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偵察ドローンの本分



その後、数日間はマビキラに付き合って魔法集中講義。

気分は夏季講習。夏を制する者は受験を制する感じ!


数日後、講義を受けてる最中にアトラックさんが帰ってきた。

予定より早い?

あれ? 女騎士は? 一緒に帰ってくるはずでは?

知らせを聞いたお嬢様。講義を中断して出迎えた。

「アトラック、よく戻りました。」

「はっ、お嬢様。ただいま戻りま…」

イオニアさんの後ろからアイリンクちゃんが顔を出す。

「え? えええ? アイちゃん???」

「おとしゃーん!」

ダッシュ! アイリンクちゃんお父さんに飛びつく…

ところを、直前でいったん停止。

メイド服で一回り。

「ぐはあ!」

アトラックさん血を吐いて倒れる寸前!

「かわいいで、しょ。」

「かかかかかかわいいぞおおおー!」

がしっと抱擁、高い高いしてくるくる。

「アイちゃん可愛いぃーーー世界いちいぃー!」

「きゃははははー!」

「世界! ワールド! ナンバーワンんんーーー!」

…パパの反応、あまりのオーバーアクションにちょっとしらけた。

お嬢様もちょっと引いた。

「おとしゃん、くさい!」

ええ? アイちゃん辛辣! そりゃ旅から帰ってきたままだから臭いけど。

「ええ? ああ! お嬢様、私は失礼してちょっと浴場へ…」

「ちょ、ちょっと待ちなさい。報告してからにしなさいな。」

落ち着け! アトラックさん。


「それに……アトラック、そちらは?」

アトラックさんの後ろにきらびやかな鎧をびしりと身に付けた青年騎士。

我に帰ったアトラックさん。あわてて紹介する。

「こちらはクリプス王軍騎士。大街道関所の責任者です。」

「イオニア様、お目にかかれて光栄です。王軍騎士クリプス・デンソーと申します。」

片膝ついてうやうやしく挨拶する、イケメン騎士。ちょっとチャラい。

そして顔が青い。いきなり勇王ご息女イオニア様との面会で緊張してるのか?

ちがうね。

警戒態勢なのはケルベロ1号。

チャラ男騎士の後ろにぴったりくっついて、ヘッドアームを開いて威嚇。

冷汗たらたらチャラ男騎士。

それでもきちんとした態度を崩さないイケメンりょくはさすがだ。

もちろん、この場にはビクターさんも同席している。

王軍騎士といっても女騎士のときの事があるから油断はしない。

ま、この状況じゃ害意があっても手出しなんかできるわけが無いですがね。

「こちらはクラリオ騎士のご同僚。タモンさんの元部下だそうです。」

「私がレガシに戻ると聞いて、ぜひご挨拶をと…同行を依頼されました。」

アトラックさんが補足説明。

鎧をつんつん突っつくケルベロ1号、ますます青くなるイケメン騎士。

「先だって大街道関所に赴任したデンソー家の三男です。」

「身元は間違いないかと。」

ビクターさんがお嬢様にささやく。

「ケロちゃん、大丈夫よ。」

お嬢様の命令で一歩下がる警護獣機。

ちなみに1号が「ケロちゃん」2号が「ベルちゃん」

お嬢様から賜ったありがたいお名前。安易だとか言わないように。

オレは翅を広げ飛び上がるとビクターさんに声をかける。

「タモン・サンヲ・呼ンデ・来マス」

「お願いします、タマちゃん。」


工房から組合長のお店にまわってタモン兄貴をつかまえると、早速駆けつける。

この間にチャラ男騎士は応接室に通されてほっと一息ついていた。

「おおー、クリプス! 久しぶりだな。」

「将軍! ご無沙汰しております!」

ビシっと起立、敬礼。

「アトラックさん、お疲れ様。…アイリンクちゃんの、見た?」

「見ましたー!」

あんたら、最初に言うことがそれかよ!

