっきり言って気になるレベルの体つき。
…絶対、失敗してるよね。あの化粧。
すっぴんでも魅力的っと、言おうと思ったけど。
風呂場で真っ裸のところにそんなこと言ったら、超ヤバい。
褒めるのは後でね。
「男好きのする身体してるな、デイシーシー。げっひっひ。」
いや、セクハラ先生、デリカシーぃ!
半身浴でうつらうつらしているタンケイちゃん。
となりでリラックスの白い黒エルフをよそに、岩に取り付く先生。
「おい、アイザック。下から押せ。滑る。」
いや、下からって…
ここからお尻押したら、くぱぁ状態で後ろの穴…アナ…全開なんですけど?
「導師はぁ、も少し慎みと言うものをおぼえるべきだし。」
いいこと言ったぞ、シーシーちゃん。
今どきの若いもんに言われちゃったぞ、先生。
「そんなもんはごにょごにょ年前に捨てたぞ。」
ええー? ほんとおいくつなんですか、先生?
うん、悟りの心境。先生のお尻を押し上げる。
イーディお姉さんのたどり着いた境地がわかった。
後ろに指突っ込んでやろうかと思ったのは、内緒。
這い上がって、岩の表面をアイライトで照らす。
岩全面に浮かび上がる魔法陣。
「ふーむ。保存魔法陣に似てるな。」
「岩の内部にあるものを保全するのが目的か?」
「雷神槌や炎縛鎖を記録出来たんだから、これも記録できるか?」
「出来ると思います。」
何が入ってるんだ?
『外部オプション、飛行ユニット』
え、マジで!? ジェッ○○クランダー? 胸熱!
『開錠に必要な要件が満たされていません』
わかってる。必要にならないほうがいいってことも。
ほこほこ状態のタン吉・シーちゃんペアと別れて先生宅へ。
タンケイちゃん、シーちゃんの陰に隠れるようにして
「おやすみなさい。」
とか、ちっちゃい声で。
うーん、ごめんね。嫌いにならないでね。




