ルギの実力
ルギとの戦闘会。
「それではよろしくお願いします。」
「ああ。それじゃあ…」
「「戦闘開始!」」
同時に叫び、守とルギはお互いの方に突っ込んでいった。
ルギは何も得物を持っていなかったのでそれを怪しく思いながらも守は斬りかかる。
「アイス・セイバー!」
「ッ!?」
ルギが詠唱をしながらその両手に氷の刀を創造して斬りかかってきたのを守は間一髪のところで躱すが、その心中は驚きでいっぱいだった。
(魔法で氷の剣を作るだと!?しかも二刀流を使いこなしてやがる!?)
氷で剣を作ることには驚いたが、守が最も驚いたのはルギが使う二刀流だった。
二刀流は一見便利そうに見えてその実態二本の剣にそれぞれ集中を割かなければならず、とても操りきれるものではない。実際に守も剣の修業をしていた時に一度二刀流を試してみたが、その出来栄えは酷い物だった。そんなものを操るルギに守は尊敬の念を抱く。
(二刀流でを操る、か…。それもすごいが、彼女が使った詠唱は短すぎる!一体どれほどの修練を積んだんだ!?)
一方、フランが驚いたのはルギの魔法の詠唱の短さだった。
氷の剣を創るくらいだったらフランにもできるが、それをルギがやったように短い詠唱だけで創ることはできない。魔術には詠唱が必要であるが、魔術の腕が上がればそれを短くすることもできる。即ち、フランよりも速く氷の剣を創り出せるということは、フランよりも氷を創る点については優れている、ということである。
専門は命の研究や補助魔術であっても仮にも魔王の部下である自分よりも高い実力を持っているルギに、フランは尊敬の念を抱いた。
(私の氷の剣を躱した、ですか!?これでも昔は私の剣を躱せる者なんてそうそういなかったのに?フランさんが言っていた魔王の部下という言葉、冗談だと思っていましたが、案外事実だったのかもしれませんね…)
また、ルギも自分の剣を躱せるほどの技量を持つ守に尊敬の念を抱く。
そうして三人がお互いに尊敬の念を抱き合ったところで、再び二人は斬り合いを始める。
「クッ…重いですね…。どれだけの力をかければこんなに強く剣を振れるようになるんですか…?」
「そっちこそ、何でこんなに鋭く剣を振れるんだよ…?お前本当に仲間を殺したりしてないよな…?」
「ふぇ?失礼な人ですね…ッ!自分の剣の腕を犯罪に使うほど私はクズではありませんよッ!」
何十合と打ち合い、剣で戦っても決着はつかないだろうと考えたルギは剣に力を込めて守を弾き飛ばして距離をとり、魔術を使う。
「アイス・スラッシュ!」
詠唱を行ってルギが守の方向に腕を振り下ろし、腕が振り下ろされた空間から氷の波が守の方に押し寄せた。
守はそれに驚愕しながらもすぐに迎え撃とうと剣を握って勢いよく虚空に剣を振り下ろして斬撃を発生させる。
「なっ…斬撃なんて打てるんですか!?」
自分の魔術が相殺されたことと守が斬撃を使ったことに驚愕して動きが止まったルギに守は時間操作を使って一瞬で近づいて斬りかかる。
いきなりの奇襲にギリギリで反応仕切ったルギは急いで剣を自分と守の剣の間に割り込ませるが、守はそれを見越して剣の斬る方向を変えてルギの剣を弾き飛ばす。
「そこまで!マモルの勝利だ!」
フランが守の勝利を宣言した。
守が強くなりすぎじゃね?と思う人がいるかもしれないが、考えてもみて欲しい。守はリッチーになったから、経験値の取得が馬鹿みたいに大きくなってるんだ。これくらい強くなっても罰は当たらない気がする。