「あれ? クラリオは?」

「実は…」

アトラックさんが経緯を説明。

「うーん、あいつ、大丈夫かな。なんかやらかしていなければいいが…」

「しかし、お前が街道関所に赴任してたとは…なんでこんな田舎に?」

「色々ありまして。」

「女か?」

笑ってごまかす色男騎士。

あ、うーんそういう感じ?


途中だった講義に一区切りつけて、お嬢様、エアボウド導師、マビキラ、ベータ君がゾロゾロと入ってきた。

クリプス騎士は立ち上がって姿勢を正す。

「ええ? エアボウド大導師? なぜこちらに?」

「なんだ? クラリオから聞いてないのか?」

これには兄貴がびっくり。

「いえ、あいつそんなこと一言も…」

「ええ? ワシ、彼女と一緒にレガシまで来たのに…」

生臭大導師もがっくり。

いいかげんなやつだな、女騎士!

「そちらの美しいお嬢様がたは?」

イケメンチャラ男スキル、ナンパ視線でマビキラを見る。

「ご紹介しますわ。こちら、バッソ侯令嬢、キララさん。」

「こちらがエスブイ子爵令嬢、マビカさん、わたくしのお友達ですわ。」

うやうやしく片膝ついて挨拶するクリプス騎士。

「デンソー男爵家三男、クリプスと申します。王軍騎士を務めております。」

チンチクリンのお子様相手だからと言って手を抜いたりしない。

モテる男はちがうぞ!

あれ? そういえば、マビカ…最初のころは男の子と間違われたりしてたのに…

チャラ男騎士、「令嬢」と紹介されても全く違和感を覚えていない?

いや、マビカの方が…女の子っぽくなってる!?

毎日見てると気付かなかった!

身体のラインが丸くなって…見間違えようが無い。

たったひと月ちょいで急成長してるぞ!

まさか、先生の穀物ドーピングが関係してるんじゃ…

まあ、すくすく成長はいいことだ。

キラすけは…変わってないな…誤差の範囲。うん個人差。


「この街では王国の身分は関係ありませんわ。気楽になさってください。」

「は、有りがたきお言葉!」

ちらりとベータ君に目をやる。

「こちらはベータ君、エルディー導師の一番弟子ですわ。私の…兄弟子ですわ。」

「兄弟子!? それは…私クリプスと申します。よろしくお願いします。」

両手でベータ君の手をとって、ぐっと握手。

ちょっと時間、長いような気しますよ?

兄エルフに近いものを感じる。

まさかこいつ、両方いけるクチ?


猫耳メイドーズがお茶を運んできて、お茶会状態に。

お嬢様にお目通りできた上にお茶までご一緒。

さすがのイケメン騎士も恐縮しきりだ。

まだちょっと緊張しながら今回の目的を語る。

「イオニア様、タモン将軍にお目にかかるのはもちろんですが…」

「関所の運営に当たってレガシの工房にはお世話になりましたので。」

「特に女給の制服を仕立ててくださった方にぜひお礼を、と思いまして。」

兄貴、苦笑い。

「アレ発注したのお前かー」

「何で、関所がこんなもの注文してくるんだ? って不思議だったが。」

「ご存知でしたか?」

「まあ、工房になら俺が案内してやるよ。」


工房を訪れたクリプス騎士。

工房長おやっさんが七英雄の一人だとか、服飾工房主任のダット姐さんが兄貴の奥さんだとか。

目を丸くして驚いた。

「クラリオのやつ…何にも言ってくれないんだもんな!」

どこまで話していいかわからないから、何も話さなかったらしい。

単に言い忘れただけ、という可能性もある。

結果的に賢明ではあるが…ちょっとは頭使って欲しい。

食堂で食事をしながら雑談。

「しかし、驚きましたね。この街は。」

「七英雄が三人に、将軍に、イオニア様。湾岸侯とその重臣のお嬢様…」

「よくもこれだけ重要人物が集まったものですねえ。」

あきれた風のチャラ男騎士。

そのお嬢様がたマビキラは一緒について来た。

もりもり夕ご飯食べてる。育ち盛り。

おやっさん、エアボウド導師、ダットさんも同席。

オレは、天井の梁にくっついて話を聞いてる。

「なんとなしに集まってきて…ま、なりゆきって奴じゃな。」

おやっさん苦笑い。

ぼそりと、周りに聞こえない声でつぶやいた。

「ま、他にもおるが…」

タマちゃんイヤーには聞こえたけど…誰?

