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はじめての異世界召喚 6

「というか、俺だけ長々と言ってても仕方ないから次行くぞ」


蒼介はそう言って優志の方を向いた。優志の方は蒼介の視線を意味を理解して、筆談するために紙を用意した。


『榊 優志 高2 16歳

悪魔と人間の混血児で八分の三が人間。去年まで悪魔の力を封印されていて何も知らされずに人間として育てられていた。封印が壊れてから何度となくそっち関係のゴタゴタに巻き込まれて、荒事に巻き込まれるようになったせいで妙に体が頑丈になった』

「マジか…」

「…」

「「…?」」


京平は優志が自身のことを書いた紙を読み、唖然とした。蒼介は何か考えるように黙り込み、フランツとスレイは首をかしげていた。首をかしげる2人の反応に疑問に思い、京平は聞いてみた。


「どうした、2人とも?」

「字が分からん…」

「同じくだ」

「あぁ、なるほど」


2人の反応に京平は納得して優志の書いたことを簡潔に説明しようと考え、紙に書いてあることを朗読しようとした。だが、読み始めた途端にフランツの優志に対する視線が豹変した。


「優志は悪魔と人間の混血児で――――――――――」

「何?」


その目はまるで人生の大半を費やし探し求めた怨敵を見つけた復讐者のように変わる。その雰囲気に考え込んでいた蒼介も顔を上げてフランツを見る。しかし、しばらくするとフランツは複雑そうな表情を浮かべながらも、その剣呑な空気を霧散させた。


「…悪い、続けてくれ」

「あ、あぁ、優志は悪魔と人間の混血児で去年まで能力を封印されて人間として育てられたらしい。」

「そんでゴタゴタに巻き込まれて封印が壊れたあとも巻き込まれて、叩き上げられたから頑丈になったんだと」

「ゴタゴタって何があった…」


優志はスレイの言葉にさらに神に筆を走らせる。


『まず、オレの主人はどこぞのお嬢様で、人外少女だ。それを狙った勢力にオレは巻き込まれて、胸に風穴をあけられてある意味人間として死んだ』

「死んだって、そんなあっさり…」

『なに、主人を守って死んだんだ。悔いはないさ』

「うわ、漢がいる…」

「それから?」


フランツの催促に優志は一度深く、息を吐く。


『胸に風穴をあけられた際に実の両親から受けた封印が壊れたみたいでな、気が付いたらなぜか体が治ってた』

「適当だな、オイ」

『仕方ないだろ、覚えてないんだから。だが、駆け付けた周りが言うには白い悪魔みたいだったそうだ』

「白い悪魔ねぇ…」

『気が付いた時には抱き着いて泣いてたお嬢様とオレを警戒する人たちがいたんだが、唯一の目撃者であるお嬢様曰くオレが全部終わらせたって言ってた』

「その時の記憶はないのか?」

「…(コクリ)」

「それがゴタゴタか…」


スレイは優志が巻き込まれた厄介ごとについてかなり同情的になった。しかし、優志はコレは序の口と言わんばかりにさらに筆を走らせた。


『そのあとになぜかエクソシストが来てオレを連れ去っていった』

「急に話が飛んだな、オイ!?」

「つか、ホントにエクソシストっているのか…」

『それからどっかの地下室に拘束されて、悪魔祓いとは名ばかりの切り付けられたり焼かれたり抉られたりの拷問を何日か受け続けて死にかけた』

「現代にまだそんなことするとこがあったのか…」

「どこぞのカルトか…」

『ちなみにその時に茶色だった毛が白くなった』

「まぁ、拷問されてストレスが溜まればな…」


4人は優志の身にあったことを知り、頭痛がするような表情になる。


『そんで何日かした後にお嬢様が武装した私兵を引き連れて襲撃してきて救助されたんだが、今度はお嬢様が重傷を負って死にかけた』

「よく死にかける主従だな…」

『それを目の前で見てたオレはほぼ人間やめかけて、辺り一帯を更地にしかけたけど何とか思いとどまった』

「テロリストも真っ青だな」

『それで、エクソシストの偉い人と話をつけて力を封印して執事見習いとしてここに来るまで日々を過ごしてた』

「リアルにセバ〇チャンじゃねーか」


蒼介がネタを突っ込んだことで、優志は筆を止めた。


『それじゃ、次』

「今度は俺が話そう。立花京平、高2の17歳で剣術道場の倅だ。そこの二人と違って普通の人間で一般人だからヨロシク」

「あのな、好きで妙な体になっちまった訳じゃないんだぞ」

「…(コクコク)」

「それは置いといて」


蒼介と優志は渋い顔をしながらも口を閉じた。一方のフランツとスレイは京平の言い分に首をかしげる。


「一般人という割には戦い慣れしてたが」

「剣を振るう際にも峰で急所を外してたしな」


襲われた時に迎撃した時の京平の技量を4人は思い出していた。


「あぁ、姉ちゃんが生まれた時代を間違えたようなスパルタでな、森に放り込まれたり滝壺に落とされたりした」

「リアルに山籠もり!?」

「熊に会ったときはホントにどうしようかと思ったよ」


遠い目をしながらその時のことを思い出している京平。その姿にはどこか哀愁が漂っている。


「もうあのことは思い出したくないから、次へ行ってくれ」

「おぉ、分かった…」

「そら、強くなる訳だ」


次回で自己紹介フェイズは一旦終わりです

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