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ヒロインが疫病神

作者: 手影キツネ

勢いで書きました

『ウェネリア国恋歌~異世界で恋をする~』という恋愛ゲームがありました。

まあまあ売れていたゲームだったので、友達に借りて遊んでみたことがあります。


『ウェネリア国恋歌~異世界で恋をする~』

ある日、普通の女子高生のヒロインはトラックに轢かれる。死んだと思ったヒロインだが、目を開けるとそこには見知らぬ世界が広がっていた。

ヒロインは知識チートと自身の持つ膨大な魔力を使って異世界を生き抜き、ついでに国の重要人物とラブラブするという話です。


恋愛ゲームをしたことが無かったので試しに遊んでみたのだけれど、選択肢を色々試すのが面倒になって途中から攻略サイトでストーリーを読んで終わらせました。

ストーリーは悪くなかったのだが何度も読んでいたら流石に飽きるし、そもそも『ヒーローと自分』と言う視点ではなく『ヒーローとヒロイン』と言う目線で読んでしまう。

自分には恋愛ゲームが向いていないという事が分かりました。



さて、何故こんな事を話しているかと言うと、今現在『ウェネリア国恋歌~異世界で恋をする~』と同じ世界にいるからです。

と、いってもモブなわけですが。


あっ、そこの貴方、『モブならヒロインと関わらずに生きればいいじゃん』と思いましたね。

しかし、そうは問屋が卸さないのですよ。

何故ならヒロインが死亡フラグを辺りそこらにバラ撒くから。


順を追って説明しましょう。

まずこの世界には魔法があります。

この世界の住民はごく一部を除き全員が大なり小なり魔法を使えます。

そしてその中には現代の魔法学では説明できない技能を持つ者、『魔能者』が生まれることがあります。

はい、私です。

私は『過去と未来を見通す力』を持っています。

これって凄い事なんですよ。

『魔能者』のランク付けS、A、B、C、D、E、Fの内のAに当たります。


あっ、Sは100年に1人ぐらいの割合なのでいないものと考えてください。

前回のSクラス『万物創造』は10年前に30歳でアナフィラキシーショックで死んだのであと60年は現れないでしょう。

物は生み出せても、アレルギー反応は消せなかったという事です。


閑話休題


そんなAランクの私でも未来を見るのは難しいです。

だってコロコロ変わるから。

5分先10分先なら大丈夫ですが、半年先1年先になるといろんな可能性の映像がダブって見えます。

酔います。うぇっぷ。


Bランク以上の魔能者は神殿に申告すれば聖人として祭り上げられます。

ちなみに私は申告していません。

何故なら聖人になると神殿所属となり家族の縁が切れるから。我が家には子供は、私と体の弱い妹しかいないので、私が聖人になるにはいかないのです。

そのせいで自分から申請する人は多くないです。

他の人に申請されて聖人となる人は多いですが。

処刑されない魔女裁判だとよく言われています。


そんなBランクの聖人に『予言』と言う能力を使える人が居ます。

私の能力と似てますが、私が映像で未来が見えるのに対して、こちらは文字で未来を知ることが出来ます。

でもって、知りたい内容を選ぶことが出来ません(これはBランクのせいですね)。

この人が「5年後、異世界から少女が降り立ち世界が変わる」と予言しました。


5年後の未来を見ると酔います。下手したら死にます。

なので過去を覗きました。過去はダブりません酔いません。いえ~い↑

前世を見ました。恋愛ゲームの内容と、現世を見比べました。

国の名前、西暦、国王の名前、その他もろもろが合致しました。

ゲームの内容と現世の常識を見比べました。

ヒロインの行動が死亡フラグをバラ撒くことが分かりました。いえ~い↓


『世界が変わる』って、ヒロインが死亡フラグをばら撒くことを指しているんですね。

これだから予言は曖昧で嫌いです。


ゲームによると、私に影響を与えるヒロインの行動は

・ヒロインが魔法の試し打ち→貴重な回復薬の材料が全滅

・ヒロインが国の重要人物といちゃいちゃ→国が回らなくなる

・ヒロインが水銀を毒だと訴える→こっちの世界じゃ、ちゃんと薬に加工することが出来るんだよ、おかげで今まで治っていた病気が治らなくなったじゃないか!

・ヒロイン平和を訴える→軍備縮小、解雇者続出

・ヒロインとヒーローが竜退治→それ、国の守護竜ぅぅぅ!

・ヒロインとヒーローが化け物退治→それ、大魔神の封印守っている奴ぅぅぅ!

・ヒロイン、大魔神の封印破壊→大魔神によって国の5分の1破壊される、イケメンだからって見た目に惑わされるなよー!

・ヒロイン、大魔神の邪気によって病気になるが貴重な薬を使う事によって復活→それ、私の妹が使うはずだった薬ぃぃ!無理矢理奪われとる!

・ヒロイン、隣の国の王を引っかける→戦争勃発!

etc、etc・・・


と、まあ、国を潰そうとするかの如く働きを見せている。


あっ、自己紹介が遅れました。

私はウェネリア国ヴェネール公爵の娘ルネリア・シン・ヴェネールと申します。


ちなみにゲームによると私の役割はヒロインに意地悪をするモブだそうです。

それ、ヒロインを殺そうとしていたんじゃない?




恋愛ゲームの方ではヒロインがしでかした事による結果は書かれていないので良い話になりますが、よくよく見ると被害者多数です。


評判良ければ、続きを書くかもしれません。

続きを書くときは主人公の家柄や名前はワンランクダウンですね。

このままじゃ、主人公の家柄が真の王家みたいになるので。

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― 新着の感想 ―
[一言] がんばれ、公爵令嬢。 ヒロインを聖人認定して…しまったら被害拡大しそうだから、暗殺するしかないですねぇ。 なんでいきなり前世を見たとかいう展開になったのかと思いましたが、酔わないから前世と…
[良い点] おもしろいと思います。 ただ、確実にヒロインをなんとかしたいなら、主人公がAランクの聖人になってヒロインがやらかす可能性あることを公表すればよいかと。 こんな危険人物だとわかってれば来た瞬…
[一言] 評判良い悪いはよく分かりませんが、結構ツボにはまって面白いので続きが来たら小躍りして読みに行く奴がここに1人居ますよ・・・|´-`)
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