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はじめての異世界召喚 36 開戦

二つの軍勢が対峙している。


一方は自身たちの後ろにある故郷と家族を守らんとするために。


もう一方は目の前にある都市を我が物とするがために。



イフラ王国軍側では開戦直前の演説が行われていた。


「これから私たちが戦うのは名実ともに大陸最強のプーランテ帝国の軍隊が五万よ」


王国軍の総大将となったヴェロニカが自軍を見渡しながら言う。その左右には妹たち―――――――――ソフィーとコゼットが並び、その後ろには王国の将軍たちが控えている。


「対して私たちの軍は全部で三万、まともにぶつかれば負けるのは明らか――――――――」


いつもの強気で我が侭な態度はどこに行ったのかと言うほどに弱気な発言を初っ端からするヴェロニカ。その言葉に王国軍の兵士たちは訝し気な顔とともに不安げな顔をするものたちが出てくる。


「そう、普通にやれば負ける。普通にやれば。ならどうすればいい?」


自軍に、自身の周りに、そして自分自身に言い聞かせるように何度も普通と言い続ける。


「答えは簡単――――――――――普通にやらなければ、相手が腰を抜かすような無茶苦茶なことをして暴れてやればいい!!」


声を張り上げてヴェロニカは宣言した。


「帝国が何だ! アンタらは母を――――――――女王陛下を殺されかけて泣き寝入りするのか!?」

「「「「「「「「「「否!」」」」」」」」」」

「何も抵抗せずにただ滅びるか!?」

「「「「「「「「「「否!」」」」」」」」」」

「ならば奮い立て! 力に任せた蹂躙に抗う、この場に立っている汝ら一人ひとりこそが英雄だ!!」

「「「「「「「「「「ありがたきお言葉!」」」」」」」」」」

「私についてこい! そうして自分で勝利をその手でつかみ取れ!!」

「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」」」」」」」


ヴェロニカの演説に全軍の士気は最高潮である。その様子を見ていたヴェロニカの近くにいる者たちは複雑な顔をしている。


「何で普段はああなのに、こういう時だけは立派なんでしょう…」

「全面的に同意するよ、ソフィー姉さん」

「普段からああしてほしいですね」

「それはともかく、今は目の前の問題をどうにか片付けましょう」


最後にそう言った将軍職に就いている女は振り返って帝国軍を見る。


ヴェロニカは自軍の先頭に立ち、号令を出す。


「行くぞ――――――――――」



時を同じくして、プーランテ帝国の展開している陣形の後方に立ち、竜将軍シーラも開戦直前の演説を行っていた。


「私は今回、二度の失態を犯した。」


静かだがよく響き渡るような声で話し出す。それは独白のようであった。


「女王の命を奪い、国が混乱しているところを今頃全軍で王都を占拠しているというハズであった」


本来ならば上手くいったのだろう。だが今回は最大の不確定要素である蒼介たちが大いに暴れたことで、その計画は破綻した。それどころかこの世界では女に劣るという男という存在に女王を守られるどころか自分たちは何もできなかったという事実に、自分たちは何をやっているのかと自身に対する怒りで燃え上がっていた。


「私が提案した計画でこの国の征服は困難となった。それどころか更に難題にしてしまい、諸君らの手を煩わせることになってしまった」


シーラはただ独白のように語る。それを兵士たちは静かに聞いている。


「何故だろうな、貴君たちの手を煩わせないように作戦を練ったのに、全くの無駄だったよ」


その言葉に兵士たちはざわめく。いつも鋼のような眼をしている女がこんなことを言うのが意外だったのだろう。


「はぁ、勝手に私のイメージを決めるのは構わないが、私だって人間だぞ。無駄に死人が出るのも嫌だし、失態を起こして本国に帰り叱責を受けるのも後になって考えると鬱にもなる」


シーラが特別苦い漢方薬でも飲んだかのような表情になると、兵士たちは生暖かい眼を向ける。


「ツバキのように酒を持ってお前らと騒げればまた違ったのかもしれないが、生憎と酒に弱くてな…」


その言葉に兵士たちは笑いだす。それは決して嘲笑の類ではなく、微笑ましいというような笑いであった。無理もないだろう、何せ普段は本心を語らずに黙々と任務をこなす女が無表情という鋼の仮面の下に隠された本音をさらけ出したのであるのだから。


「まぁ、私の愚痴はともかくだ。今回の敵は過去最大級に厄介だが、この程度を乗り越えないと大陸最強は名乗れない!」

「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」

「貴君たちとともに戦うのはこれで最後となるやもしれん! だがしかし! いや、だからこそ今回は何が何でも勝利を掴む!」

「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」

「苦い記憶はもうこれっきりだ! 用意はいいか!」

「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」」」」」」」


その様子を見ていたツバキは微笑ましそうに笑いながら呟く。


「何だ、意外と熱いところもあるじゃないか。私も今回は少し張り切るかね」


しかしながら、その呟きは鬨の声によってかき消される。


「行くぞ――――――――――」



これより起こるのはどちらが勝とうが負けようが大陸の歴史に刻まれる戦いである。そしてその戦いは奇しくも時を同じくして両軍の総大将による合図は重なることとなった。


「「全軍出撃!!」」

「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」」」」」」」

私事ですが…


『GODEATER3』発売だ、ヨッシャオラァァァァァァァァァァ!!!!!

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