はじめての異世界召喚 5
「着いたな…」
「…(コクリ)」
「そうだなー…」
「ていうかこれは…」
「城だな…」
4人は馬車に揺られ、1人は本当に走って目的地へ着いた。その目的地とは、ゲームやファンタジーな世界における典型的とも言える形の城であった。5人は城の中に案内され、謁見の準備が整うまで待っていてくれと頼まれたため、案内人曰く客室へと案内された。
「さてと、情報整理やら質問やら諸々するか…」
『そうだな』
「やっと落ち着いて話せるな」
「それじゃ、改めて自己紹介でもするか」
「その前に、お前ら何者だ…? ドラゴンの一撃を受けて平然としているとか蹴り飛ばすとか、人間か…?」
スレイの一言で蒼介と優志に視線が集まる。2人は目を見合わせ、優志が蒼介に対してどうぞと言わんばかりに手を向けた。
「んじゃ、俺から自己紹介か。改めて、青鬼蒼介だ。今年で17になる高校二年で人間かと言われると、人間やめた男としか言いようがないな…」
蒼介の最後の一言に4人が蒼介を見る目を釈然としないものを見るようなものに変える。
「人間やめたってどういうことだ…?」
「それはまぁ、これから説明する。ただ、日本人の二人には眉唾物だと思ってくれても構わないぞ」
フランツの言葉に対して、事前に日本人と思われる優志と京平に対してあらかじめ断りを入れる蒼介。
「嘘か本当か分からんが俺のご先祖様は鬼だったらしくてな、その影響か俺を含めた家族は少し特殊な体質なんだ。」
「もしかして、さっき両目が青かったのも?」
「あぁ、キレると両方蒼くなる。それに骨が何故か得体のしれない金属でな、そのせいでご先祖様には狩られそうになった人もいるらしい」
『魔女狩りか?』
「イヤ、金属だから武器とかの素材だと思ったんじゃないか? まぁ、似たようなモンだがそれは置いといて。現代になるとせいぜい頑丈なヤツだっつー認識にまで落ち着いたんだ。」
蒼介が説明を中断して一息つくが、ここからが本番とばかりに空気が変わる。
「んで、ここからが本題に入るぞ。俺には恋人っつーか嫁? がいるんだが、そいつにかなり厄介なことが起きてな…」
「…何が起きた?」
思い出すのも嫌だとばかりに蒼介が言葉を止めるが、スレイが先を促した。その前に蒼介が質問した。
「お前ら…、神はいると思うか…?」
蒼介の質問に4人は顔を見合わせて答えた。
「いるんじゃないか?」
「…(コクリ)」
「いるぞ」
「いるが、何もしないな」
4人の答えに息をついてから、蒼介は先ほどのスレイの質問に答えた。
「実はどこぞの神がそいつに憑りついてな…」
「「「…は?」」」」
「その神を引っぺがしたんだ」
『「「「悪霊じゃねーか!!」」」』
蒼介の過去にあったことに対して、4人の心がシンクロするが蒼介は更なる爆弾を投下する。
「それでその神がそのあと俺に憑りつこうとしてな…」
「ホントに何なんだその神…」
「神という名の何かだろ…?」
「神というか、悪魔?」
『邪神だな』
「憑りつこうとした神を逆に喰っちまったんだ」
『「「「お前が一番何だ…!?」」」』
蒼介から体を引いておぞましいものでも見るかのように、顔を引きつらせる4人。確かに聞いただけでは、そんな反応になってしまうのも致し方ないだろう。
「別にそんなに引かんでも、ただの比喩だし…。まぁ、それが原因で先祖返りみたいなことが起きた上に他の腐れ神まで襲ってきて返り討ちにしたら、最初みたいに似たようなことが起こった」
「腐れ神って…」
「ただ少し体が頑丈なだけで返り討ちに出来るのか…?」
「イヤ、無理だろ…」
『ちなみに何柱を返り討ちにした?』
「あー、…11?」
「「「11!?」」」
優志の質問に答えた蒼介の言葉に、他の面々が驚愕し、蒼介の次の言葉に納得する。
「ちなみに、斃した神の能力も使えるようになった。」
「つまり、11人分の神の能力を持つと…」
「ドラゴンの一撃を受け止められるわけだ」
「何かしらの能力を使えば可能か…」
「…(フルフル)」『違うな』
そんな3人の言葉を優志は否定する。
「違うって何がだ?」
『おそらくだが蒼介はあの時、素の状態で受け切ったと思う』
「そんなわけないだろ、何かしらの力でも使って受け切ったに決まって――――――――――」
「イヤ、優志の言うとおりだが…?」
「「「何ィィィィィィィィィィ!?」」」
優志の見解に京平は軽い態度で否定しようとするが、蒼介自身の答え合わせにより蒼介と優志以外の3人は驚愕する。
「だから言ったろ、人間やめてるって」
疲れたような顔で蒼介は再度言った。




