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レガシへの帰還



俺(本体)がレガシに器機召喚アポーツされてから3日目にオレ(トンちゃん)たちは帰還した。

ええーい、ややこしい!


この段階では、まだトンちゃんに入ったままのオレ。

イオニアさんも心配だってんで、まずはお屋敷に。

行ったら丸焼けだった!!

「なんじゃこりゃあああーーー!」

「こ、ここも丸焼け!? イオニアは?」

先生もデイエートもびっくり! あせる! 丸焼けブーム?

敷地内には壊れた鉄蜘蛛やら、立ち往生した軍用獣機やらが放置。

真っ青になった先生、あわてて組合長のお店に。

ここも軒先は壊れてるし、お隣は半壊!

そして店の前には軍用獣機の融けた残骸!

「なんじゃこりゃあああーーー!」

「だ、大丈夫か! みんな!?」

さすがの先生も動揺を隠せない。

「おや、お帰りなさい。エルディー導師。」

組合長がのんきな対応。

「なにがあって、どうなった!? イオニアは、ベータは無事か!?」

「おおむね大丈夫ですよ。アイザックがちょっと傷つきましたが…」

落ちついた組合長の態度に先生も落ち着いた。が!

「め、メガドーラ!」

「お久しぶりじゃの、ナシオナル。」

「な、な、なんで?」

「近くまで来てたんで、途中で拾って来たんだ。」

先生の説明にじりじり後退する組合長。どうした?

夢魔女王に警戒感、露わ。

組合長の名前、初めて知った。


「あのデカ獣機は3体来てたはずだが…あと1体はどうした?」

「あ、ああ、それならアイザックがバラバラに破壊したんで…」

「部品は職人衆が工房へ持って行ったよ。」

嫌な予感しかしない! 職人衆!

「イオニア嬢はお屋敷焼けちゃったんでお宅にいますよ。」

「ウチに!?」

「今日は、キララさんたちもいるはず。」

デイエートが横から口を出した。

「アイザックがケガしたって??」

「ええ、自動で治るとは言ってましたが…立てなくなるくらいの重症です。」

マジすか? 大丈夫か、俺?

「よし、ウチだな。行ってみる。説明は後で!」

女騎士はタモン兄貴を探すって言って、ここで別れる。

あ、こら! 馬獣機持っていくな!

あー、行っちゃったよ。お前のもんじゃないからな!


さて、一方タマちゃんな感じのままの俺。

先生んちでマビキラは講習続行中。

きびしい、イオニア先生。

他にすることないと言う事情もある。

おやっさんから休めって言われたディスカムも付き合いで受講中。

うん? 感じる! そこ!!

「先生たちが帰って来たようです。」

「ええー?」

あわててみんなで表に出ると…

おー、来た来た!

馬獣機、増えてる!?

え? メガドーラさん?

おう、ハウンドファイブ! U-69、無事だったか。

背中に担いでるのは何? え? 兵機?

なるほど、できる奴だな。ジョーイ君。

おうっと! タマちゃん状態の俺とトンちゃんとしてのオレの記憶が統合された。

えええー、軍服カフェ丸焼けー!?


獣機がいっぱい居るのにはさすがにみんなビビった。

それでも先生が馬獣機から降りたのを見て駆け寄った。

「帰ったぞ、みんな無事か!?」

「しぇんしぇー!!」

キラすけが走って先生に抱きつく!

「おお、留守番ご苦労! 大変だったようだな。」

「え?」

馬獣機を降りて、となりに立ったメガドーラさんに気づいた。

「あ…れ…? 夢に出てきた…ひと…」

「そうだ。黒き新月、無慈悲なる夜の女王【真黒しんこく女帝エンプレス】」

「お前のお祖母ちゃんだ!」

メガドーラさんが戸惑いがちに進み出る。

「お、おお。【黒き宝玉】キララ、キララか?」

「お、お祖母ちゃん?」

「おお! すっかり大きく…ちょっぴり大きくなって!」

「おおー、めんこい! めんこいのうー!」

ガシッ! メガドーラさんに抱きしめられるキラすけ。

「ふひ? ふおう、ふほ!」

挟まれた。おっぱいの谷間に。

埋もれてるぞ! 溺れている!

