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決戦!女王神殿


魔王鎧!

モアブ伯が繰り出した超魔道機。

魔力を封じられた先生は大苦戦。


そこへエレベーターが到着した!!

チーーーン!

ええ? こっちでもそういう音なの?


首都圏外郭放水路の調圧水槽を思わせる神殿抗地下空間。

一見してそれとはわからない支柱の一本に扉が開く。

飛び出してきたのは、俺本体、タモン兄貴、クラリオ女騎士!

「何それ! ずるい!!」

「そんなの有りかよ!」

モアブ騎士団からぼやき声が上がる!

ああ、あんたら3日かけて迷宮を下って来たんだっけ。

棺桶とか、兵糧とか引きずって。

ご苦労さん。


タマちゃん、交代だよ!

記憶共有によって状況を把握!

「みんな、エレベータに入って!」

実はこのエレベーター、上昇にセットするためには支柱の周りを99回、回らなくてはいけない!

体力と根気が試される仕掛け。

タマちゃんに支柱の周りを回ってもらう。

高速飛行とはいえ、さすがに99回はきつい!

もうちょっと待ってね!

「時間を稼いでください!」

「任せろ!」

飛び出したのは戦闘狂女騎士。

鬼人剣士アイワさんと並んで騎士団を押し返す。

「アイワ、ベータは?」

「通路の中です。」

「ベータ! 聞こえるか。我々はこっちから逃げる。」

カナちゃん通信。

「手筈通りに通路を塞げ!」

手筈とは、川べりからの通路の封鎖方法。

ベータ君は通路を後退しつつ引き寄せ魔法を発動。

手ごろな大きさの岩を召喚して通路を塞ぐ計画。

そのために河原のジャストサイズ岩に護符を貼り付けて置いた。

ジジイ導師製認識護符。

必要なときはその岩を迷宮外から召喚し直せば、また通路が使えるようになると言う仕組み。


騎士たちは鬼人剣士、破壊剣士に任せて、俺本体は魔王鎧を牽制する。

敵はバンカー・モアブ操るエクソアーマー魔王鎧、女怪魔道機メドュウサ。

そして、魔犬将機ガルムがこちらに向かっているはず。

こちらは将軍機ジェネラルジョーイ、ハウンドレッドことU-69、そして守護魔道機アイザック。

戦力外はミネルヴァヘッドバード。

「ミネルヴァ! 先生たちと一緒にエレベーターへ!」

北遺跡の操作や、犬獣機の再起動のためにもキミは地上へ戻ってくれ。

タマちゃんも一緒にね。

「U-69、ベータ君を頼む!」

警護をお願いするよ。

「ジョーイ君、すまないが付き合ってもらうよ。」

「お任せあれ! マスター!」


乱戦! アイワさんと女騎士に兄貴も参戦!

騎士団を近づけない。

ぴんぽーーーーん!

99回周回完了! エレベーターが作動した!

『上へまいりまぁーす!』

アナウンス付きかよ!

「タモン、アイワ、クラリオ! 戻れ!」

「う、ちょっ! そういわれても…」

さすがにモアブ騎士の中でも精鋭ぞろい。

簡単にはいかないか!

「魔道機さん! 風を!」

え? 何? 女豹戦士ウェイナさんが取り出したのは紙の束。

隠形魔法…いや、そうか!

オーバードライブ! パワーブースト!

全方向へ噴射! 神殿坑内の空気をかき混ぜる!

その風に乗せて紙束を投げるウエイナさん。

本来は静電気魔法で吸着させ、目や口鼻を塞ぐ攻撃用。

今は魔法でもなんでもない。ただの紙ふぶきだ!

突然の目くらましにたじろぐモアブ騎士。

「撤退!」

タモン兄貴の号令にアイワさん、クラリオ騎士が呼応。

エレベーター内への撤収を完了した。

ブー!

