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痛い魔道士と遭遇したよ


まあ、そんなこんなで、次の日。

俺はレガシの街を散策することにした。

ちょっと迷ったがおやっさんマントを着用。

出かけます、と先生に声を掛けたら、もそもそ起きてきた。

「工房へ行ったら、これ、デイシーシーに渡しといてくれ。」

昨日言ってた送風魔法の巻物スクロールですね。

どうやっておぼえるんだ? これで?

そして、再びベッドの中へ。朝食は?

「起きてから食べる…」

いや、もちろん、そりゃ、そうですがね…



街へ入るといつもの救護院、工房コースは避けて逆方向へ。

北の遺跡からと南の山頂から撮影した画像があるから簡易立体地図の精度は上がっている。

慣性ジャイロがあるから迷うことはない。


こっちは飲食店街か。

くそう、俺には関係ない場所だ。

でも、先生にお使いとか頼まれるかも。

テイクアウトとかやってないかな。

宿屋もあるようだ。

それぞれのお店の看板とか、かかってる。

立看板にメニューとかもあるな。

…識字率高いんだな、この街。

長寿なエルフとか多いせい?

学校とかあるのかな?

町内放送があるくらいだから、当然ある気がする。

小学校とか寺子屋的な?

…しまった! ひとりで来るべきじゃなかったかも。

小学校の周り、この格好でうろついてたら事案発生装置。

ガイドが必要だ。

ベータ君とか一緒に来てもらえばよかった。

…それはそれで事案になりそうだ。

タンケイちゃんとか、シーシーちゃんとか。

…それはそれで事案。

JKをラブホに連れ込むオジさんみたいな感じになる、見た目。


ごめん、おやっさん。やっぱ、このマント…


おお、あれは?

マントを着て、フードを深くかぶって…

どこかの銀河の皇帝みたいな格好の人いた!

痛い魔道士だ! 痛い魔道士がいたぞ!

おーい! 仲間。

っと声をかけようとしたが、俺を見てあわてて逃げていった。

傷つく。


どうも、あまりウロウロしないほうがいいみたいだ。

まあ、工房へ行くか。あそこならみんな事情知ってるから。

シーシー黒エルフに届けものがあるから理由もあるし。


引き返して、ではなく別の道を通って工房へ向かう。

同じ道引き返すと、なんか負けたような気しない?

次の角をこっちにこっちに曲がれば元の道へ出るはずだ! みたいな。

意地になって結局、時間かかるというアレ。

ほーら、行き止まり。やっぱりね…

ん? 誰かいるぞ。そこにいるのはさっきの痛い魔道士?

…じゃないな。

さっきの人よりだいぶ小さい。

一人じゃないんだ!? 痛い魔道士。

俺を見てびくん!ってなった。

「なんだ、おまえ!! ボクに何の用だ!?」

いや、たまたま出合っただけで…

「知ってるぞ! エルディーの魔道機だな!!」

先生を呼び捨て? おやっさん以外では初めてだな、そういう人。

「ボクらを始末するために送り込んだんだな!」

は? ええ? 先生に対立組織が?

「いや、べつに…イイエ・ソノヨウナ・メイレイハ・ウケテ・イマセン」

一応、魔道機演技で、対応して…

あれ、まずかったかな? すげえ怯えてる。

「いやああーーー! 犯されるぅうーーー」

ええー? ちょ、なんてこと言うんだ! こいつ!

女の子なのか? ボクっ娘か。いや、それどころじゃないぞ。

「いや、落ち着いてください。別に危害を加えるつもりは…」

「ひいいいーーー中はだめえぇーー! 中には出さないでえぇーーー。」

……こいつ言葉が通じねえ…雷神槌サンダーボルト、気絶させるって言ってたよな、先生。

もう、使っちゃっていいよね!?

っと、後ろから、火球ファイヤボールが!! 危な!

フードかぶっていたから360度視界が使えてない。

熱感知センサーからの警告が無ければ気づかずに背中に食らっていた。

かわして…ってかわしたら、ボクっ娘にあたるじゃん!

とっさに両腕でガードして正面で受ける!

炸裂する火球!


………しょぼい。

炸裂しない。

ぼわん! と当たっただけ。たちまち霧散。

炎縛鎖ファイヤワイヤと比べると、超しょぼい。

て、マントがああぁーーー!

燃えてる燃えてるぅーーー。

あわてて脱いではたいて火を消すが、焦げ焦げ!

おやっさんのマントがあああーー!

火球を放ったのは、やはり黒マントの痛い魔道士。

こっちも最初のとは違う。小さい。

あれ? こっちも女の子だぞ。

「くくく…わが獄炎の魔恒星(インフェルノスター)に耐えるとはさすがだな…」

「我こそ、闇の女帝たる漆黒の魔道士【黒き宝玉】!!」

「わが盟友に対する、貴様の狼藉は許しがたい。制裁を加えん!」

痛い! 痛いぞ! 痛い魔道士!!