「俺は一緒にするなよ、落ちぶれ軍人だぞ。」

兄貴はそういうけど、ま、謙遜だよね。

ポンコツ女騎士、チャラ男騎士や、以前のディスカムの様子を見ればわかる。

王都では誰でも知ってる英雄なんだろうな。


「何か情報あるか? 王都については?」

兄貴が水を向ける。

「クラリオにも聞いたんだが、どうもあいつはそう言うのはさっぱり…」

ああ、うん…そんな感じだよね、女騎士。

「そうですね。」

クリプス騎士、苦笑い。

「ウチ、デンソー家は政治に関してはノンポリですからね。」

「そういう意味ではまんべんなく情報が入ってきます。」

「大勢は至上主義派閥で固まってるんですが…」

「今度はその派閥内でエリクソン派とモアブ派で…」

「ああー、なるほど…」

うんざり顔、兄貴。

エアボウド導師が付け加える。

「至上主義者にも二種類おるからな。」

ん?

「人間こそ至上の存在であるべきだと、『考えている』奴と…」

「人間こそ至上の存在であると『思っている』奴だ。」

え? どゆこと?


「『考える』派は至上の存在になるべく自らを高めようと努力する。」

「まあ、中には他種族から搾取して高まろうって勘違いしてる奴もいるんだが…」

「尊敬されようと頑張ってはおる。」


「『思っている』派は…」

「自分たちはすでに至上の存在であると『思っている』」

「思ってるだけで何もしない。」

「自分たちは至上の存在だからってんで、他種族の長所や優位性を認めようとしない。」

「他者から学ぶことはしない。」

「それだけなら無害なんだが…文句は言う。」

「『考える』派が他種族の優位を前提に政治戦略を立てると反対する。」

「結果的に他種族はもちろん人間自身の足も引っ張ると言う…迷惑な存在だ。」

あ、うーん…この世界にも居るんだ、そーゆーの。

「そして至上の存在であるはずの自分たちが不当な扱いを受けていると不満を抱く。」

「バカなの?」

ダットさんが的確な指摘。

「まあ、そうだ。」

「そういう奴らの不満を代弁する感じで勢力を拡大したのが今のモアブ伯。」

「騙しやすかったんだろうなあ…」

「だが、簡単に騙せるからって政治家が衆愚におもねっていると自分の首を絞めることになる。」

「不合理な不満や無茶な要求にも対応する必要が出てくるからな。」

おやっさんがうなづく。

「『簡単』に甘えているとしっぺ返しが来る。」

「職人もそうだな。魔法附与エンチャントに甘えていると技術が上がらん。」

「ほれ、手の出しやすい所から無計画に採掘を始めたばっかりに崩落しそうになって封鎖した石切り場があったじゃろ。」

「あれなんかも、そうじゃな。」

なるほど、ご利用は計画的に。

「あー、あそこね。ありゃあもったいなかったなあ…」

エアボウド導師も知ってるらしい。

「エリクソン伯はどっちかって言えば理想主義的な至上主義者ですからねえ。」

「モアブ伯、というか……」

「伯の後ろ盾になってる団体とはどこかでぶつからざるを得ないでしょう。」

チャラ男騎士、ちょっと暗い顔。

で、話を変えた。


「実は、レガシに来たのにはもう一つ目的がありまして…」

「ぜひ、お風呂を見学したいのです。」

兄貴が冗談交じりに突っ込む。

「混浴じゃないぞ!?」

「やだなあ、将軍。商売の話ですよ。」

「関所に食堂や宿屋を併設したので…入浴施設も、と考えていまして。」

「レガシ帰りの旅人が良く話を聞かせてくれるんですよ。」

おやっさんが首をひねる。

「うーん、ここは製鉄触媒炉の余熱があるから成り立っておるが…」

「単独では難しいんじゃないか?」

「触媒魔法は何とかなるが、水や石炭はなあ…」

「その辺はおいおい考えるとして、とにかく施設を見ない事には話になりませんので。」

「まあ、その辺は湯につかって考えるんじゃな。」


お風呂キター!

