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死亡

これからしばらくは迷宮攻略の話です。

迷宮についての説明が終わったので、フランと守はゆっくりと周りを警戒するように歩いていた。

理由は、フランが説明を終えた後の会話である。


「あれ?モンデーに行くために迷宮を突破していかなきゃいけないってことは、さっきのスケルトンの群れの中を突っ切っていかなきゃいけないっていうことじゃね?」


守のその言葉にフランは先ほどのスケルトンを思い出してブルッと身を震わせた後にしばらく悩んでから、スケルトンの群れを正面突破することに決めたのだった。


そんなことがあって仕方なくスケルトンの群れを正面突破することに決めた二人は先ほどスケルトンの群れに遭遇した場所にやってきた。


「「「カキカキコケカカカカカカカカキクゴキ」」」


「うわぁ…。やっぱりまた出てきたよ…。」


案の定大量に現れたスケルトンに顔を引きつらせながらも守とフランは行動を開始する。

先ほどフランはスケルトンの群れを正面突破すると言ったが、何も正面突破とは敵を正面から倒していくという意味だけではない。

フランと守は、真正面から逃走する(・・・・・・・・・)ことを選んだのだ。

周りから次々とスケルトンが出てくるのを横目にとらえながら、守とフランは全力で走り始める。


「「おおおおおおおおお!」」


「「「「カキカカクカケココココ」」」」


全力でただひたすら前へと走り続けていると、目の前に一体のスケルトンが二人を止めようと立ちふさがる。

だが、文字通り死に物狂いで走っている二人にそんなものは効果をなさない。


「「どけええええええ!」」


そのスケルトンは哀れにも二人に踏みつぶされ、一瞬でただの骨の残骸に変わる。


しばらく走り続けていると後ろからスケルトンの走る音が聞こえなくなったので二人は一瞬足を止めて後ろを振り返るが、振り返った二秒後に、二人は振り返って足を止めたことを後悔することになる。

後ろにはもうスケルトンが追いかけてきてはいなかったが、その代わりにスケルトンたちは各々の手に弓を構えて守とフランに狙いを定めていたのだ。

いち早く状況を察した守が無理やりフランを所謂お姫様抱っこの格好で抱きかかえる。

傍から見れば犯罪臭の匂う光景ではあったが、今の守にはそんなことを気にしている余裕などない。

守はフランを抱きかかえたまま本気で走り出す。

それと同時に、スケルトンたちの弓からは数えるのが馬鹿らしいほどの矢が放たれる。


「グッ!」


「お、おい、マモル?」


矢が守の体に突き刺さり守は痛みに呻き声を上げるが、痛みをこらえて守は走り続ける。戸惑ったようなフランの声も今の守の耳には入っておらず、守は体中から血を流しながらも走り続けた。

そんな守を見て仕留めるのは不可能だと判断したのか、スケルトンは一斉に元の場所に戻っていった。

しかしそんなことは本気で走り続けている守にわかる筈がなく、守は全力で走り続けた。

およそ三分ほど走り続けた後守はスケルトンが追ってきていないことを確認して走りを止め、地面に倒れ伏した。


「おい、マモル?落ち着け。今直してやるからな?」


かすかに聞こえたフランの声に自分がフランを助けられたのだということを実感した守は満足そうに微笑みながら、自分の第二の人生を終えた。

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