「助けて、キララちゃーーーん!」

……キララちゃんなのか? 闇の女帝たる漆黒の魔道士【黒き宝玉】。

「マビカ、今その名前で呼ぶな!」

いや、なかよしなのかも知れんが、俺がかわしてたらボクっ娘が火傷してただろ!

おやっさんのマント燃やしちゃって!

俺だから良かったけど普通の人間だったら大変だったぞ!!

子供のいたずらで済む話じゃないぞ!

だいたい街中で炎の魔法使うなんて…


いや? ちょっと、マビカちゃん? マントから煙でてない?

飛び火?

うわあああー!

「うわあああー!」

「うわあああー!」

マビカちゃんもキララちゃんも気づいた!

「脱いで脱いで! マビカ!」

こら、キララ! うかつに近づくな。アンタのマントにも移るだろ!

駆け寄ろうとするところを首の辺りを掴んで後ろに放り出す。

パニックであわあわしてるボクっ娘を捕まえると、マントを引っぺがす。

この間、360度視界とマルチタスクで周囲を確認。

店の裏口と思われるところに防火用水の桶があるのを発見。

マントを突っ込む。ジュッ!

熱感知センサーで周囲を確認。問題なし。

ふうぅーーー。状況終了。

終わってなかった! ボクっ娘のパニックが治まってなかった。

「大地には恵み! 火炎には敵! 水精竜ウオーターシュート!!」

ぱん! と合わせた手のひらの間から水が噴き出す!

うわ、ちょ! やめ! もう消えた消えた!!

ええ? けっこう強いぞこの水流!

ボクっ娘自身が振り回されてる!

うわあああー! 水浸し!!

「落ち着…マビ…がぼぼ…」

【黒き宝玉】にも直撃!

えーい、こいつら! なんて迷惑な奴らだ。

ぼすっ! っと水流が止まった。

魔力切れらしい。

ショートカットで半ズボン。

シャツの上に肩吊りホルスター的なベルトと小物入れを着けている。

ちょっと見、人間の男の子にしか見えないが…

ずぶぬれになったおかげでシャツが張り付いて胸のふくらみが…

けっこうありますね、マビカちゃん。

妹エルフを超えた!

まあ、ゼロより下はないわけだが。

一方、キララちゃん。こっちも人間?

ずぶぬれなんで、元がどういう髪型だったかわからない。

セミロングってところか?

黒いドレス風の…ゴスロリ?

あれ? この服センス、ベータ君が着せられていた服に似てる。

二人そろって放心状態。

っと、先にキララちゃんが立ち直ったか?


うん、こいつら何者かは知らないが、危うく火事になるところだった。

うん、子供を叱るのは大人の責任! ってどうする?

体罰禁止、パワハラ禁止は結構だが、だったら正しい叱り方を教えてくれよ、文科省!

だが、ここは異世界!

異世界無罪で威嚇するぞ!

怒る!

『オーバードライブモードへ移行しますか?』

え、何? それ?

『怒りの獣神的な…』

サンダ○○イガーかよ! いやいや、ストップ! ストップ!

街中で女の子相手に使うもんじゃなさそうだ。

『かっこいいのに』

だんだん遠慮がなくなってきたな、ナビくん。


「くくく、貴様にはふさわしい制裁を与えてやりたいとこりょだが、」

「街中では我の闇の力を使うのははばばかられる。」

【黒き宝玉】ことキララちゃんに先に言われてしまった。ちょっと、噛んでる。

「今日のところは見逃してやる、さらばだ!」

射干玉ぬばたまの黒き鎧…闇の岩戸(ダーク・ゾーン)!」

足元から黒煙、いや黒い霧が吹き出す!

一瞬で周囲が闇に! そして物理的な霧ではありえない早さで霧散!

おお!? 消えた!! 二人とも!

意外とすごいぞ、痛い娘魔道士!

ん?

さっきの防火用水の大きい桶。

その後ろになんだか黒い影が…

なんだこれ? 影? 闇の塊?

俺の視覚センサーをもってしても見通せない。

『キララちゃん、アイツ行った?』

『しー、しゃべるでない、マビカ!』

『あと、キララって呼ぶな!』

影の中からボソボソ声が聞こえる。

がっくり力が抜けた。

ハンガーがあったら突っ込んでやるところだが…

これ以上、関わりあうと厄介なことになる予感。というか確信。

「見失いましたか。」

「街中で炎の魔法を使うとは。火事になったらどうするんですか!!」

「あの火球ファイヤボールだって、もし私がかわしていたら、マビカという娘に当たって火傷していました!」

「今度見つけたら、ひとには言えないようなおしおきをしてやりましょう。」

わざと聞こえるように注意と捨て台詞。

どんなお仕置きがいいだろう?

「裸にむいて、全身にジャムを塗って、500匹のカブトムシをたからせてやりましょう。」

重甲○ーファイターとマ○レードボーイの刑だ!

『ひふっ!』

影の中で震え上がっている気配。

こんだけ脅しとけばいいだろう。


火攻め、水攻めでおやっさんマントは悲惨なことに。

革ポーチに入れといた巻物は無事だった。

これ以上面倒が起こる前に黒エルフに届けることにしよう。



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