タマちゃん化してから苦節1週間。ついに偵察ドローンの本分|(違う)を発揮する機会が!?

見学チャラ男騎士を案内してみんなでお風呂に。

お嬢様も行きたそうな顔してたんだけど、さすがにビクターさんが止めた。

おおっと混んでる。

タンケイちゃんに職人衆。泥だらけ。

遺跡改修作業の帰りか?

おお! ミニイたん! そしてデイヴィーさん!

イーディさんも! いったん御屋敷で別れたベータ君もお姉さんと一緒にやって来た。

ダットさんも含めオールスターメンバーですよ!

デイシーシーもいるな、一応。

「混んどるな、後にするか? 彼、貴族なんじゃろ?」

おやっさんが兄貴に小声で聞いてる。

ああ、男爵家って言ってたっけ。

「いえいえ、大丈夫ですよ、こう見えても軍人ですから。」

チャラ男騎士余裕の表情。

なんかチラッとベータ君のほう見たような気がするぞ。

怪しいな、チャラ男騎士。


さて、オレの問題はどうやって自然に女湯に入り込むか、だ。

ここ数日で、タマちゃんが自立行動する魔道機である事はマビキラに知られている。

中身がアイザックだって事はバレていな…知られていないが。

アイザックのオプションである事は周知の事実。

迂闊に行動すれば疑われる。意外とキラすけ鋭いとこあるし。

ミネルヴァにバレるのは避けたいところ。

んー、考えろ。考えるんだ。

タマちゃんボディでは高速思考は使えない。

時間は限られているのだ。

よし! この手!

脚とおしりをたたんで空飛ぶ球体モードに変形。

蜘蛛型はご婦人方には不評だからね。

小っちゃい子には大ウケなんだけどなあ。

あえて、ふらふらミニイたんの前を飛行する。

食いついた! ミニイたん。すばやくキャッチ!

「おかさん! たまたん!」

はーい、タマたんですよ。無害で純真なドローンですよ。

「おふろ、いしょはいる!」

ナイス! ミニイたん! ぐっじょぶ!

くくく、計画通り!!

「ええ? でも濡らして大丈夫なのかしら?」

おう! だいじょぶ。野外活動用メカだからね。

トンちゃんみたいに潜水行動は出来ないけど、防水は完璧ですよ。

「ボウスイ・キノウ・アリ」

「あら、じゃあ大丈夫かしら…」

デイヴィーさんの許可がでたぞ! やった!

ミニイたんにつかまれたまま、脱衣場へ。わくわく!

母エルフだけじゃなくダット姐さんもいるので期待値倍増!

ん? ダットさん、何? その大荷物。


「でも、こいつ。アイザックの同類なんだろ?」

なんだよ、キラすけ。お前は口出しすんな。

「中の…何か邪念を感じる。」

「アイザックのやつ、すました顔してるけど中身はけっこうエッチだから…」

なんて事言いやがる、キラすけ!

エッチなのはお前だろ! お前から夢幻投影したくせに!

憶えてろよ、本体が帰って来たら絶対カブトムシたからせてやる!

「ええ、まあ、それは、知ってますけど…」

え? ええ? デイヴィーさん?

知ってるって、何!?

「ああ、確かに…けっこうエッチだしー、あいつ。」

シーシー? 何言ってるんですか?

「デイエートと色々怪しいしー。」

「ええ? デイエートと?」

驚くデイヴィーさんにイーディさんが

「あー、そうね。やたら距離が近かったわね。」

「隙あらば揉もうとするしー! な、タンきち!」

「い、いや、そそ、そんなことないっすよ。」

かばってくれるタンケイちゃん優しい。

「エルディー先生の影響かもしれないけど…わりと態度に出てるわね。」

「本人は気づかれてないつもりなんだろうけど、にじみ出てるって言うか…」

イーディさん?

「どこ見てるかわかんないところがエッチ!」

マビカ?