あー、定員オーバー。

最後に乗ったのは重量オーバー女騎士。うろたえる。

「えええ? あ? 私!? あれ?」

レガシのごはんは美味しいからね。

「私が…」

組合長が霧化。

「アイザック!」

タモン兄貴が鉄棍を俺に投げ渡す。

「行ってください! 先生!!」

ここで時間を稼ぐ!

「アイザック!」

その声は、デイエートか…

「大丈夫! すぐ後を追いますよ!」

エレベーターの扉が閉じる。

ほっと、ため息をつく。

まあ、息はしてないんですけど。


残るは俺とジョーイ君。

高周波振動剣は壊れちゃったし、被甲身魔法が使えないから天空無双剣も使えない。

兄貴から渡された鉄棍を構える。

どうにも勝機が見えない。

魔力核の据え付けられた祭壇の上に立つ魔王鎧。

傲然と俺達を見下ろす。

「そんな便利な仕掛けがあるとは…我々がどれほど苦労して…」

いやいや、あんたに恨み言いわれる筋合いはないですよ。

ん? 女型魔道機メドュウサはどうした?

360度視界。魔王鎧とにらみ合ったまま周囲を探る。

あー、救護活動中。

アイワさんやバーサーカー女騎士にやられたモアブ騎士たちを、となりの部屋へ運んでる。

そっち、川べり通路の方だよね。

ベータ君は無事、通路を封鎖できただろうか?

なんでケガ人、そんな端っこに運んでるの?

そうか!? 治癒魔法!

魔力封じの中じゃ治癒魔法が使えない。

怪我人と魔道士の位置を見れば、魔力封じの有効範囲がわかる。

意外と狭い、というか神殿抗が広すぎるんだな。


魔力封じ、といってもそもそも魔法陣は魔力で作動しているわけだから…

ダークゾーンみたいに遮断しているわけじゃないよな?

カウンター? レジスト?

アクティブノイズキャンセルみたいな感じ?

外部からの魔法に対して逆位相の魔力をぶつける事で魔法を打ち消す。

そんな感じなのかな?

あー、先生から習っておけばよかった。

なんとか魔王鎧を魔力封じの外に誘い出すことが出来れば…


今のところ、ジョーイ君の持つ巨大剣、エクソアーマーソードが頼みの綱。

魔王鎧は手持ちの武器とか無さそうだし。

んん? エクソアーマーソード? 魔王鎧がエクソアーマー?

「まさかこんなところあったとはな、どうりで見つからないわけだ。」

何だって? 何言ってんのモアブ伯?

将軍機が持ってたデカソードが突然火を噴いた。

正確にはパワーファイヤを噴射!

ジェネラル・ジョーイの手を振り切って魔王鎧に突進。

攻撃? と思ったら急制動。魔王鎧の前の床に突き立った。

「な、何!?」

オレ達も驚いたけど、バンカーもびっくりしたみたい。

「ふふふ、そういう事か…」

「自ら主人を選ぶか…神妙なり!」

エクソアーマーソード! とエクソアーマー。

ああ、セットなのね、これと。

じゃあ仕方ないかあ…

わざわざ相手の武器を取り寄せちゃったわけかー。

…憶えてろよ!! ミネルヴァのやつ!


柄を握り、ゆっくりと持ち上げると天に向かって捧げるように突き出す。

魔王鎧の全身を走る赤いライン。

まるでそれが伸び拡がるようにソードの表面にもラインが走る。

あ、やべ、これ!

「逃げ…」

振り下ろす!

将軍機のボディが袈裟掛けに切り裂かれた! 一撃!

崩れ落ちるジェネラル・ジョーイ!

「やーらーれーたー!」

???まだ、十分な間合いがあったはずなのに?

伸びた? 一瞬剣先が伸びたぞ!!

神代魔道機の装甲と同様に、刀身のパネルがスライドして変形するんだ!


「良い感じだ! まさに体の一部になったようだ。」

ソードをかざし満足げな魔王鎧バンカー。

いや、もう。こっちは絶望的な気分。

『ジョーイ君、大丈夫?』

『お役に立てなくて、申し訳ありません。』

まあ、ジョーイ君にとっては単なる端末の一つだけど。


ソードを俺に向かって突き付ける魔王鎧、バンカー!