もがいてる、もがいてる。


「キララちゃん、良かった…良かったね…」

感動的な再会にほろりとしているマビカ。

「そなたがマビカちゃんか…、孫と仲ようしてくれておるそうじゃな。」

「本当にありがとうなあ。これからもお願いするぞえ。」

マビカも引き寄せて、抱きしめるお祖母ちゃん。

「ほええ、柔らかー。」

うっとりマビカ。


「おんしがディスカムじゃの。」

「エルディーから聞いておる。我が孫にようしてくれたの。」

「え、は、はい、いえ、僕の方こそキララさんのがけでんとおゆうきつけりゃたか」

しどろもどろディスカム。何言ってるかわからない。

意識が奪われている。谷間に!

アルプス一万尺な感じの双峰とその谷間。

サキュバス渓谷。

先端にピントを合わせると顔がボケてしまう深度差。

正眼のおっぱい!

3Dで見たい!

母さん、ぼくのあの3Dメガネ、どうしたでしょうね?

ええ、液晶テレビのオプションで購入した、あのメガネですよ…

夢魔族の能力を使うまでもなく、すでに夢の中へ、夢の中へ行ってしまいそうなディスカム。

メガドーラさんが妖艶な笑みを浮かべ、両手を広げて招くポーズ。

引き寄せられるようにふらふらと近づく。

カウンターでマビキラの突っ込みが両わき腹に!

ツープラトン!

「ぶふおぁあっ!」

「ほほほ、良き男子おのこよの。」


その間に、先生はイオニアさん、ベータ君のところに。

「大変だったなイオニア。よくやったベータ。」

「先生……」

ふたりをハグする先生。子弟の絆。

「大変でしたね、ベータ君。」

ハイエートお兄ちゃん、ベータ君をハグしたげ。

両腕をひろげ、手のひらをわきわきさせる。

いや、あんたは違うよね?

「お姉さまも良くご無事で…」

王子系とお嬢様の百合ハグ?

「待て待て、イオニア。ワタシ汗だくで臭うから!」

「そんなことありませんわ!」

くんかくんか! すーはーすーはー!

お嬢様、臭いもいけるフェチ!


そのあと、先生に北遺跡を見せると。

「なんじゃ、こりゃあああああーーーー!」

うん、まあ、そういう反応になるよね。

草に覆われた小山みたいだった遺跡が、乳白色の金属ドームに。

入り口は格納庫の入り口みたいな両開きスライドドア。

中は可動パレット用レールとエレベーター。

上部空間は飛行ユニットの格納庫と管制室。

「わ、わたしのベッドと荷物は? 本は?」

「一階層下の地下に移しました。」

ベータ君がすまなさそうに頭をかく。

「う、ううーん……」

うなってるぞ、先生。

けっこう気に入ってたからね、前のインテリア。


【エルディー魔道研究所】と言う呼称は先生に却下された。

「やめろ。」

うーん、心の中でそう呼ぶことにしよう。


地下に入って本体のところへ。

「棺桶入りかあー。」

「ホントに大丈夫なの?」

心配そうなデイエート。

2,3日で治るってヘルプ君が言ってたから心配ないぞ。

「雰囲気ありますねえ、ここ。棺桶が似合うって言うか…」

お兄ちゃん、そういう感想?


迷宮へ貫通しちゃった通路を見た先生。

「うーん、組合長と相談する…」

元魔王のことは先生も夢魔女王も知ってるとのこと。

ちなみに兄妹エルフは

「魔王……って、なに?」

そこからかーい!


ハウンドファイブと工兵器サテュロス、馬獣機は遺跡内で待機させよう。

あとで女騎士から、馬獣機を取り返さないとな。

犬獣機ハウンドの背中から工兵機を降ろす、て言うか自分で降りる。

と、その時、工兵機に通信、というか放送?が入った。

『♪チャチャチャッ! チャッチャチャチャ、チヤチャチャッ!

