月は巡りて陽は昇る、されど昇らぬ陽には意味など要らぬ。ならば新たな意味を求める
「月は巡りて陽は昇る…当たり前だけど、太陽が昇るのって…いいよね、そうだろう?」
「…俺は月が昇った方がいいな」
「だろうね、君の力の元は月だから」
「お前は太陽が力のもとだよな」
「それでさ」
「おう」
「月と太陽、二つ同時に昇る世界があるんだって…一応別々に昇ることの方が多いらしいけど」
「へぇ?それで?」
「明日の新月の時に2人の力を合わせてそこに行かないかい?」
「…いいのか?お前はこの世界が好きなんだろう?」
「そうだけど…もうこの世界は手遅れだから」
「手遅れか、まぁ…世界が滅びるまであと少しだもんな」
「もっと確実にいえばあと3ヶ月ほどだけどね」
「お前ならこの世界と共に死ぬかと思ったよ」
「それもいいんだろうけどまだ生きていたいからね」
「仮にも命の神とか呼ばれてたもんな」
「君は死の神と呼ばれてたね」
「だけど俺らは」
「神なんかじゃない、それに近いけど」
「ちなみにその世界のことはどうやって知った?」
「この世界の神様に」
「そっか…憂いてるのかね?」
「多分…自分で生み出しておいて何もさせることが出来なかった罪滅ぼしなんだろうね」
「…分かった、その世界に行こうか」
「いいのかい?」
「この世界には飽き飽きしてたからな…人同士で戦うほど無意味なことは無いからな」
「分かった…それじゃ明日行こうか、新たな世界へ」