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先生をお風呂に入れるよ


エルフ先生の家は、街外れのベランダつきログハウス。

って言うか、街の外だよね、ここ?

もうちょっと行けばあの前方後円墳だな。

何でこんなとこに家が?

「私は遺跡に戻っていましょうか?」

「鍵かけてきちゃったし…魔法錠前だから、わたし行かないと開かないし…」

部屋に入ると例によって魔法照明。

意外ときれいだ。きれいにしてるのはベータ君だろうけど。

「お前は横になる?」

「必要ありません。椅子を貸していただければ。」

本当は椅子も要らないけど、部屋の中で夜中突っ立てるとか、絵面が怖い。

「そっか、じゃ寝るか。」

いやいや、お風呂は?

「湯浴みをされるのでは?」

これ、見逃したら俺までベータ君に怒られる。

そんな気がする。

「ええー、もう無理だよ夜中だし…明日の朝にするー。」

「手順を教えていただければ、お目覚めまでに準備しますよ。」

ベータ君が出勤する前に片付けたい!

「んー、じゃあ…」

浴槽(たらいのでかい奴)に水をいれ、かまどで沸かした湯を加えて適温に。

水は外の枡から汲んでくる。

かまどは魔法かまど、薪を魔法触媒で直接灰に変え、その時出る熱で暖める。

白金カイロの魔法版?

すごいな魔法。そして異世界メンドくさい、不便。

先生…はもうベッドの中。毛布がもそもそ動いている。

毛布のすそから、シャツとか、ズボンとか出てきて床へ落ちる。

先生は寝る時、やっぱ裸なのね。


「アイザック、ちょっと来てくれ」

呼ばれた。なんでしょ?

エルディー先生、ベッドの上で身を起こす。後ろ向き。

例によってすでにパンイチ…パンツもない?

全裸! ノーパン健康法!

三つ編みを両手でたくし上げる。セクシーポーズ。

背中から見ても、両脇からはみ出てるよ、ふくらみが。

無駄にセクシーですよね、先生。無駄に。

誘ってるんですか?

背中を拭いてくれないか? う、冷たい。

ふふ、いいんだ。お前の手の方が暖かいからな。

直接触ってくれないか? うん…

前のほうも、そう、もっと、もっと下も…的な!!


「背中、掻いてくれ。」

えー?

「痒い! 痒いんだ、真ん中あたりが!」

身をよじる、セクシーじゃない感じで。

誰か背中掻いてくれー、一人じゃ手が届かないからー

「ここですか?」

「あー、もっと右、上、そこ! そこそこ。」


明日は風呂に入れる、絶対だ!!



魔道機体の朝は早い。(窪田等)

夜明けとともにスリープから復帰した俺は、ログハウスの外へとむかう。

山から引かれたパイプから流れ込んだ水が、軒先にある大きなますに貯まっている。

あふれた水はといを伝って小川に流れ込んでいる。

手桶ておけで水を汲んではたらいに移す。

たらいって字、そのまんますぎて笑えるよね。

10回くらい往復した、不便。

さて、かまどに火を入れて… いや、待てよ。

これ、あれ使えないか? 炎縛鎖ファイヤワイヤ

手の甲に魔方陣が浮かび上がる。浴槽の水に手を突っ込んで…

「炎縛鎖!」

はい失敗! 沸騰しました。

ゆだって死んじゃうよね、先生。

押すなよ、絶対押すなよ!どころじゃない感じ。

浴槽から熱湯をくみだして軒先の升に戻したり、草の生えていないところに撒いたり。

お湯をうめるのに苦労した。え、お湯に水を足すの「うめる」って言わない?

俺だからできるけど、人間だったら熱くて触れないよね。

生き物がいるかもしれないから熱湯を小川に流すわけにもいかないし…


結構時間かかった。もう、起こしてもいいかな。

「起きてください、先生。湯浴みの支度が出来ていますよ。」

実は楽しみにしてました。先生の入浴シーン。

献身的な働きも下心が89%くらい。

残り11%は衛生観念。

「うむむ、わかったー。」

もそもそと、起き上がった先生。服を脱いで… 

もう素っ裸やん、脱衣シーン省略だよ。

わかってない! わかってないですよ! 脱ぐところがいいんですよ!

何やらもそもそと、あ、髪をほどいてるのか。

緩めの三つ編みをほどくと、結構長くなるな。

ほどいた髪は細かいウエーブがついておへそのあたりまである。

モードチェンジ! 第三のモード!