チャッチャチャチャ、チャチャチャッ、チャチャチャッ、チャチャッ!

チャチャチャッチャー…』

『こんばんは。獣機保管施設、サイト1をキーステーションに全国1局ネットでお送りしま……』

えーい! オールナイトニ○ポンかよ!

ジョーイ君も意外とお茶目だ。そして、どこから仕込んでくるんだよ、ネタ。

『エルディー先生をはじめとするご一行は無事レガシの街に入ったでしょうか?』

『警護獣機回収は極めて順調、順次再インストールによる機能回復を進めています。』

『常時受信体制も取っておりますので、もし、工兵機の送信機の出力強化等が可能でしたら、ご連絡をください。』

ご苦労さんだな、ジョーイ君。

あれ? この研究所なら通信できるんじゃね?

善は急げ、今度はエレベーターで上部管制室に上がる。

「なんじゃこりゃあああーーー!」

「ええー? 何十年も暮らしてた頭の上にこんなものが???」

はい、先生、またまたびっくり!

メガドーラさんもびっくり!

「この遺跡って…こんな代物だったのかえ?」

女王さまが居た頃はまだ手付かず。

俺の機体も発見されて無かったそうだ。


ミネルヴァ、お願いね。送信機能をテストしよう。

ロックかかってるんだっけ?

『通信システムのロックを解除しますか?』

おっと、ミネルヴァじゃなくてヘルプ君?

はい、だよ。ロック解除。

「ボクがテストしようと…あれ、この装置…トンちゃんと繋がってますよ?」

ミネルヴァ? この装置って?

「ドローンカメラとディスプ…」

『ドローンモニターシステムを起動しますか?』

「ボクが話しているのに!」

『現在は当インターフェイス仮想人格がサポート中』

『魔道機体本体は【ヘルプ君】と呼称』

『すでに分離独立した旧仮想人格の介入は不要です』

「え? こ、こいつ! ボクがアイザックのサポートシステムで…」

『繰り返します。旧仮想人格の関与は必要ありません』

「こ、こいつ! 偉そうに! 人の留守に! この泥棒猫がっ!!」

おいおい、お前ら! 喧嘩すんなよ、人の頭ん中で!

「ととと、とにかくモニターシステムとやらを起動してください。」

タンケイちゃんが何の装置だかわからない、といっていた絵のない額縁。

モニターシステムが起動した。

でかいパネル。65インチ以上はあるな。

映っているのは……この遺跡、エルディー魔道研究所。

あ、これ、外を飛行しているトンちゃんからの映像だ!

「おおおー?」

「なんじゃこりゃあああーーー!」

先生はじめ、みんなびっくり。

「ここが?」

「この遺跡が見えている?」

そりゃそうだ。カメラさえないこの異世界でいきなりドローン映像だからね。

『通信システムを起動します』

おおっと。ドームの天頂がパカっと開いてパラボラアンテナに。

周囲にもにょきにょきアンテナが出てきた。

「なんじゃこりゃあああーーー!」

「おおー? 何これ! すごい!!」

一同、大興奮!

『サイト1と通信可能です。周波数をセットしてください』

ラジオ工兵機をチェック、9MHz帯だな。

『セット完了』

よし。

「CQ CQ ジョーイ君、聞こえますか? こちらレガシ。魔道機体本体です。どうぞ。」

……どうかな?

『こちらサイト1、ジョーイです。しーきゅー?』

ああ、いいんだ。聞き逃してくれ。

応答があった、やったね。

これで、サイト1と連絡がつく。

その後、周波数や定期連絡について打ち合わせ。

「ありがとう、ジョーイ君。ではまた連絡します。」

『了解しました。10-4(てんふぉー)

10-10(てんてん) 通信終わり。」

通信終了。

ジョーイ君? CQは知らないのに10-4/10-10って…

君の持ちネタ…偏ってるよね?


「ボクが……ボクがサポートシステムなのに…」

おーい? ミネルヴァ?



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