「あの目、けっこう視野広いらしいわよ。旦那が言ってた。」

ダットさん?

兄貴ぃー! 秘密にしとけって言ったのアンタじゃん!

「なんかこー、ちらちら見てる感あるしー、あいつ。」

お前にそんなこと言う資格無いだろ、男湯覗きガングロエルフ!

男のそーゆー視線に女性は敏感だっていうけど…

360度視界でもごまかせてないのか?

女性陣の本音トーク! 心に刺さるよ。

折れる! 心が折れ…

ん?

いや、それは魔道機本体アイザックの事だよね。

今のオレはタマちゃんだから。

オレの事じゃないから。

うん、奴はエッチ。

オレは違いますよ。うん。


「そういえば、ミネルヴァが前に…」

マビカがつぶやく。

「アイザックと記憶を共有してるって言ってた。」

こ、こら! 余計なこと言うなマビカ!

「え? じゃあ…タマちゃんも……」

女性陣の視線が集まる。


お風呂入ってすぐ洗面器かぶせられました。

でもまあ、それなりには。チラ見はできたから良しとするか。


お風呂から上がって脱衣場に出ると、ダット姐さんが大荷物を解いた。

まあ、オレ、タオルを巻かれてたんで視覚センサーの大部分は塞がれてたんですけど。

ふっふっふ。さすがに足先にもセンサーがあるとは誰も思わない。

隙間からちょこっと突き出して周囲を探る。

荷物の中身は…ブラジャー!

試作品か! 出来上がったんだな。

「みんな、ちょっとこれ試してみて。」

「何ですか? これ?」

「タンケイの胸ガードにヒントを得て作ってみたのよ。」

「ああー、あれね。」

「あ、布製なんだ。」

「感想聞かせてほしいのよね。」

「タンきち用の試作は精密に寸法測ったやつだしー」

わいわいと女性陣、次々と試着。

タンケイちゃんの暴力的爆乳が。

イーディさんの安らぎ手のひらサイズおっぱいが。

デイヴィーさんのたゆたゆ母性おっぱいが。

デイシーシーのむっちりおっぱいが。

マビカの急成長膨らみかけおっぱいが。

次々と試作品ブラジャーに収まっていく。

装着法は確立されていないので、みんな思い思いの方法で身に着ける。

ホックではなく縛る式。この辺はまあ、仕方ないか。

前縛りのと後ろ縛りのがあるな。この辺が試作段階だな。

うーん、これはこれで!


「いいっすねー、これ! あたりが柔らかくて…」

「工房での作業は革製の方が安全っすけど。」

「お休みの日に作業するときなんかこれいいっすよ。」

タンケイちゃん。

「問題はお休みがないっす…」

なんか言ってるぞ、ブラック職人。

「これは…動きやすいわね。」

デイヴィーさん、子育て大変だからね。

「うん、先がこすれないのがいいわね。」

イーディさん、こすれてたんですか?

「は、うっ、くくっ!」

ああ、無理やり腕突っ込んで肘曲がったままつっかえたんだな、キラすけ。

お前はいらないだろ?

マビカの手助けで脱出。

うーん、小学生ビキニみたいになってるな。

それはそれでかわいいけど、実用上は意味ないよね。

ダットさんは自分の人妻おっぱいを収めると聞き取り調査。

「前縛りと後ろ縛り、どっちがいい?」

「肩ひもの具合は?」

デイシーシーも手分けして聞き取り中。

お風呂で化粧落としちゃったんで白シーシーだけどな。

おまえ、絶対そっちの方が良いって。

女性陣の評判は上々。絶賛と言ってもいい。

「いつ売り出すの?」

「オーダーメイドもできるのね?」

「こうすれば谷間が…」

「詰め物…」

うん、絶賛。

「さすがね、タンケイちゃん。すごいアイデアだわ。」

イーディさんの褒め言葉にあわてるタンケイちゃん。

「あ、でも、最初に作ってくれたのはおやっさんなんす。」

「え?」

「おやっ……さん?」

「工房長?」

みんな胸を押さえて微妙な顔した。

うん、まあ…



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