三つ編みのせいでウェーブがかかった髪がソバージュっぽい。

髪が胸を隠して、さきっちょだけが隙間から突き出してる。

うーんエロい。妖艶。チラチラ見えるとこが丸出しよりエッチ。

そういうの! そういうの重要ですよ、先生!


浴槽の横で手ぬぐいをお湯につけて…

「熱いな、けっこう。」

え、そうですか? 俺的には適温なんですけど。

日本の常識、非常識?

濡らした手ぬぐいで身体を拭いていく。

立てひざで。その仕草、けっこうきます。

途中で足を入れ替える仕草を入れてくれると、もっと来ると思うんですよ。

お、髪をよけて、背中をこっちに向けて…

「背中をこすってもらえるか?」

来た! 来ましたよ! 羞恥ゼロなのはどうかと思いますが。

実のところ待ってました。期待してました!

手ぬぐいを受け取り背中を濡らす。

「うん、気持ちいい、もう少し強く…」

「ああ、いいぞ、もっと強くして。」

「上手だぞ、アイザック。」

うん、ここは音声だけ再生しよう。映像はカット。

垢がボロボロ出てますから、先生。ええ、ボロボロと。

「ありがとう、もういいぞ。」

前は? 前はいいんですか? やりますよ!

やらせてください! カントク!

先生? 手ぬぐいを? おっぱいの谷間に? はさんで?

なんすか? それ? パイズリの練習? 特訓?

縦にした手ぬぐいを上下に? 

ああ、谷間から…垢がね。

ボロボロとね。

「おお、出る出る。」

おっぱいには夢が詰まっている、と言った人がいたけど。

俺の中の、おっぱいに対する夢や憧れの、何かが一つ失われましたよ。永遠に。

返せ! このくそエルフ!


「ふぃいー」

おっさんか! 湯船に身を沈める先生。

「このくらい熱いのもいいもんだな。」

「そこの瓶、取ってくれ。」

羞恥心もないけど、遠慮も無くなってきたな。

この瓶は? シャンプー的なもの?

ガシガシ地肌を洗ったあと、髪全体に伸ばして、すすぐ。

ティモテーー。

いや、湯船の残り湯に? 頭ごと突っ込んですすぐんですか? 

雑! 雑ですよ。乙女感ゼロですよ。

「ガボゲボゴボ…」

いや、その体勢だと、お尻がこっちを向いて…

高く上がって…

いろんな穴が丸見えなんですけど?


「ああ、さっぱりした。」

身体と髪を拭き、下着を身に着けた先生はご満悦。

そのまま、ベッドに…

おい! 二度寝しようとすんな。

「先生、いろいろご相談したいと思うのですが…」

「あ、あー。そうだよな。」

「熱いお湯があまりに気持ちよかったんでな。」

俺のせいにすんな。

髪を洗ったせいで、髪型はほぼストレート。

モードチェンジ3.5くらいな感じ。

ソバージュモードの妖艶さとはうって変わって、清純な…

すいません、やっぱ清純は無理。

だが、すごい美人だよね。改めて見ると。

ロングのストレートヘアで雰囲気が変わって…

威厳と言うか、神聖さすら感じさせるような…

む、誰か来たな? この足音はベータ君。

「先生! おはようございます! 起きてー!」

大声だ。

寝てるに違いない、起きてるはずがない、寝坊してるはずだ、

っと言う確信!

外れてはいない。二度寝しようとしたし。

ドアを開け、ベータ君を迎え入れる。

「おはようございます。ベータさん。」

「え、あ、おはようございます!」

俺に出迎えられてびっくりしてるぞ、予想外だったか。

まあ、もともと変な機械だし、しかも昨日は戦闘メカだったもんな。

先生が起きてるのを見て、目を丸くする。

しかも、髪がストレート、きれい。

「入浴されたのですか?」

「もしかして、アイザックさんが仕度を?」

ベータ君、恐縮。

「ありがとうございます。すいません、そんなことまで…」

いえいえ、手間はかかりましたが見返りはありましたよ、穴とか。


朝食はベータ君が持ってきてくれた。

肉っぽい何かと葉っぱ的なものを挟んだパン的なもの。

俺は食べれないので、確認する手段がない。

ちなみに俺は、ら抜き言葉肯定派。容認ではなく肯定。ここ重要。

そして、たぶんこれはイーディお姉さんの手作り。

「この、葉っぱ、苦手なんだよなあ。」

はい、正解。間違いないですね。

野菜も食べるんですよ、先生。


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