正直な面接 とはいえ、正直すぎる
「ハイ!志望動機は金が欲しいからです!」
面接室に威勢の良い声が響く。
「ハイ!35歳まで無職だったのは親に甘えていたからです!」
よく響く声の主 スクランブル スペシャル
スクランブルが苗字で、スペシャルが名前だ。
就職のため今日も面接にきている。
_これまでに取り組んだことは?
「ハイ!めんどくさくて特に何もしてませんでした!」
_資格はお持ちですか?
「ハイ!資格はありません!」
なんで_?
「めんどくさくて!」
_この会社で何ができる?
「何もできません!」
7日後
「ああ、今回もダメだった、あの薬のせいで!」
スペシャルは20年前実用化された薬に激怒する。
そう、正直になる薬である。
面接のとき、面接を受けに来た奴に飲ませればそいつの人柄はよくわかる。
だから、今の社会ではこの薬を飲まないと面接を受けれない会社がほとんどだ。
「ああ、こんな社会にした馬鹿はだれだ!どんな奴だ!
ぶん殴ってやりたい!」
スペシャルは嘆く、こんな社会にしたのは、かれのようなめんどくさがりが
「面接官やるのめんどくせー、人なんて評価すんのダリい」
といったことが原因などと知らずに。