お学問
ボクの大学での専攻は「経営労働法」だった。労働法は労働者の権利を守るために構成されているが、経営者の視点から、労働組合や労働基準法やをどのように運用し利潤追求と二律背反しないようにするのか、といった内容だ。
実のところ、法律学よりも社会学の方が面白いことを知り、先輩・同輩・後輩を頼って社会学部によく潜りこませてもらった。法律学の勉強は、単位が取れる程度に手加減して、社会学、特に学問的創造論や世論調査、社会学的マーケティング、法社会学を熱心に勉強した。
社会学は実に柔軟だ。世の中のあるがままを受け入れて、分析的・総合的に吟味していく。
ボクが学問で学びとったことを端的に言えば、
『自分のために働くことと社会のために働くことが同時に一致するにはどうすればいいか』
ということである。利己的に動いて、利他的でもあるように、知的レベルを昇華させるのである。「好きこそものの上手なれ」を学術的に身に付けた。
このことは、先述の関西学院大学の建学の精神にも深く根ざしている。
ああ、学問とは普遍的なものなのかな!と実感したエピソードがある。大学図書館で法社会学の洋書を借りたとき、ボクの前にその本を借りた人は35年前だった。学問の宇宙的時間スケールを体感した気がした。