「来い、神代守護魔道機! どちらが最強の存在か。決めようではないか!」

くそ、どうする?

不意を突いて拳骨シュート? 魔力核を攻撃するか!?

ゆっくりと祭壇の階段を上る。

隙をうかがって半ばあたりを横へ回る。

かつてG馬場さんは言った。

「リングの中央で動かないのが格上、格下のレスラーはその周りを回る。」

ああ、今の俺、そんな感じ、格下。

だが、そんな俺の考えを見透かしたかのように、両腕を大きく広げ横に伸ばした刀身で魔力核への視界を遮る。

「どうした? 楽しもうではないか!」

「む! 何だあれは!!」

え? 何!?

突然、魔王鎧が叫び、後方を指さす!

思わず振り向いて見ちゃった!

360度視界で魔王鎧からも目を離してはいないんだけど。

ひょいっとクソデカい刀身を持ち上げると…魔力核、とその前に騎士が二人。

刀身に隠れていつの間にか移動して来てた。

何か手に持ってる。

あ、あれ!! 銃? いや、あれは…

ワイヤーガン!

かつて工兵機が使って俺を拘束した武器!

発射! 完全に虚を突かれた。

全身に、足首に巻きつく!

バランスを崩して転倒!

祭壇の下まで転がり落ちた。

「兵は詭道なり。」

安孫子先生(藤子不二雄A)の言葉が頭をよぎる。

『だから違いますって』

せこいぞ! バンカー・モアブ!!

ここまで圧倒的に有利でありながら、なおも超せこいだまし討ち。

「ふふふ、最強を決めようと言ったが…」

「あれはウソだ!」

ひどい!


身動きがとれない! スリムモードで緩めて振り払うか?

ああ、今の俺、ビームが使えない。足首のワイヤを切る手段がないぞ!

どうする? どうする?

「アイザックさん!」

ええ? その声。

ベータ君?


川べりからの通路がつながっている隣室。

騎士団のけが人を運んで、魔道士が魔法治療を行っていた。

祭壇周辺では戦闘が続いているから、安全のための判断だな。

その出入り口付近。

女魔道機メデュウサが、後ろから抱きかかえるようにベータ君を捕まえている。

メデュウサの怪力。身長差があるからぶら下がる様な感じになってる。

ダミーヘッドの異様さが無ければ、ショタを捕まえた露出痴女みたいな絵づら。

な、何で残っていたのベータ君!?

「な、何でこんなところに子供が!?」

明らかに動揺するバンカー魔王鎧。

動揺?

そう言えば…バッソ家の兄弟クリエート、トリニート君の襲撃事件。

お母さんのクオリアさんに謝罪してたって言ってた。

ニュース王子に神代魔道機の機体を見せたり…

意外と、子供好きなのかな? いいオジサン?

……男の子限定じゃないよね?

逃げて、ベータ君!! いろんな意味で!

「いや、待てよ…報告にあった…」

「単身で軍用獣機を破壊したエルフの少年魔道士!?」

「い、いかん! その子供を魔法封じの陣内に…」

ベータ君が右手を伸ばす。

「やり残していたことがありました。」

器機召喚アポーツ!」


俺は消えた!

拘束すべき中身を失ったワイヤーは、へにょりと床に落ちる。

一瞬のめまいのような感覚。

そして俺が出現したのは、ベータ君を捕らえたメデュウサの眼前!

間髪置かずにパンチ! メデュウサのダミーヘッドめがけて拳を振るう!

たまらず、ベータ君を離して両手でガード! 

直撃は避けたが数メートル吹っ飛んで壁面に激突。

「アイザックさん!!」

「ベータさん、お見事!」

ワイヤーから解き放たれた俺。

そしてその背中には、今、飛行ユニットがすでに合体している。

俺本体と飛行ユニットを同時に引き寄せ(アポーツ)

合体状態で器機召喚したのだ!


召喚合体! アサルト・アイザック!!



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