先生をマッサージするよ
治療の終わった妹エルフは町営の救護院へ。
運んだのは俺。毛布でくるんでお姫様だっこ。
一番揺らさずに運べるからね。スタビライザー付き。
意識は、有るのか無いのか… ぼんやりと俺の顔をみてる。
「大丈夫、一晩寝れば元に戻る。体のだるさは1週間くらい残るだろうがな。」
先生が兄エルフを励ました。
救護院を取り仕切っていたのはイーディお姉さん。
デイヴィーさんも勤めていたけど、今は育児で休業中だと。
他にも治癒術士はいるそうだ。
「イーディやデイヴィーの弟子もいるからな。」
と、先生。なるほど孫弟子ですね。おばあちゃん。
他にも、見習いや助手が。
若い女の子ばっかりだな?
エルフに、ドワーフ、猫耳? 角?
患者さん以外の重症患者さんが集まるんじゃないかと心配だ。
主に大きいお兄さんの。
デイヴィーさんが連れてきたミニイたん、大人気。ぷにぷに。
ベータ君も、大人気…じゃないな? お姉さんが威圧?
少年エルフはここで脱落、お姉さんに捕まった。
イケメンお兄ちゃんは付き添いで居残り。
そして、大人気!
嫉妬深い妹が弱っている今がチャンス!
弱肉強食の掟! 肉食女子!!
ミニイたん親子はここから帰宅。
デイヴィーさん、お風呂、入れませんでしたね。
大丈夫、奥さんの匂いでしたらご褒美ですよ。
ちなみに、浴場の修理を命じられたタンケイちゃんは涙目だった。
ちゃんとしてるな、この街。
あれ? もしかして組合長ってすごい人?
え? となりが組合長のお店?
病院の隣が葬儀屋かあ…
工房に戻る。職員食堂で夕食をおよばれ。
まあ、俺は食べれないわけですが。
事態を聞いて駆けつけたタモン将軍も交えてお食事。
反省会みたいになる。
「俺がもっと、ぶっ叩いておけば…」
「魔法の効果を過信しすぎた…」
「ワシが安易に工房に持ち込んだから…」
「漏電の危険くらい予測できたはず…」
暗い。
せっかくの機会だから俺の知ってる情報を伝える。
「デンパ?」
うーん伝わりにくい。
「あれのことかな?」
一番専門外っぽいアニキが反応。
「エルフやドワーフはさ、熱いか冷たいか見ただけでわかるじゃない?」
え、そうなの?
「俺、お湯だと思ってたら冷水で、えらい目にあったことがある。」
「言ってよ!って言ったら、見たらわかるでしょ!って言われて。」
「わかんねえよ!人間は、って」
赤外線が見えるのか? エルフやドワーフは。
「あれのもっとすごいやつ?じゃないかな? 人間にもエルフにも見えない感じの。」
そう、それですよ。可視光線より波長の長いのが赤外線。
携帯の電波は赤外線よりずっーと長い長い波長の電磁波。
そう、極超短波|(UHF)。
長いのに短波かよ! って、いや、俺が名前つけたわけじゃないから。
抗議は受け付けない。
「それで合図を送っているわけか? デンキ…雷を応用してそれを発生させる?」
「骸骨塔はそのための施設なのか…」
「いずれ、骸骨塔を追って、大元を叩こうと思います。」
あのメールを送ってきた【上位存在】
いつか、たどり着く。待ってろ。
「エルフの方々というのは長命なのですか。」
ファンタジー設定だと何千年も生きてたりするけど。
「そんなには生きないよ、人間の2、3倍くらいかな。」
「ドワーフも同じくらいだな。」
え、そうなの?
「成長期間は人間と同じくらいで、青年、壮年期だけが長いから、」
「人間から見ると自分が生まれる前から死ぬまで変わらないように見える。」
「それで不老不死とか言う誤解が生まれたわけだ。」
なるほどね。
「あと、見た目は変わらなくてもガタがきてるから、だいたいポックリ死ぬ。」
怖い! 怖いぞ、エルフ。ピンピンコロリ!
「300から400歳位かな、大体。」
「やっぱり長命ですよ。」
アニキがこぼす。
「人間なんてどんなに長生きしても200歳がせいぜいですからね。」
え? ちょっ? まって? この世界の人間?
俺の知ってる人間と、違う?
で、先生はおいくつなんですか? と言う質問は飲み込んだ。
この街の構成はエルフ5 ドワーフ3 獣人2、くらい。
獣人はイヌ系、ネコ系が半々。他種の獣人はいない。
理由は不明。
鬼人や人間は小数点以下らしい。
食事会がお開きになったあと、とぼとぼと家路に。
あー、とりあえずは放置状態の獣機残骸2体の回収。
転落した鉄蜘蛛の様子も確認したいな。
もう一つ向こうの基地局も破壊したい。
やること、いっぱいある。
他に行く当てもないので今夜もエルディー先生宅へ。
帰り道、大徳利で酒を買った先生。
寝酒をかっ食らいながら魔法談義。
勉強になる。
まあ、半分愚痴だが。
今夜はまあ、下着シャツを着けているだけ慎みがあります。
下半身はパンイチ。相変わらず緩いですね。精神的にも、紐も。
「うーん…」
先生、首を回す。
「久しぶりに全身治癒魔法とか使ったんで肩が凝った。」
肩が凝るのか? 魔法。
「お揉みしましょうか?」
「おお、頼もう。」
椅子に腰かけた先生の肩をもむ。
肩から、僧帽筋、確かに固いな。
「力のコントロールは問題ないようだなあ。」
ええ、もう肩を揉んでも大丈夫ですよ。
あの時揉めなかったアレだって揉めますよ。
「背中もやってもらおうかなー」
背中かよ! 反対側だよ! 遠慮がねえな。
ベッドに移動してうつぶせに。
胸が押しつぶされてシャツの袖脇からはみ出てますよ。
紐フンパンツがお尻の肉に挟まれてTバック状態。
誘ってるんですか?
ロボだからいいようなものの。
のしかかって、あんなところにそんなものを押し付けちゃいますよ。
そんなものが付いてませんが。
叩きたい! この尻肉。ペチンペチン。
ベッドに横すわり。
後ろから、肩甲骨の下あたりをぎゅっと…
サバーイな感じ。
「んんっ、効くなあ。」
うーん、せっかくロボなんだから、アレが欲しいなあ…
「ピロリーーーン」
『バイブレーション機能がダウンロードされました』
おおう? 来た。
股間に装備すること、かなわなかった電動マッサージ機。
略して電マが! …何だろう? 略すと微妙にアレな感じに!
両手が振動! バイブレーション!
略してバイブ! …何だろう? 略すと確実にアレな感じに!
「おお!?」
先生が驚く。
「何だこれ?あああ、気持ちいいい」
ふふふ、先生。
異世界ではありえなかった快楽の境地に誘ってさしあげますよ。
快感に身悶えて、思う存分、嬌声を上げてくださいな。
ああ、アイザックぅ、これ気持ちいい、知らない、こんなの知らないぃ、
ああ、もっと、もっとぉ、あふうぅう、下の方もやってえ、
あひいいぃー!馬鹿になる、あたしばかになっちゃうう。
てな感じで!
「おおおう、こここれははは、気持ちいいなななな。」
「凄い機能うううう、だだだななな」
「ここここんなのははは初めてだだだ。」
あれ? 思ってたのと違うなな。
われわれはははみすてろんだだだ
ビブラートがかかかるのはキャプテンスカ○レットのミステロンンンン。
地球防衛軍|(東宝)のミステリアンとは別人んんん。
おおおかしいいいななな、、、色っぽくならないなななな。
「ごごご極楽くくく、ごくらくうううううう。」
どどどどんどん遠ざかかっていくぞぞぞぞ。
スリープから復帰する。朝だ。
途中、先生のいびきと寝言で2回くらい復帰した。
よろい戸の隙間から差し込む朝日。スズメっぽい鳥かなんかが鳴いている。
チュンチュン!
ベッドには裸族先生。朝チュン!
…事後! シチュエーションだけ見れば事後!
まあ、あるべきものが付いてないので、そんなことにはなりようがないんですが。
「先生、起きてください。先生。」
起床!
「痛っ、」
どうしました? 二日酔い?
「き、筋肉痛…」
筋肉痛?
「おととい、久しぶりに攻撃魔法、使ったから…」
魔法を使うと筋肉痛になる。
衝撃の事実!
魔法を使うと筋肉痛になる!!
「近頃、使ってから痛くなるまで、1日インターバルが…」
先生……